No.069 作業用ゴーレムを創る
残業続きで深夜に帰宅する地獄の様な日々も年内は終わり。
とりあえず、お話を書き溜めておこうかと思います。
最近は、設計書やテスト項目書作りばかりで、サーバ構築やってないですね。
カルルは、皆が飛空艇内で就寝したあともゴーレム創りを続けていた。
初めて創った戦闘用ゴーレム1号は、カルルの命令通りに空を飛び遥か彼方の空まで飛んでいったまま帰っては来なかった。
戦闘用ゴーレム2号は、中継コアを介して命令を伝えられるようにしたので、空を飛ぶゴーレムに命令を伝えることができるため、今はカルルの目の前で待機している。
さて、カルルが次に創ろうとしているのは、作業用ゴーレムである。
それも2種類の異なる用途だ。
ひとつは飛空艇を作るゴーレムで、もうひとつは魔石を錬成するゴーレムである。
魔石を錬成するゴーレムは、惑星防衛システムで実際に運用されているものだが、カルルが所有する知恵の魔石とは異なる魔石を使っているという。
もうひとつの飛空艇を創るゴーレムだが、これを考えた時にある問題を抱えていることに気が付く。
それは、カルルが飛空艇を創る時に使用するスキルだ。
カルルが飛空艇を創る時に使用する魔法は4種類あるが、全て魔石を使た魔法ではなくカルル固有スキルを使用したものだ。
それらは、土魔法、強化魔法、固定化魔法、魔道回路生成魔法の4種類である。
まず、土魔法を使える魔術師は以外と多くありふれた魔法であり、魔道具屋で土魔法の魔石も広く売られているため購入することも容易だ。
続いて強化魔法だが、これは土魔法で作った物体の強度を高めるために使用される。
殆どの場合、土魔法と強化魔法は対で使われることが多く、こちも魔道具屋で入手し易い魔石である。
次に固定化魔法だが、これは少々特殊な魔法である。
飛空艇は、床下に魔力の魔石、浮遊の魔石、飛空の魔石の3種類を埋め込み、それらの魔石が床下から外れないようにするために固定化魔法を使っている。
土魔法と強化魔法は、対になる魔法なので大きな街の魔道具屋に行けば何処でも入手可能であるものの、土魔法で作った物に魔石を埋め込んで固定化するという用途は、魔法杖や魔石を埋め込む魔法具に使われる程度で、実際に使う者は錬金術師や魔道具を作る職人くらいである。
つまり錬金術師や職人が使う魔石は、職人用の魔道具を売っている専門店での購入が必須となる。
最後の魔道回路生成魔法だが、これは個々の魔石を繋いで魔力を伝達させる道を作るもので、これも作れる錬金術師は多い。
ただ、作れる錬金術師が多いせいか街中の魔道具屋でこの魔石を扱っていないことが多く、こちらも専門店での購入が必須となる。
カルルは、ゴーレムに魔石を錬成させるために、これらの4種類の魔石を魔道具屋と魔道具の専門店で購入したのだ。
カルルは、これらの魔法のスキルを所有しているため、今まで不自由をしたことはないが、いざゴーレムに飛空艇を作らせるとなると、以外と面倒なものだと感じていた。
だが、ゴーレムが飛空艇を作ることができれば、カルルの作業の負担は何倍も軽くなるのだから仕方のないことではある。
さて、もうひとつの魔石を錬成するゴーレムについては、以外と難しくはない。
使われる魔石は、ゴーレムの魔石と魔力の魔石とカルルが予備で所有している知恵の魔石くらいだが、魔石を創るためには大量の魔力を必要とする。
この魔力を供給できるのはカルルしかいないが、ゴーレムに対して魔力供給をどれくらい行う必要があるのかは、実際に試す以外に方法はない。
そしてもうひとつ、ゴーレムに魔石錬成を行わせる場合、ゴーレムの魔石はレベル5以上が必要だ。
魔石というのは、錬成した魔石の数によってレベルが上がっていくため、魔力量や魔石を錬成する早さにより一生涯に錬成できる魔石の数というのは決まってしまう。
ゴーレムの魔石を錬成できる錬金術師であってもそれは例外ではなく、魔石がレベル5に到達する前に錬金術師としての寿命を迎えている者が殆どで、しかも知恵の魔石を所有している錬金術師となるとほぼいないのが実情である。
