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No.067 ゴーレムの素材

相変わらず残業で深夜の帰宅が続いています。

「これで依頼された魔石は、全て引き渡しました」


「はい。確認いたしました。惑星防衛システムは、現存する残り12機についても魔石の交換が必要となりますので、そちらの魔石交換もお願いいたします」


「12機、他に12機もあるの?」


「現在、地上に降りているものとしては2機が存在します。10機は惑星の外におりますので、カルル殿はそこに来ていただきます」


「この星の外ってこと?」


「はい。ですがまずは惑星に降りている2機の魔石交換を優先してください。場所は、この場所になります」


ゴーレムは、カルルに場所を指示すると、早々に惑星防衛システム内へと姿を消してしまう。


カルルが錬成した魔石を全てゴーレムに引き渡したあと、飛空艇で惑星防衛システムから出ると、それは空高く舞い上がりやがて姿は見えなくなった。


「さて、これからの予定ですが北ラルバード大陸に戻ります。ですが、その前に寄る場所があります」


「ゴーレムの素材を取りに行くのね」


「アリス。正解です」


「まずは、精巧なゴーレムを作ること。次に空を飛ぶゴーレム。そして飛空艇や魔石を創るゴーレムを最終目標にします」


「ゴーレムに飛空艇を作らせるの?」


「そうです。僕は、魔石を創ったり魔石の魔法術式を担当すれば、もっと早くより多くの飛空艇を創れます」


「でも、ゴーレムが作れなかったら夢物語ね」


「アリスは、嫌なことを言いますね。だからこそ素材集めが重要になります」


それからしばらく空を飛んだカルルの飛空艇は、錬金術師ゼストが地図で示した山奥の森の中に降り立った。


探査の魔石と鑑定の魔石で周囲を調べると、この場所はスライムの生息地であることが分かる。


だが、スライムといっても体はミスリスの液体金属でできている特殊個体だ。


スライムは、魔獣でも最弱の部類に入るがこのミスリスのスライムは、攻撃魔法や防御魔法を使うBランクの魔獣に分類され、さらに群れで行動する場合はAランクに分類される。


特殊個体のスライムは、攻撃魔法として炎系と雷系の2種類を使うものが多く、稀に風系の魔法を使う個体も存在する。


探査の魔石で調べた限りでは、森の中に数百体の特殊個体を確認していて、カルル達はこのスライムの群れの中を進んで素材採集をしなければならない。


「では、今回の素材採取の注意事項です。森の中にいるスライムに対して攻撃を行ってはいけません。基本防御のみです」


「それは、魔法防壁と物理防壁でしのぐということですか」


カルル注意事項に反応したのはハンドであった。


「はい。この素材収集は、ダンジョンで魔獣狩りをしてフロアボスを倒してお宝を持ち帰るといった類のものではありません。目的は、素材収集でありこれからも何度も来る可能性があります。なので命の危険がある場合を除き攻撃は厳禁とします」


カルルの言葉に、アリス、ハンド、パトリシアが頷く。


「その代わりですが、スライムの特殊個体の好物を用意したので、それが入った袋を皆さんにお渡しします。攻撃されそうになったら袋の中に入っているこの粒を少量づつ撒いてください。それでは行きましょう」


