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翌日、光太郎は寝不足で学園に遅刻してしまった。

担任教師、近藤翔子に大目玉を食らった。

理由を正直に説明したら、大笑いされた。


昼休み、光太郎は昼食のパンを食みつつ、本を読んでいた。

ちらりとソニアの席を見てやる。

ソニアの席の周りには数人の女子が集まって、揃って昼食をとっている。

いつもの光景だった。ソニア自体はつんけんとして対応しているのに不思議と人が集まるのだった。

一方光太郎は未だに友達が出来ていなかった。

もそもそとパンを噛みながら視線を本に戻した。

読書に集中しだした光太郎は黙々とページを進める。

つと、光太郎は自分の正面から視線を感じて顔を上げた。

「やっ、何読んでるの?」

急に話しかけられて光太郎は唖然として口をぱくぱくとさせた。

話しかけてきた男子は、光太郎の本をのぞき込む。

「あぁ武器の使い方の本とかそんなのところかな」

光太郎はなんとか我に戻って質問に答えた。

「あ、うん。部活で貰った本なんだ」

「君、自己紹介の時リピーターだって言ってたよね。じゃあ転生部に入ったんだ」

その男子はにこやかに光太郎に聞いてきた。

「あ、うん牧歌部っていうところなんだけど」

その男子は首を傾げた。

「そんな部活あったけな…」

「あ、いや、今年できたばっかりの小さな部活で…」

「へぇ、そうなんだ…。あっ俺の名前わかる?」

光太郎は、頭を捻って記憶を絞り出そうとする。

「俺、円藤正晴、よろしく」

そう言って正晴は手を出した。

光太郎はどぎまぎして手を差し出した。

「あ、僕、天野光太郎。よろしく…」

二人は握手をした。

正晴が光太郎に聞いた。

「天野もリピーターなんだよね?」

「あ、うん一応」

「実は俺もリピーターなんだよ」

光太郎は眼を見開いて聞く。

「え、そうだったんだ」

正晴はにこやかに言った。

「リピーター同士仲良くしような」

「う、うん」

光太郎は初めてリピーターの男友達ができ、満面の笑みをつくった。

「昼飯、一緒にいい?」

「あ、いいよ」

光太郎はそう言うと本を閉じた。

正晴は机を動かして光太郎の机と合わせた。

正晴の昼食は光太郎と一緒で購買のパンだった。

光太郎が牛乳を飲みつつ正晴に聞く。

「正晴くんは転生部に入らないの?」

正晴はパンを食みつつ答える。

「そうだね、部活とかそういう面倒臭そうだからさ」

「そっかぁ。でもダンジョンとか行きたくならない?」

「いやぁ、俺、前世はただの農民だったからさ、あんまりダンジョンとか戦闘とかは興味ないかな」

「そっかぁ」

「それに部活に入らなくても、ソロでダンジョンに潜ることだってできるんだぜ。勿論学園の許可は必要だけど」

光太郎は、初耳で目を見開いて驚いた。

「へぇ、知らなったよそんなこと」

「上級生には、ソロで有名な人もいるんだぜ。カッコいいよなぁ」

正晴が続ける。

「ま、俺はソロでもダンジョンには行きたくないけどな。リピーターが皆、転生部に入らなきゃいけないって訳でもないしな」

「そうだね…」

「ダンジョンを踏破して功を手に入れるのも悪くわないだろうけど、俺は平凡に暮したいかな」

――リピーターにも色んな人がいるんだなぁ…。

光太郎はそう心に抱いた。

元農民か…。いつか〈鉄の世界〉の事を聞けるようになったらいいんだけどな。

光太郎は新しくできた友人をまじまじと見つめた。

それから二人は他愛ない話をして昼休みを過ごした。



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