つまり、ゴーレムに魔石を錬成させることができる錬金術師は皆無なのだ。
さて、飛空艇創りを行う作業用ゴーレムと魔石錬成を行う作業用ゴーレムは、戦闘用ゴーレムと同じく中継コアに登録することで制御が容易になる。
作業用ゴーレムには、戦闘に必要な魔石は使わないないため、防御用に魔法防壁の魔石と物理防壁の魔石と、それらを制御するために魔力の魔石を作業用ゴーレムに使うくらうくらいだ。
では、実際にどうやって魔石錬成をゴーレムに行わせるかだが、やることは以外と簡単でカルルが行った魔石錬成をゴーレムに真似させるだけである。
ただ、魔石の錬成をゴーレムに真似させると言ったもの、それはどうやって行うのかは、全ての魔石に秘密が隠されている。
魔石には、実行した魔法がどのようなものであったのかを記録するログが保存される。
そのログを見ると、魔法の種類や魔法強度などが魔石言語という形で記録される。
土魔法の魔石であれば、魔法が行使された時に指示された造形物の形状も記録されるため、その魔石言語をコピーして魔法の実行コマンドに張り付けて再実行すれば魔力が続くかぎり同じ魔法を何度も繰り返し実行できる。
勿論、同じ魔法で同じ形状のものを生成するため、全く同じ形の物体をいくつも生成することができる。
魔石錬成も同様で、知恵の魔石に創りたい魔石を登録しておき、魔石を錬成した時の魔法言語を保存しておく。
そして創りたい魔石の魔石言語を再実行していくだけで魔石の錬成は完了となる。
土魔法で飛空艇を創る時も同様で、飛空艇の1階の床部分、飛空艇の構造体となる躯体部分、2階の操術室の床部分、外壁部分、内壁部分などを分割して実行した魔石言語を保存しておき、それをゴーレムに再実行させると飛空艇の大まかな部分は完成する。
これとは別に、魔道回路の敷設や操術室から外を見るための魔石ガラスの作成、或いは魔道砲や分解砲などの砲塔となる球体創や、砲を取り付けるマストなど、少し特殊な作業が必要なるものもあるので、これらも魔石言語を保存してゴーレムに再実行させる。
これでゴーレムに魔石錬成と飛空艇創りを行わせることができるようになる。
ただ、ゴーレムに飛空艇を創らせるにしても魔石を錬成させるにしても、カルルのように実際に創れる者がいて初めてできるのであり、さらにゴーレムに相応の魔力供給を継続的に行える者がいなければゴーレムは継続的に活動させるのは困難である。
カルルは、2体の作業用ゴーレム創りを陽が昇りかける直前まで行い、戦闘用のゴーレムと作業用のゴーレムの合計3体を完成させた。
まもなく朝を迎えて皆が起き始めた頃にようやくと寝床についたが、カルルが寝ている時に飛空艇を飛ばすと揺れて起きてしまうのではと考えた3人は、昼までこの島でのんびり過ごすことにした。
島には小さな動物くらいしか生息しておらず、魔獣と呼べるものは島の中央にある山に生息しているようで、姿を見ることはできない。
飛空艇の1階では、カルルと小さな梟が寝息を立てて寝ているので、皆は飛空艇の外にテーブルと椅子を並べてお茶を飲みながらのんびりと時を過ごしている。
時が経ち、太陽が頭上の上にさしかかった頃にカルルが起きてきたので、皆でテーブルを囲み談笑しながら昼食を食べ終えると、カルルが飛空艇と戦闘用ゴーレムを共に飛ばしてみたいと言い出した。
「それは、よいと思いますがまた紛失したりしないか心配です」
「今のうちに失敗しておいた方がいいかと思ってる。あとから失敗する方がよっぽどキツイかな」
パトリシアの言葉に答えたカルルだが、確かにゴーレムを立て続けに2体紛失するのは気が引けるが、自身の言葉を信じてゴーレムの試験飛行のために飛空艇は島を飛び立った。
高度2000mまで上昇した飛空艇は、時速100kmで水平飛行へと移りゴーレムの試験飛行が始まった。
カルルは、飛空艇の1階の後方にある扉を開けると、戦闘用ゴーレム2号に対して飛空艇から出て空を飛ぶように命令する。
この時、カルルはゴーレムに対して直接命令を行ったのではなく、中継コアに対してゴーレムの飛行を命令して中継コアが戦闘用ゴーレムへとそれを伝達している。
