1.日下部さん、幹事ね♪
登場人物:日下部良介・星野雫・りきてっくす・神村律子・沢木香穂里・桂まゆ・午雲・大橋秀人・河美子
1.日下部さん、幹事ね♪
ある日、雫さんから電話があった。
「ねえ、日下部さ~ん。みんなで温泉にでも行こうよぉ」
「いいですねえ」
「じゃあ、決まり。日下部さん、幹事ね♪」
「えっ!」
雫さんはそれだけ言うとルンルン気分で電話を切った。
「参ったなあ…。だけど、雫さんにはかなわないなあ」
とりあえず、メンバーを集めよう。まずは律子さんだな。それと香穂里さんとまゆさん、美子さん…。ん?女の子ばっかりだなあ。まあ、いいや。
「あのさあ、律子さん。雫さんに誘われたんだけど、みんなで温泉行かない?」
「温泉?いいわね。どこに行くの?」
「まだ決めていないんだけど、伊香保なんかどうかな?」
「あんた、それ嫌味?それって私の地元じゃない?」
「あっ!そっか。じゃあ…」
「伊豆よ!伊豆にして」
「はい、はい。分かりました」
やっぱり律子さんはノリがいいなあ。こういう時には心強いよ。これで場所も決まったし。
次はまゆさんだな。
「まゆさん、久しぶり!」
「日下部さん?久しぶりね。なんだか予感がしてたわ」
「えっ?何の?」
「そろそろ声が聞きたいなって」
「いやあ、なんだか照れくさいなあ」
「で、要件は何?」
「雫さんの提案で温泉に行こうってことになって、みんなに声掛けてるんだけど」
「なるほど。それで幹事をふられたのね」
「正解!」
「いいわよ。楽しそうだし」
「ありがとうございます。詳細決まったらまた連絡します」
さて、まだ知り合ったばかりでちょっと恥ずかしいけれど、香穂里さんを誘ってみよっと。
「ねえ、香穂里さん。温泉行かない?」
「えっ?だって、日下部さん、妻子ある身じゃあ…」
「違う、違う!雫さんの提案でみんなで温泉に行こうって話なんだけど」
「あら、そうなの?ちょっと残念だけれど…」
「残念?」
「ううん、なんでもない。それでどこに行くの?」
「伊豆です」
よし!三人確保。でも、さすがに男がボクだけじゃあ、このメンバー持て余すよなあ…。
そうだ!
「ねえ、午雲さん。雫さんの提案でみんなで温泉に行くことになったんですけど、ご一緒しません?」
「みんなって?」
「とりあえず、律子さんにまゆさんに香穂里さんはOK貰ってる」
「へー、なんだか楽しそうだね。いいですよ」
やった!これで男性も確保したぞ。
もう一人、大橋さんにも声を掛けよう!この前、パチンコで大儲けしたみたいだし。
「ねえ、大橋さん…」
「行く、行く!温泉でしょう?」
「さすが、情報が早いねえ」
「うん、午雲さんから誘われた」
「それなら話が早い。じゃあ、よろしくね」
あとは…。ん?携帯が鳴っている。
「もしもし?」
「温泉行くんだって?俺も行くからね!」
「はあ…」
電話の相手は閉伊さん。僕はあまり面識がないんだけど、たぶん…。
「りったんから聞いたよ。当然OKだよな」
やっぱり。
「も、もちろんですよ」
ま、いっか。
あとあの人は欠かせないな。
「美子さん、温泉行こうよ」
「まあ!うれしい。日下部さんに誘われるなんて」
「あの…。勘違いしてませんよね?」
「大丈夫よ。二人で温泉に行ったなんて誰にも言わないから」
「ほら!」
「なにが?」
「二人じゃないんだって!雫さんから声が掛かってみんなで行くことになったんです」
「なーんだ。でも、それも楽しそうね。うん!行く、行く」