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No.075 沿岸警備隊

山手線の停電で通勤が大変でした。

相変わらず帰宅は深夜1時過ぎ、疲れる・・・。

ハイリシュア王国の王都を奪還したカルルは、王都の城壁の上で戦闘用飛空艇50艇を創り終えると、契約履行済みであることを錬金術ギルドのグランドマスターへ告げ、国王代理であるグレースへの伝言を依頼した。


あとは、ハイリシュア王国の国王代理であるグレースが契約を履行すれば、ハイリシュア王国とカルルが結んだ契約は全て満了となる。


契約については、錬金術ギルドのグランドマスターに一任して、次の飛空艇創りの依頼先へと移動することになった。


新しい飛空艇の納入先は、マレーナ王国とカヌーナ王国というふたつの小国である。


アリーア王国の南で国境を接するマレーナ王国とカヌーナ王国というふたつの小国は、南を海峡に面しており船による貿易が盛んであったが密輸が絶えず横行しており、その取り締まりにカルルの飛空艇が選ばれたのだ。


両国とも貿易で潤っているとはいえ小国であるが故、予算的に多くの飛空艇を購入することはできないということで各10艇を導入するという。


カルルとしても両国に各10艇を納入し、操術師の訓練期間を入れても1カ月程度で終わると踏んでいた。


ただ、今回納入する飛空艇は、海上運用が主体であるため、特別な装備を用意する必要がありる。


追加装備というのは、飛空艇に蓄えた魔力が枯渇して海上に着水しても飛空艇が海に沈まないように、フロートを装備するというものだ。


ちなみにフロートとは、大きな浮きのことである。


飛空艇は、密閉状態であれば着水しても直ぐには沈まないものの、時間の経過とともに浸水して沈んでしまうため、海上運用が主体となる飛空艇ではフロートは必須装備といえる。


マレーナ王国へと到着したカルル達は、飛空艇の納入先となる沿岸警備隊の施設内で飛空艇創りを始めたが、飛空艇を見たものは殆どいないらしく、仕事の合間に飛空艇創りを見物に来る警備隊員はあとを絶たない。


また、ゴーレムを見た者もなくそのゴーレムが美人だというので、警備隊員の変な関心を集めていた。


カルルは、沿岸警備隊がどういった装備で密輸を行っている者を取り締まるのかを見学させてもらったところ、密輸の取り締まりは水上を高速で移動する警備艇で行う。


警備艇には、水上を高速で移動できる魔道具が装備されており、海上で不審船を追跡して臨検するのだという。


試しに警備艇に乗せてもらったが海上を高速で移動すると、警備艇は立っていることも座っていることもできないくらいの酷い揺れで、カルルは警備艇に乗って10分も経たないうちに食べたものを全て戻していた。


「警備艇ってこんなに揺れるんですか」


「今日は、波は穏やかなので揺れなかった方だ。風が強い日だと波も高いから最悪船が転覆する時もあるからね」


カルルは、警備艇から降りたあとも食べたものを戻していて、あまりの体調の悪さにその日は寝込んでしまい飛空艇創りは出来ずじまいだった。


次の日になり、体調が戻ったカルルは飛空艇創りに全力を注ぎ、マレーナ王国から注文のあった10艇の飛空艇はあっという間に完成した。


飛空艇が完成した後は、アリスが沿岸警備隊の操術師候補者に飛空艇の操術を教える番となったが、警備艇に装備している魔道具とは勝手が違うらしく思ったように飛空艇を動かせないという問題に直面する。


カルルとアリスの2人が飛空艇に乗り込み、操術師候補者に魔石への魔力の送り込み方などを丁寧に教えること10日でようやく初心者レベルの操術師に成長した。


今回の案件では、飛空の腕輪100個も併せて納品する契約となっており、飛空の腕輪創りはゴーレムではなくカルルが行っている。


魔道具は大量に発注されることが多いいが、魔法術式の設定作業が工程の殆どを占めるため、ゴーレムに創らせるよりもカルルが創った方が効率がよい。


警備隊員に飛空の腕輪の使用方法を教えたところ、飛空艇の操術とは違い飛空の腕輪の扱いは直ぐに覚えていた。


カルルにとっては、飛空艇も魔道具も扱い方に違いはないのだが、警備隊員の話では飛空艇と魔道具では、魔力の扱い方が全く違うと話していた。


マレーナ王国での飛空艇の操術師訓練も佳境に入った頃、海上での訓練中に不審船を発見したため、急遽不審船に臨検を行うことになった。


その日は、飛空艇にカルルとアリスが同乗して沿岸警備隊が用意した模擬船を不審船に見立てた訓練を行う予定でいたが、その訓練区域の近くを本物の不審船が航行していたのだ。


