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No.088  ゴーレム闘技大会予選

カルルに助けられたヴィスターク王国の3人の兵士は、飛空艇内を見て驚きの表情を浮かべていた。


助けた兵士の中には、惑星防衛システム内で何度も会話をしたメイソン軍曹もいて、カルルの心も少しだけほっとしていた。


飛空艇の1階には、3体のメイド姿のゴーレムが立っており、そのゴーレムがとにかく美人すぎて目が釘付けになっている。


飛空艇内には、鉢植えにされた薬草がいくつも並んでいて、飛空艇内でハイポーションを作っている光景にも驚いていた。


そして飛空艇の2階の操術の光景は、3人の目を疑うものであった。


操術師の周囲には、飛空艇の外の風景が映し出されていたり、周辺の地形図や魔獣の位置や種類や強さまでもがリアルタイムで映し出されている。


「飛空艇の能力が違いすぎる。いったいどうしたらこんな飛空艇が作れるのか!」


さらに飛空艇が飛んでいる高度に目を白黒させている3人の兵士達。


「高度10000mを飛んでいる?まさか、飛空艇で本当にそんなところを飛べるのか?」


「今まで飛んだ最高行動は20000mです。気温が氷点下60℃近くで、空気の濃さも地上の1割以下なので外に出たら死んでしまいます。ちなみに高度10000mでも氷点下40℃くらいなので、扉を開けたら凍死しますよ」


兵士達の言葉に高度10000mがどれほど苛酷な環境なのかをさらりと表現したカルルだったが、それが逆に恐怖を煽っていることにカルルは気が付かなかった。


「この飛空艇は、マルドーナ王国へ向かっています。水と食料を補充するためですが、皆さんはどうされますか?」


「我々3人は、マルドーナ王国に行ったらそこで仕事でも探します。ヴィスターク王国に戻っても兵役がまだ残っています。それに今回のような作戦に出たら次は命がないでしょう。両親に会えないのは寂しいですが、命あってこそです」


「分かりました。僕達は、マルドーナ王国で開催されるゴーレム闘技大会に出場します。よろしかったら見に来ませんか。僕達の関係者ということで闘技会場に入れるように手配します」


「なんと、マルドーナ王国のゴーレム闘技大会は有名です。ぜひお願いします」


マルドーナ王国へと到着したカルルの飛空艇は、数日間を水と食料の買い出しに時間を費やし、その後に王都の闘技会場へと入った。


そこには、大小の数百ものゴーレムが集まりさながら展示場と化していた。


闘技会場では、ゴーレムの検査を行うと同時に大会のルールが示される。


ゴーレム闘技大会のルールは、実にシンプルで守ることはたったのふたつ。


ひとつは、ゴーレムを操る操術者に対して攻撃を行ってはいけない。


もうひとつは、ゴーレムに装備するゴーレムコアはひとつであること。


ゴーレムを操る操術者に直接攻撃を行った場合、それは直接的或いは関節的でも即退場となる。


ゴーレムに2個以上のゴーレムコアを装備したことが発覚した場合、その場で失格となり退場処分となる。


戦い方は自由で、ゴーレム同士であれば格闘戦だろうが攻撃魔法を使おうが全て自由である。


そのため、戦いの中でゴーレムコアを破壊されることを承諾する書類にサインを書く必要があった。


ゴーレム闘技大会の本選に参加するためには、予選会に出場して3体のゴーレムと戦い先に2勝しないといけない。


予選会では、どのゴーレムと戦うかはくじ引きとなるが、強いと思われるゴーレムは最初から分散したブロック分けが施される。


競技大会と銘打ってはいるが、競技場を借りて客を呼び込みその収益で大会を運営しているため、当然の方式と言える。


さて、カルルのゴーレムであるヴァイオレットは見た目があれなので、ローブを着込みフードを深々と被り姿を隠しているためヴァイオレットがゴーレムだと気づく者はひとりもいない。