カルルが戦闘用ゴーレムに直接命令するとゴーレムへ命令できる距離は、カルルの視界が届く範囲に限定されてしまい、その範囲を超えてしまうと命令が無効と判断したゴーレムは動作を停止してしまう。
それを回避する方法として、空を飛ぶダンジョンが使っていた中継コアに、魔獣として戦闘用ゴーレムを登録しておき、中継コアから戦闘用ゴーレムを操作するという少し回りくどいやり方を用いた。
これであれば、周囲50kmの範囲内で戦闘用ゴーレムを数体は操作できる。
そして飛空艇から飛び出した戦闘用ゴーレムは遥か後方へと飛ばされたと思った瞬間、方向を変えると一気にカルルの飛空艇と並走して飛びはじめた。
「速い!」
飛空艇の扉から顔だけ出して外を飛ぶゴーレムを目で追っていたカルルは思わず口走ってしまう。
「もう少し飛空艇の速度を上げてみるか」
カルルは、2階の操術室で飛空艇を操作するアリスに飛空艇の速度を上げるように指示を出すと、アリスは魔石に魔力を送り込み飛空艇は徐々に速度を上げていく。
飛空艇の速度は300kmに達したが、戦闘用ゴーレムはカルルの飛空艇と並走して飛んでいる。
「ゴーレム。飛空艇の周囲をゆっくりと回ってみて」
カルルが発した命令により戦闘用ゴーレムは、時速300kmで飛ぶ飛空艇の周囲を横方向や縦方向に旋回しながら飛んでいる。
その姿はまるで空を飛ぶ渡鳥のようでもあり実に優雅な姿を見せた。
「ゴーレム。飛空艇の中に戻って来て」
カルルの命令に戦闘用ゴーレムは、飛空艇の後方へと移動するとゆっくりと飛空艇後方に開け放たれた入口から入って来ることに成功する。
「やった。これなら戦闘用ゴーレムとしても申し分ない!」
カルルが欲した精巧なゴーレムは、カルルが行った全ての命令に従い、見事に飛空艇との飛行を成功して見せた。
飛空艇の中には、戦闘用ゴーレム1体と作業用ゴーレム2体が並び、その姿は全てソフィアとそっくりで、服装は全てメイド服を着ている。
カルルは、3体ゴーレムを並べてご満悦だが、ふとあることに気付く。
それは、カルル、アリス、ハンド、パトリシアの4人とゴーレム3体がいる場所としては、飛空艇内は少々狭く感じたのだ。
「うーん、飛空艇が狭いか。ちょっと拡張しようかな。飛空艇の魔石も重力の魔石に変えたことだし・・・」
カルルは、そこで次にやることを思い出していた。
「そうだった。重力の魔石で飛空艇がどれくらいの高さまで行けるのかを試してみるか」
そう独り言を言うと梯子を上って2階の操術室へと向かう。
「アリス。これから新しい魔石の実験をします。高度をどれくらい上げられるかを試します」
「どれくらいの高度に上げればいいの?」
「そうですね、高度は・・・20000mでお願いします」
そう言い放ったカルルに、アリス、ハンド、パトリシアの3人の視線が集まる。
カルルの飛空艇は、徐々に高度を上げて空の遥か彼方へと移動を始めた。
◆飛空艇の外殻と躯体を作る魔法
・土魔法
◆飛空艇を創るために必要とされる魔法
・強化魔法
・固定魔法
◆飛空艇を飛ばすために必要な魔石など
・浮遊の魔石
・飛空の魔石
・魔力の魔石
・魔道回路
◆カルルが創った飛空艇
飛空艇:174
1000艇まで残り826
◆カルルが創った飛空艇の内訳
・飛空艇試作一号艇
・飛空艇試作二号艇 ※両親が使用
・飛空艇試作三号艇 ※カルルが使用
◆北ラルバード大陸
王国向け飛空艇
・アリーア王国向け飛空艇 53艇(通常型20艇、戦闘型30艇、早期警戒飛空艇3艇)
・アリーシュ王国向け飛空艇 30艇
・ハイザバード王国軍向け飛空艇 30艇
・フルーム王国軍向け飛空艇 22艇(通常型10艇、戦闘型10艇、早期警戒飛空艇2艇)
錬金術ギルド用飛空艇
・グランドマスター用兼、商談用戦闘型飛空艇
・薬草栽培兼治療用飛空艇
・トーデスインゼル(死の島)救助隊用飛空艇 8艇
・トーデスインゼル(死の島)物質補給用飛空艇 2艇
・遊覧用飛空艇 4艇
◆北コルラード大陸
王国向け飛空艇
・ユグドリア王国向け飛空艇 50艇(戦闘型50艇)




