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ゴーレム闘技大会、本選第2試合と美人ゴーレム

月始めの1週間で残業時間が20時間を超えるって何でしょうね。


ゴーレム闘技大会の本選の第2試合が間もなく始まる。


カルルのゴーレムであるヴァイオレットの指標は、第1試合終了時点で防御力、魔法種別、特殊能力が変更された。


カルルのゴーレム(ヴァイオレット)の値(初期測定値)

・素材:液体金属

・種別:造形型

・攻撃力:8

・防御力:-

・武器:-

・速さ:8

・魔法種別:-

・特殊能力:-


カルルのゴーレム(ヴァイオレット)の値(第1試合終了後)

・素材:液体金属

・種別:造形型、魔法型

・攻撃力:8

・防御力:8

・武器:-

・速さ:8

・魔法種別:防壁型攻撃魔法

・特殊能力:防壁


ゴーレムのヴァイオレットが展開する防壁は、それに触れるだけで相手ゴーレムの体が消滅した。


それは、物理防壁でも魔法防壁でもない別の魔法である。


それはいったいどんな魔法なのか、或いはどんな魔石を使っているのか。


それを調べるには、鑑定魔法か鑑定の魔石を使えば簡単に分るはずだが、市場で売られている鑑定の魔石ではカルルのゴーレムに使われている魔石が何であるかを鑑定するのは容易ではない。


理由は、市場で売られている鑑定の魔石のレベルが低いからだ。 


魔石にはレベルというものがあり、市場で売られている魔石はレベル1からレベル3程度であり、レベル4の魔石が売られていることは稀で、レベル5以上となると殆ど流通していない。


対してカルルが錬成する魔石の殆どはレベル5以上であり、魔石によってはふた桁のレベルに達するものまである。


これは、神殿遺跡で入手した知恵の魔石によるものである。


故にゴーレムギルドとはいえ、カルルのゴーレムであるヴァイオレットの正体を殆ど把握できていない。


よってヴァイオレットの指標は未だ憶測の域を出ないものであった。


さて、ゴーレム闘技大会はブロック毎に分かれて戦いが繰り広げられる。


カルルのヴァイオレットはAブロックにいる訳だが、前大会の優勝者や前々回優勝者は、決勝トーナメントからの出場となるため、戦いが始まったばかりのAブロックでは強いゴーレムはまだ出場してはいない。


それでもカルル達は、出場選手とその関係者のみが入れる関係者専用エリアの席に座り、目の前で繰り広げられるゴーレム同士の戦いを観戦していた。


それを望んだのは、他でもないゴーレムのヴァイオレットであった。


「カルル様、あのゴーレムはなぜ殴り合っているのですか。両者とも殆どダメージを負っていないのに非効率です」


だとか。


「カルル様、あのゴーレム達が魔法を使わない理由を教えてください」


だとか。


「カルル様、あのゴーレムは剣を使っていますが、岩石ゴーレムに剣では傷ひとつつけられません。なぜ無駄に剣を使うのですか」


だとか。


「カルル様、闘技場で戦っているゴーレムは弱すぎます。あれではヴァイオレットが今まで戦ってきた飛空艇や飛空戦艦や飛竜の足元にも及びません。ヴァイオレットなら1秒で消滅させられます」


カルルはヴァイオレットから発せられる矢継ぎ早に出される質問に丁寧に答えていく。


その答えを聞く度にヴァイオレットは何かを考え自身の中に蓄えていたようにカルルには思えた。


「ヴァイオレットも何か武器か技を考えてみます。その方が観客も喜びそうです」


ゴーレムは、岩石か金属で作られたものが殆どであり、戦い方は力任せに殴る蹴るというのが普通だが、それがトーナメントの上位に行くとゴーレム同士による攻撃魔法の撃ち合いへと様変わりする。


ゴーレムのヴァイオレットは、目の前の戦いを食い入るように見ていて、時よりカルルに戦い方について幾度も説明を求めていた。


それを見ていて苦々しく思っていたのはアリスである。


「まずいわ。私のポジションがゴーレムに奪われるわ!」


焦っているアリスに対してパトリシアがなだめるように言葉を発する。


「アリス、焦ってはダメよ。ヴァイオレットは所詮ゴーレムよ。ただの人形。感情を持っていようとも会話ができようともただの人形よ。でもあなたは人間なの。人形に子は産めないけど、あなたは子を産めるのよ。それを忘れないでおいて」


焦るアリスにパトリシアの言葉が心を包み込む。


「はい。ありがとうございます。でもあんなに表情が豊かで女の私から見ても美人だと感情を抑えることができなくなります。しかも魔術師の私よりも遥かに強いんです。いつかカルルが取られてしまうのではと不安になります」


