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幼馴染み編1

 いよいよ始まりました。

 今回もドロドロしていくので、覚悟はいいですか?


 では、愛と憎悪と私と私~復讐のラビリンス~始まり始まり。

『あなたには、人に言えない恨みがありますか?』



◇◇◇◇◇◇


 私の名前は『泉堂 まどか』、二十一歳。


 某デパートに勤務するごく普通のOLだ。

旗からみれば。


 デパートで働くことは幼い頃からの夢だったし、憧れでもあった。

 でも、私の横には必ずと言っていいほど、邪魔をするアイツがいた。


 幼なじみの『西脇 加奈』だ。


 私の家は加奈の家に比べると、決して裕福な家庭ではなかった。

 加奈の家が庭付きの戸建てに対し、我が家は2DKの壁の薄いボロアパートに、父と母と弟の四人暮らし。

 それでも、油にまみれて働く父と、パートを掛け持ちする母を見ると、文句は言えなかったし、それが当たり前だと思っていた。


 だが小学三年の時、加奈は言った。


「まどかの家ってボロいよね。それに、まどかのお父さんて、いつも汚くない?」


 親友だと思っていた加奈の口から、悪魔のような言葉がわき出てきたことに、幼いながらも憎悪を抱いた。


 それからだった、加奈と距離を感じ始めたのは。


 中学で私がテニスを始めれば、加奈も始めレギュラーを奪っていく。


 校内模試を徹夜で勉強しても、必ず私より上位で、何に付けても私より前に出て、優越感に浸る加奈が許せなかった。


〈加奈と、もう離れたい〉


 そんな思いから、周囲の反対を押し切り、自分の学力より下の校内を志望した。


〈さすがに加奈は、この高校は志望しないだろう〉


 そんな私の期待を裏切るように、加奈は言った。


〈まどかが〇〇高校行くなら、私も行こうっと〉


 私は愕然とした。

周囲の反対を押し切ってまで決めた高校だ。

今更、『やっぱり志望高かえます』なんて口がさけても言えなかった。

 私は食べ物も喉を通らなくなり、拒食症になった。

 医者の勧めで自宅療養した時は、何日かに一度加奈が見舞いに来てくれた。


〈やっぱり加奈はいい子なのかな?〉


 私の心は揺れた。

しかし、実際には違った。

 後から別な子から聞いた話では、学校でみんなに話し、私を笑いのネタにしていたのである。 何も知らない私は加奈に『ありがとうね』と何度も感謝の言葉を並べていた。


◇◇◇◇◇◇


 高校に進学すると、私に飽きたのか加奈はあまり接触して来なくなった。


〈これで高校生活が満喫できる〉


私はそう思った。


 新しい友達も出来て、隣のクラスの男の子に私は恋をした。

 何度か話したことはあるが、特に接点もなく、それ以上進展することはなかった。

 完全な私の片思いだ、普通ならそこで終わる問題だった。


 そんな時、例によって現れたのが加奈である。

 私の片思いを聞きつけ、付き合っていた彼氏を振ってまでその男の子と付き合い始めたのである。


 私は泣いた。

悔しさより、悲しさより、怒りが先行する涙を。


〈アイツ ガ ニクイ〉


 私は知らず知らず呪文のように、唱えていた。


 結局、高校生活も加奈に振り回され、恋の一つも出来ず三年間が終わってしまった。


 更に加奈の呪縛は続く。

 ウチの学校は短大までエスカレーター式なので、当然加奈とは離れられない。


 短大生活にも慣れ半年が過ぎた頃、忘れもしない事件が起きた。


 加奈から誘われ、隣の大学の男の子達と合コンをやることになった。


 初めは乗り気じゃなかったけど、『やっぱり恋がしたい』私はそう思っていた。


 合コンは三対三で、近所の居酒屋で行った。


 ちょっぴり背伸びしたお酒に、頬を染め合コンを楽しんでいた。


 三人の内一人が私の好みで、トイレでも加奈ともう一人の友達に私の気持ちは伝えていた。


 時折、その男の子と目が合い恋の予感を感じていた。


 そんな時、またも加奈の邪魔が入る。


「〇〇君がまどかの事、気に入ったってさ」


 私のタイプじゃない〇〇君が、身を乗り出す。


「俺と付き合ってくれ」


 気になっていた彼は、一歩後ろへ下がっていた。


「でも……」


 この時ハッキリと断っておけば良かったのだが、恋愛経験の乏しい私はキッパリと断ることが出来なかった。


「付き合っちゃいなさいよぉ」


 脇で加奈がチャチャを入れる。


〈最低だ……はめられた〉


 だが悲劇は、こんなものでは済まなかった。

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