小説家の夢編3
私はある意味犯人が菜奈だと分かって気が楽になった。
勿論、菜奈を責めたい気持ちはあったが、ここはグッと堪えた。
何故なら、菜奈を陥れる復讐を思い付いたからだ。
私なりの復讐。
『ペンは剣より強いんだってことを』
私は復讐に移行するために、まずは『その時恋は始まった』を書き上げた。
アクセス数は相変わらずだったけど、それでもいいと思った。
人気が出なくても書き上げるのが礼儀だし、それが私のポリシーだったからだ。
問題は次回作。
タイトルとシナリオは既に構想にある。
その時恋は始まったを執筆していた時より、ペンは走った。
◇◇◇◇◇◇
タイトル名は
『呪いたい女』
内容はこうだ。
私には昔から仲のいい菜々子という親友がいる。
菜々子とは気が合い、嬉しい時も、悲しい時も分かち合えるそんな仲だった。
何でも許し合えることで、自分を認めてくれる唯一の人間だと思っていた。
ある日、小説家を目指していた私に〈投稿してみたら?〉と菜々子に言われ、その気になって投稿を始めた。
人気はなかったが、私は諦めなかった。
そんなある日、一通の感想が届いた。
『つまらない、やめろ』
私は落ち込んだ。
それでも私は諦めなかった。
悩む私に、菜々子は言った。
「諦めないで」しかし、それこそが悪魔の励ましだったのである。
そう、感想の主は菜々子だったのである。
今も本人は私に気付かれているとは知らず、悪口を書き続けています。
でも、負けません。
小説が好きだから。
というような内容だ。
この作品に対する反応はすごかった。
ノンフィクションということもあり、人気は急上昇。
更に私の思惑通りに、『菜々子』=『菜奈』に腹を立てた読者が、感想を数多く寄せてくれた。
〈菜々子は最低だ〉
〈菜々子は生きてる価値がない〉
〈菜々子死ね〉
私は満足げにそれを眺めた。
次の日から菜奈は私から避けるように、塞ぎこんだ。
私が受けた事実を、クラスメイトの誰もが知り菜奈と話す者はいなくなった。
自業自得と言えばそれまでだが、その後菜奈は高校を自主退学していった。
そこまで、追い込むつもりはなかったが、結果として復讐を果たした。
どんなことも、話し合えたはずの菜奈が、一番の敵だった。
私は今回のことで学んだ。
『憎しみは何も生まない』と