飛空艇の2階の左右にあるバルコニーで不審船を探す沿岸警備隊員が、おかしな船を発見する。


「あの船、甲板に木箱を満載している割に満載喫水線がかなり上だな」


「ああ、木箱が軽いのか何も入っていないのか。恐らく後者だろうな」


「今回は訓練として海上に出たが、あの船が不審船なら見逃すことはできない。カルル殿とアリス殿、それでよろしいか」


沿岸警備隊の隊員の突然の申し入れに、カルルとアリスは了承する。


「飛空艇のマストに停船命令旗を掲げろ。従わない場合は、進路上に魔道砲を打ち込め!」


飛空艇内は、臨戦態勢へ入ると1階で待機していた4人の沿岸警備隊員が飛空の腕輪と軽鎧を装備して飛空艇から不審船への降下準備に入る。


飛空艇のマストに停船命令旗が掲げられると、不審船と並走する進路を取る。


飛空艇のバルコニーから不審船に向かって旗を振り、即時停船命令を発するも不審船は一向に停船しない。


飛空艇は、不審船の進路を塞ぐように前方へと回り込むが、不審船は進路を変えさらに速度を上げていく。


「不審船は、逃げるようです」


「ならば、立ち入り検査を行う。飛空艇は不審船と並走して警備隊員の援護を行え。もし攻撃してくるようなら応戦しろ!」


飛空艇の1階の扉が開け放たれると、立ち入り検査を行う沿岸警備隊の隊員4人が飛空の腕輪に魔力を込め、一斉に飛空艇から飛び降りた。


警備隊員は空を飛びながら進路を不審船の甲板へと向けると不審の後方の甲板上に着地する。


「こちらマレーナ王国沿岸警備隊だ。この船の荷物を検査する。停船しろ!」


沿岸警備隊の隊員4人が甲板後方から船首に向かって進んでいくと、不審船の乗組員がショートソードを抜き、木箱の影で待ち構えているのが飛空艇のバルコニーで監視を続ける隊員の目に入った。


「やつら剣を抜いたぞ。不審船を武装船と断定する」


その言葉を受けて飛空艇の指揮官である飛空艇長が指示を出す。


「不審船は、武装している。よって武装船と断定して攻撃を行う。砲術師は、武装船を攻撃せよ。繰り返す、武装船を攻撃せよ!」


飛空艇の砲術師が、飛空艇の魔道砲を武装船へ向きを変え、木箱の影でショートソードを構える男に向かって魔道砲を発射した。


それによりソートソードを構えた男の腹から赤い液体が流れ出ると男は甲板へと倒れ込んだ。


「ショートソードを構えた者はあと2人いる。続けて攻撃を行う!」


飛空艇の魔道砲が武装船へと放たれるとソートソードを構えた2人の男が甲板へと倒れ込む。


「待て、攻撃するな。する!」


武装船を操作していた乗組員が両手を上げて甲板の上に膝を付き、戦う意思が無いことを示した。


武装船は、海上で停船すると乗組員6人を拘束し、沿岸警備隊員は武装船の捜索を開始する。


すると船内から思いもよらないものを発見する。


「船底に麻薬がありました。それも大量にです。この量なら100kg以上です!」


沿岸警備隊員は、武装船を沿岸警備隊の施設へと運び、沿岸警備隊員の調査により船底から300kgを超える麻薬を発見する。


沿岸警備隊の指揮官は、飛空艇の訓練中の出来事とはいえ、これだけの麻薬を押収できたことに沿岸警備隊員の働きを褒めたたえた。


「これだけの麻薬を押収したのは、この沿岸警備隊の基地始まって以来の快挙だ!」


マレーナ王国では、海峡の対岸から大量の麻薬の密輸が行われて大問題となっており、その取り締まりとして飛空艇を導入したのだが、それが訓練中であれ機能したことに国王は喜び、不審船を臨検した沿岸警備隊の隊員とカルル達に対して勲章が送られた。