「そう、ヴァイオレットが強いのはゴーレムだからよ。人間にはできないことがゴーレムにはできる。それはゴーレムだから。でも私達は人間なの。人間には人間にしかできないことがあるの。アリスは人間としてカルルと接しなさい。ゴーレムに嫉妬してはダメ。それを忘れないようにね」


自身の心と葛藤するアリスの気持ちを察したパトリシアは、アリスに人間としての心構えを諭したのだ。


パトリシアの言葉によりアリスの心は平静さを取り戻していく。


「まもなくAブロックの第2回戦が始まります。出場選手は、控室にお集まりください」


闘技会場に第2回戦の案内が流れる。


カルルとゴーレムのヴァイオレットは控室へと移動し、他の面々は選手席へと入る。


闘技場の中央に現れたカルルとヴァイオレット、そして相手選手とそのゴーレムが姿を現す。


お互いのゴーレムが闘技場の中央付近へと歩み出て、審判が少し離れた場所から両選手の名前を呼ぶ。


「これよりゴーレム闘技大会Aブロック第2回戦を開始する。クリント選手、ゴーレムはファイヤーロック。カルル選手、ゴーレムはヴァイオレット!」


そしてヴァイオレットがローブを脱ぐと闘技会場が割れんばかりの歓声で埋め尽くされる。


「あの恐ろしいまでの美しさは何だ!」


「美人で胸もでかいなんて反則だ!」


「ヴァイオレットは俺の嫁!」


闘技会場にかつてないほどの歓声と怒号の嵐が吹き荒れる。


両選手は、選手席に入ると審判も審判席へと入り、試合開始の鐘が鳴らされる。


「試合の実況は、私アーロンと、解説のクレイでお送りいたします。早速ですがカルル選手のゴーレムの強さは異常でしたね」


「ええ、相手のゴーレムが触れただけで体の半分が消滅する魔法の防壁なんて聞いたことがありません」


「もしクリント選手が、カルルの選手の試合を見ていたら迂闊に接近戦はできないでしょう」


実況のアーロンが話に対して解説のクレイは、別の考えを示した。


「それよりも気になることがひとつあります。選手席にいるカルル選手を見てください。試合中だというのに優雅にお茶を飲みながら本を読んでいます」


「えっ、どういうことでしょうか。本来ゴーレムは単純作業向きで、戦いの様な複雑な動きに対しては操作する者が絶えずゴーレムに指示を出すはずです。それなのにカルル選手は確かに本を読んでいます。これはどういうことでしょうか」


「第1回戦の時は、たまたまかと思ったんですが、その時もカルル選手はゴーレムに全く指示を出していないように見えました」


「指示なしでゴーレムが動くということでしょうか?」


「まさかとは思いますが、とにかくこの試合を見てから判断しましょう」


その言葉を最後に実況のアーロンと解説のクレイは実況を止めると試合を静かに見守り始めた。


最初に動いたのは、クリント選手のファイヤーロックだ。


クリント選手のファイヤーロックは、烈火石という特殊な石で作られたゴーレムである。


烈火石とは、魔力を帯びると岩石の表面から炎を吹き出す魔法岩石で、この烈火石を使ったゴーレムの使い手はリント選手以外にはいない。


ゴーレムの体から吹きあがる炎の勢いは凄まじく、第1回戦では相手の岩石ゴーレムを烈火石の炎で焼かれて行動不能となっていた。


その頃、選手席ではアリス、ハンド、パトリシアがクリント選手のファイヤーロックの指標を見ていた。


・素材:烈火石

・種別:パワー型、魔法型

・攻撃力:8

・防御力:9

・武器:-

・速さ:5

・魔法種別:炎の魔法

・特殊能力:-


ベッティング(賭け)の人気は、カルルのヴァイオレットが1に対して対戦相手のファイヤーロックは9であり、観客は指標を見てカルルのゴーレムが負けると予想して賭けをしている。


「魔力を込めると炎を纏う烈火石で作られたゴーレムなど見たことがない」


「魔法具として烈火石は使い難いものですが、まさかゴーレムに使う人がいるとは思いませんでした」


「あんな炎の塊に抱きつかれたらヴァイオレットが燃え尽きてしまいそうね」


ハンド、パトリシア、アリスは、クリント選手のファイヤーロックの指標を見ながら思い思いの意見を話している。


するとカルルが本を読みながら3人に向かってこんな言葉を発する。


「僕のゴーレムには、知能の魔石を使っているから自身で考え自身で行動する。だからどんな事になっても絶対に負けたりはしない。試合中も僕が指示を出したりしないから、己で考えて行動するように指示を出してある」


