見えないふり
人の心は見えない
見えないものほど怖いものは無い
私は空気になりたかった
誰も気にしない、目を向けることも無い
そんな人間になりたかった
話をしなければ、触れ合わなければ、目を合わせなければ
誰かを背負うことをしなくていいと思ってた
私が強ければ、何も怖くないと思ってた
殴り合いの喧嘩になったことある
言葉遣いを荒くして
いつも冷めた目をしていた
本当は気づいてた
私は一人で生きていけるほど、強くないことに
でも、私さえもあざ笑った
所詮はその程度か、と
見えないふりをして、全てを見下すような視線を止めることはできなかった
一度染み付いた考えは、動きは
簡単に消えない
私には嘆くことさえ許されない
それは、傷つけてきた人たちの痛みだ
だから、自分を最高に馬鹿にする
私は全てに見放されているのだと
全てを見下そうと必死な、ちっぽけな少女はいつになったら気づくのでしょうか。