気をよくした国王は、沿岸警備隊に飛空艇10艇を追加配備する予算を確保すると同時に、沿岸警備隊員の増員を決め、飛空艇の追加発注は即時に行われた。


「追加発注分の飛空艇は、お隣りのカヌーナ王国の飛空艇を創ってからにまります」


カルルは、沿岸警備隊を所管する保安省と話しをつけるとカヌーナ王国へと向かったが、マレーナ王国での出来事は既にカヌーナ王国へも広がり、当初は10艇の飛空艇を納入する予定であったが、納入する飛空艇の数が20艇へと倍増されていた。


カヌーナ王国へ到着したカルル達は、飛空艇を運用する沿岸警備隊の施設の隣りに併設されたある施設へと案内される。


「ここは?」


「密輸された麻薬を使った者を収容する施設です。この麻薬を常習すると脳が破壊されて歩くことも話すこともできなくなります」


施設に収容された麻薬常習者の数は100人を超えていて、殆どの者は床の上を這いずり回っている状態だ。


「この麻薬で脳が破壊されると、治癒魔法で治すことはできません。薬もありません。食事を取ることもできなくなりやせ細って死を待つだけになります」


施設を案内した沿岸警備隊員は、悲壮な表情を浮かべながらも淡々と麻薬常習者の状態を説明していく。


「この麻薬を作っているのは、ラルバート海峡の対岸にあるモンデレーザ王国です」


「そこまで分かっているのに対策はできないのですか」


「麻薬の売買で上げた莫大な利益で武装船を建造し、さらに武装した飛空艇を購入しています。わが国だけでは太刀打ちできないのです」


「だからマレーナ王国とカヌーナ王国で合同で飛空艇を導入したということですか」


「予算があれば多数の飛空艇を導入して密輸を食い止めることができます。ですが、根本的な解決には程遠い状況です」


「麻薬を作るモンデレーザ王国を何とかしなければということですね」


「南ラルバート大陸の国々にこの麻薬は広まっていて、それが北ラルバート大陸の国々にも広まり始めています。今のうちに何とかしなければ、この大陸は麻薬で汚染されて大変なことになります」


カルルは、飛空艇創りでマレーナ王国へとやって来たが、この大陸を蝕み始めている麻薬という大問題といきなり対峙することになった。




◆飛空艇の外殻と躯体を作る魔法

・土魔法


◆飛空艇を創るために必要とされる魔法

・強化魔法

・固定魔法


◆飛空艇を飛ばすために必要な魔石など

・浮遊の魔石

・飛空の魔石

・魔力の魔石

・魔道回路


◆カルルが創った飛空艇

 飛空艇:224

 1000艇まで残り776


◆カルルが創った飛空艇の内訳

 ・飛空艇試作一号艇

 ・飛空艇試作二号艇 ※両親が使用

 ・飛空艇試作三号艇 ※カルルが使用


◆北ラルバード大陸


王国向け飛空艇

・アリーア王国向け飛空艇 53艇(通常型20艇、戦闘型30艇、早期警戒飛空艇3艇)

・アリーシュ王国向け飛空艇 30艇

・ハイリシュア王国軍向け飛空艇 80艇(通常型30艇、戦闘型50艇)

・フルーム王国軍向け飛空艇 22艇(通常型10艇、戦闘型10艇、早期警戒飛空艇2艇)


錬金術ギルド用飛空艇

・グランドマスター用兼、商談用戦闘型飛空艇

・薬草栽培兼治療用飛空艇

・トーデスインゼル(死の島)救助隊用飛空艇 8艇

・トーデスインゼル(死の島)物質補給用飛空艇 2艇

・遊覧用飛空艇 4艇


◆北コルラード大陸


王国向け飛空艇

・ユグドリア王国向け飛空艇 50艇(戦闘型50艇)


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