この言葉を聞いたハンドとパトリシアは、その意味を即座に理解した。


「まさか完全自立行動のゴーレムですか。いや、いくらなんでもそんな事ができる訳・・・」


「ゴーレムが自立行動できたら、そこら中の国が欲しがります」


ハンドとパトリシアの言葉にカルルは、素っ気なく答える。


「まあ、見ていれば分かるさ」


カルルは、そう言うと再び本を読み始めた。


闘技会場の中央では、クリント選手のファイヤーロックが全身に炎を纏いながらヴァイオレットに向かって突進を繰り返していた。


だがヴァイオレットはその度に床上を滑るように移動して距離を保っている。


「せっかくカルル様が戦いの場を用意してくれたのだから、いろいろ試してみようかしら」


ヴァイオレットは、そんな言葉を発すると右手の人差し指から液体金属の細い糸のようなものを伸ばして石製の床上に垂らしていく。


その細い糸には弱い分解魔法を纏わせてあり、ファイヤーロックへと向かわせる。


ファイヤーロックはそれを知らずに床上をドカドカと地響きを鳴らしながらヴァイオレットに向かって何度目かの突進を慣行する。


ヴァイオレットが床上に這わせた細い糸は、炎を纏ったファイヤーロックの両足へと絡みつき、一瞬でその足を切断してしまう。


ヴァイオレットが右手の人差し指から伸ばした細い糸には、弱い分解魔法を纏わせてあるが局所的にその魔法強度を変えることができた。


分解魔法により両足を切断されたファイヤーロックは、足の修復を試みるもいつの間にか右手が根本から切断され、次に左手が根本から切断されていた。


何が起きているのかを理解できずにいるクリント選手は、ひたすら大声でファイヤーロックに指示を出しているが、既に両手足を切断されたファイヤーロックは動けず床上に横たわるだけの烈火石の固まりと化している。


そしてヴァイオレットがそこに近づくと空中にファイヤーロックのゴーレムコアが浮いていた。


それは、ヴァイオレットが右手から伸ばした液体金属の細い糸がファイヤーロックの体から取り出したゴーレムコアである。


そのゴーレムコアを右手の指で摘まんだヴァイオレットは、美しい顔に笑みを浮かべると、分解魔法によりゴーレムコアを消滅させる。


床上で炎を纏いながら倒れていたファイヤーロックは、その炎が消えると同時に動きを止めてしまう。


「勝者、カルル選手のヴァイオレット!」


審判が勝利者の名前を宣言する。


闘技会場で試合を見ていた観客は歓声も上げずにその戦いの結果を静かに見守っている。


「やはりです。カルル選手は、ゴーレムに一切の指示を出していません。今も本を読み続けています。カルル選手のヴァイオレットは完全自立型のゴーレムと言って問題ないでしょう」


「そっ、それは本当ですか。まさか完全自立型のゴーレムが存在するなんて聞いたことは・・・」


「では、第3戦でカルル選手の動向を観察してみてください。カルル選手はゴーレムに全く指示を出さないはずです。我々は、ヴァイオレットという完全自立型ゴーレムの誕生を目にしたのかもしれません」


解説のクレイは、そう言葉を発して締めくくった。




◆飛空艇の外殻と躯体を作る魔法

・土魔法


◆飛空艇を創るために必要とされる魔法

・強化魔法

・固定魔法


◆飛空艇を飛ばすために必要な魔石など

・浮遊の魔石

・飛空の魔石

・魔力の魔石

・魔道回路


◆カルルが創った飛空艇

 飛空艇:264

 1000艇まで残り736


◆カルルが創った飛空艇の内訳

 ・飛空艇試作一号艇

 ・飛空艇試作二号艇 ※両親が使用

 ・飛空艇試作三号艇 ※カルルが使用


◆北ラルバード大陸


王国向け飛空艇

・アリーア王国向け飛空艇 53艇(通常型20艇、戦闘型30艇、早期警戒飛空艇3艇)

・アリーシュ王国向け飛空艇 30艇

・ハイリシュア王国軍向け飛空艇 80艇(通常型30艇、戦闘型50艇)

・フルーム王国軍向け飛空艇 22艇(通常型10艇、戦闘型10艇、早期警戒飛空艇2艇)

・マレーナ王国沿岸警備隊向け飛空艇 20艇(戦闘型20艇)

・カヌーナ王国沿岸警備隊向け飛空艇 20艇(戦闘型20艇)


錬金術ギルド用飛空艇

・グランドマスター用兼商談用戦闘型飛空艇

・薬草栽培兼治療用飛空艇

・トーデスインゼル(死の島)救助隊用飛空艇 8艇

・トーデスインゼル(死の島)物資補給用飛空艇 2艇

・遊覧用飛空艇 4艇


◆北コルラード大陸


王国向け飛空艇

・ユグドリア王国向け飛空艇 50艇(戦闘型50艇)


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