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小説家の夢編1

 さぁ、新しい愛と憎悪の始まりです。

 梢の夢は小説家だったが……

『あなたには癒えないほどの傷がありますか?』



◇◇◇◇◇◇


 私の名前は『武藤 梢』高校三年生だ。

私には中学生の時から抱いている夢がある。

それは『小説家』になること。

 基本的に本が好きで、売れっ子小説家の『未来 コウ』さんの作品に影響されたのが、ことの始まりだ。

 コウさんの描く恋愛小説は共感することが多く、自分もこんな恋がしたいなぁなんて思っていた。

 勉強や部活で忙しい日々の中、初めての作品が完成しようという時、親友の『菜奈』の薦めで人気小説投稿サイト『小説家になれば』に投稿することになった。

 私の書いた作品名は『その時恋は始まった』。

等身大の女子高生の恋愛を描いたピュアな作品だ。

自分でいうのもなんだが、リアルに描けたと思う。



 しかし、現実にはそう甘くはなく、ポイントももらえず、感想ももらえず、PVは一週間で五十アクセスという結果だ。

 私は落ち込み、自信がなくなり掛けていた。

 そんな時、親友の菜奈は言った。


「梢には才能あるんだか、頑張ってよ。私、応援してるから」


 私は菜奈の励ましのお陰で、めげずに小説を書き続けた。

 そんなある日、ようやく私の作品に感想を書いてくれる人が現れた。


「こんなつまらない作品を書き続ける意味がわかんない。書くのをやめたら?」


 正直ショックだった。

上手いとは言えないが、そこまで酷いことを言われるなんて思ってもいなかったからだ。

私は一晩中泣き続けた。



 翌日、私はまた菜奈に相談を持ち掛けた。


「酷い人もいるのね。でも、負けないで。梢なら大丈夫」


「でも、私自信ないよ……」


「何言ってんの? 梢のファンはここにいるよ」


 嬉しかった。

菜奈の一言で、私は小説の続きを書くことを決心した。



「これでよしと」


 次話を投稿しようとしたその時、またも感想が掛かれていた。

期待と不安を胸に恐る恐る開いてみると、また例の人からだった。


「何度言ったらわかるの? お前には才能のカケラもないんだから、とっとと退会しろよ。死ね」


 今度ばかりは許せなかった。

私はその人に返信した。


「私の作品の何処が駄目ですか? 良かったら教えて下さい」


 私は精一杯誠意を込め、涙を堪えながら返信した。

返信はすぐに戻ってきた。


「何処が悪い? 全部だよ。図々しいんだよ。早く消えろ!」


〈酷いよ……酷すぎるよ〉


 それ以来私は、食べ物も喉を通らないほど病んでいった。

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