そして複数ある予選会場のひとつへとやってきたカルル達は、あまり広くはない練習場内で対戦予定のゴーレム12体と初対面となる。


ゴーレムの大きさは大小さまざまで、素材も岩石だったり金属だったりと様々だが、カルルとのゴーレムと同じ液体金属のゴーレムはいない。


参加者の隣りにはゴーレムが立ち、誰がどのゴーレムを使うのかがよく分る。


ゴーレムは基本的にパワー重視のものが多く、見た目より大きさを重視するが、大型のゴーレムはこの会場にはいなかった。


ゴーレムを操作する人間も体を鍛えた冒険者風の者からやせ型の者、或いは男性や女性、若い者から年老いた者まで様々だ。


まずはくじ引きで誰が誰と戦うかを決めるのだが、最初は岩ゴーレム同士の戦いになった。


双方のゴーレムは、体の大きさは人よりも少し大きいい位で素材は岩石ゴーレムである。


2体のゴーレムは、お互いに殴り合いを始めたが、殴り合う度に岩石が破片となり練習場内に破片をまき散らしていた。


数分ののち、他方のゴーレムが動かなくなると審判が決着を宣言した。


カルル達の目の前で行われた初戦は、負けた操作者の魔力切れが原因であったが、ゴーレムによる格闘戦は魔力消費量が多いせいかよくあることらしい。


そして第2戦にカルルのゴーレムと岩石ゴーレムとの闘いとなった。


対戦相手のゴーレムは人の身長よりも小さく、操作者はカルルの年齢とあまり変わらなく見える。


そして審判が宣言する。


「両者、会場中央に出るように」


その言葉にヴァイオレットがローブを脱ぐとそれをカルルに手渡し、会場中央へと進む。


その瞬間、会場内でどよめきが走る。


「おいおい。あれがゴーレムかよ!」


「人間の間違いじゃないのか・・・」


「ちょっと女性型ゴーレムなんて見たことないわよ」


この予選会場に集まった操者が思い思いの言葉を口にする。


「双方準備はいいかね。では戦い始め!」


審判の言葉にヴァイオレットは、体の周囲に分解魔法の防壁を展開する。


カルルのゴーレムは、造形重視でパワー型ではないので、格闘戦になれば確実に負けることは分かっていた。


だから分解魔法で防壁を展開して、魔法による攻撃で相手ゴーレムを分解する作戦である。


対戦相手のゴーレムは、カルルのゴーレムに直線的に突進すると片腕を振り回し、カルルのゴーレムを殴り倒そうとした。


だが、そのゴーレムの腕はヴァイオレットの分解魔法の防壁によりあっけなく消滅してしまう。


さらにヴァイオレットは、ゆっくりと前進すると片腕を失ったゴーレムの体に向かって両手を差し出した。


その瞬間、対戦相手のゴーレムの体が分解され、ゴーレムコアごと消滅していく。


その光景を見ていた者達からは、何が起きたのかを理解できすにただ立ち尽くすだけであり、対戦相手の操作者も唖然とその光景をただ茫然と見ているだけだった。


「勝者、カルル!」


審判の勝敗宣言が会場内に響き渡る。


ヴァイオレットは、カルルの元に戻ると再びローブを着込みフードを深々と被ると、何事も無かったように立っている。


「今のは魔法か。魔法を使えるゴーレムなら勝者は決まったも同然だな」


「あんなのがいたら俺のゴーレムでは歯が立たない」


既に敗因の空気がこの会場内に漂い始める。


そして数度のゴーレムによる格闘戦が繰り広げられ、1勝をもぎ取ったゴーレム同士の組み合わせがくじ引きで決まる。


するとカルルが2戦目の最初の戦いとなった。


そして審判が宣言する。


「両者、会場中央に出るように」


先程と同様にローブを脱いだヴァイオレットが会場の中央へと進み出る。


対するゴーレムは身長程もある大きな盾と岩で作ったこん棒を装備していた。


「双方準備はいいかね。では戦い始め!」


審判の言葉にヴァイオレットは、体の周囲に分解魔法の防壁を展開するが、そこにめがけて対戦するゴーレムが大型のこん棒を振り下ろすと、ヴァイオレットの頭上にそれが命中したように見えた。


だがこん棒は、あっけなく分解されるとヴァイオレットの右腕が前方へと突き出され、対戦するゴーレムが構える身長ほどもある盾を分解魔法により消滅させていく。


対戦相手のゴーレムは、一旦後方へと下がるとヴァイオレットに向かって体全体でタックルを行う態勢に入る。


だが、その態勢が整う前にヴァイオレットが走り込むと、対戦相手のゴーレムの体を一瞬で分解してみせた。


「勝者、カルル!」


審判の勝敗宣言が会場内に響き渡る。


またしてもあっけない戦いであった。


「カルル殿。2勝により予選突破を宣言する!」


カルルは、短時間で予選を見事に突破して見せた。


そして会場内にいるゴーレムギルドの職員から本大会出場の案内書を手渡されると、予選会場を早々に後にする。


「もっと強いゴーレムと戦うと思ったけど、以外と簡単だったね」


「それは単にカルルが作ったヴァイオレットが強すぎるんじゃない」


カルルの言葉に答えたのはアリスであった。


ローブを着込みフードを深々と被るヴァイオレットは、カルルのすぐ後ろを歩いている。


予選会場が並ぶ通路を歩くその姿は、ゴーレムというよりもローブを着た魔術師にしか見えない。


その頃、予選会場ではカルルのゴーレムに対して全ての操作者から、あれは人間の魔術師ではないのかとクレームが殺到していたが、既にゴーレムの検査を終えているため、ゴーレムギルドの職員も審判もクレームを聞き入れなかった。


予選会場では、カルルのゴーレムであるヴァイオレットは、まだその力の半分も出してはいないが、ヴァイオレットと互角に戦えるゴーレムはこの闘技大会に現れるのかについては、もう少し先の話となる。




◆飛空艇の外殻と躯体を作る魔法

・土魔法


◆飛空艇を創るために必要とされる魔法

・強化魔法

・固定魔法


◆飛空艇を飛ばすために必要な魔石など

・浮遊の魔石

・飛空の魔石

・魔力の魔石

・魔道回路


◆カルルが創った飛空艇

 飛空艇:264

 1000艇まで残り736


◆カルルが創った飛空艇の内訳

 ・飛空艇試作一号艇

 ・飛空艇試作二号艇 ※両親が使用

 ・飛空艇試作三号艇 ※カルルが使用


◆北ラルバード大陸


王国向け飛空艇

・アリーア王国向け飛空艇 53艇(通常型20艇、戦闘型30艇、早期警戒飛空艇3艇)

・アリーシュ王国向け飛空艇 30艇

・ハイリシュア王国軍向け飛空艇 80艇(通常型30艇、戦闘型50艇)

・フルーム王国軍向け飛空艇 22艇(通常型10艇、戦闘型10艇、早期警戒飛空艇2艇)

・マレーナ王国沿岸警備隊向け飛空艇 20艇(戦闘型20艇)

・カヌーナ王国沿岸警備隊向け飛空艇 20艇(戦闘型20艇)


錬金術ギルド用飛空艇

・グランドマスター用兼商談用戦闘型飛空艇

・薬草栽培兼治療用飛空艇

・トーデスインゼル(死の島)救助隊用飛空艇 8艇

・トーデスインゼル(死の島)物資補給用飛空艇 2艇

・遊覧用飛空艇 4艇


◆北コルラード大陸


王国向け飛空艇

・ユグドリア王国向け飛空艇 50艇(戦闘型50艇)


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