皆で飛空艇を出ると魔法防壁を展開して森の奥へと進んでいく。


カルルは、錬金術師ゼストが残したメッセージを見ながら対策を考えた。


少ない情報ながらキーワードはミスリル、手土産という言葉からスライムの好物だということが推察さきる。


そして手土産を持って行った先で、トラブルを起こす者はいない。


つまりスライムと戦わず、手土産としてミスリルを与えながら、目的地に進めと錬金術師ゼストがアドバイスしているとカルルは推察した。


森はうっそうと生い茂る木々により陽の光は届かずかなり薄暗く、地面には草があまり茂ってはおらず歩き易い。


ときたま、木々の影で炎が見えたり、雷のようなものが見える。


恐らくスライムが何かに対して攻撃魔法を放っているためだと推察できるが、他の魔獣を探査できないため、何に対して攻撃魔法を放っているのかは不明であった。


ふと目の前を見ると木の根本に1体のスライムが現れた。


それは、金属の体を持つ特殊個体のスライムで、4人の前に現れた時は金属色だったが、次第に赤色に変色すると雷の魔法を放ってきた。


カルル達は、魔法防壁を展開しているため無傷ではあるが、雷の魔法を四方から放たれれば魔法防壁もいつかは魔力切れを起こして使えなくなる。


そうなれば、4人はスライムの餌になってしまうのは明白だ。


カルルは、服のポケットに入れておいた袋から小さな金属の粒を取り出すと、それをスラムの前へと放り投げる。


するとスライムは、魔法攻撃を放つのをやめると放り投げたミスリルの上に乗り、体をくねくねと躍らせスライムの体の色は赤色から金属色へと変わっていた。


「スライムって攻撃する時って体の色が変わるんですね」


「いえ、ダンジョンで戦ったスライムは、体の色が変わるなんて見たことありません」


「そうなんだ。だったらこの特殊個体だけなのかな」


カルルの疑問に答えたのは、パトリシアであった。


スライムは、カルルが放り投げたミスリスにご満悦のようで、体を上下左右に揺らしながらミスリルを体内に取り込んでいるようだ。


「今のうちに先に進もうか」


それから何度かスライムと出会ったが、その度にミスリスの粒を放り投げては、スライムの興味をカルル達から逸らして森の奥へと進んでいく。


そして洞窟の入り口らしき場所へとやって来たが、想像していた洞窟の入り口というよりは、山の裂け目と表現した方がよいほどの大きな裂け目が眼前に広がっている。


「随分大きな洞窟ですね」


「山の裂け目といった感じかな」


「探査の魔石で確認すると、洞窟の中にもかなりのスライムがいるみたい」


「きっと、ここにラスボスの大型スライムがいるのだろう」


4人が思い思いの言葉を放ちながらゆっくりと洞窟の中へと入っていくと、ほどなくして大きな池が現れた。


池といっても地下水を蓄えたものではなく、溜まっている水は金属色という不思議な光景が広がっている。


カルルは、ふと洞窟の壁に目を向けると、そこにはミスリスの鉱石が露出していて、この洞窟そのものがスライム達のミスリル採掘場のように見えた。


「もしかすると、この山はスライム達のミスリス鉱山なのかも。壁や天井のあちこちにミスリス鉱石が露出しているね」


「この洞窟全部?」


「多分、そうだと思う」


「どれくらいの価値があるのかしら?」


「僕は、あの池の金属色の水が欲しいだけだから、早々に採取して帰ろうか」


カルルが池の水を再度鑑定の魔石で調べたところ、ミスリル純度50%の液体金属という鑑定結果であった。


錬金術師ゼストが言っていた通り洞窟の奥には、ミスリルの液体金属が溜まった大きな池があった。


「さて、この池に溜まっている液体金属を壺に移せば・・・」


カルルが収納の魔石から壺を取り出して、池の液体金属を採取しようとした時、池の中からカルルの身長の2倍ほどの大きさがある巨大な金属色のスライムが現れた。


ミスリルの液体金属の池に浮かぶ大きなスライムを見上げるカルルと、戦いの準備に入るハンドとパトリシア。


アリスは、大きな金属色のスライムにただただ唖然と視線を向けて動けない様子だ。


カルルは、手に持った壺を池の淵の地面に置くと、服のポケットに入れておいた袋を取り出し、そこからひと粒のミスリルを取り出した。


そのひとつぶを指で摘まむと、大きなスライムに向かって手を差し出してわざと見せびらかすような仕草をする。


カルルが持っているミスリルが何であるかを察した大きなスライムは、体をくねらせながらカルルの方へと近づいてくる。


「このミスリルは、純度99.9%の混ぜ物なしの極上品だよ。これを食べたら他のミスリルは食べられなくなるよ」


そう言って大きなスライムにミスリスを投げつけると、スライムがミスリルを体内に取り込み吸収していく。


カルルは、袋から次々とミスリルを取り出しては、大きなスライムに向かって投げつけると、それを吸収していくスライム。


カルルが投げつける純度99.9%のミスリルは、かなりお気に入りのようで体を上下左右にフリフリと揺らしている。


何個かミスリルを投げつけると、大きなスライムは金属色の水の中へと静かに沈んでいった。


「もしかして、あの大きなスライムがこの洞窟の主なのかな」


「恐らくそうであろう。ここはスライム達の気が変わらないうちに、素材を採取した方がよさそうだ」


カルルの言葉にそう返したのはハンドであったが、周囲に潜むスライムへの警戒は怠らない。


カルルは、収納の魔石から壺を取り出しては、次々と池の金属色の水を壺のなかへとすくい、金属色の水を蓄えた壺を魔石へと収納していく。


20個の壺に金属色の水を入れ終わり、飛空艇へと戻ったカルル達は空へと飛び立った。


惑星防衛システム内で錬成した重力の魔石とゴーレムの魔石を、今度は飛空艇内で錬成していく。


北ラルバード大陸への帰路は、以前のようにメルリア列島の上空を飛ぶのではなく北ラルバード大陸と北コルラード大陸の間にある大海原を飛空艇で超えることにした。


メルリア列島の上空を飛ぶと、何処かの国の飛空戦艦と遭遇して戦うとも限らないと考えての措置だ。


既にカルルの飛空艇には、重力の魔石が搭載されており、それが飛空艇にどんな影響を及ぼすのかは未知数ではあるが、可能性を探るのに早いに越したことはない。


そしてカルルが欲して止まないゴーレムの開発は、飛空艇内で既に始まっていた。




◆飛空艇の外殻と躯体を作る魔法

・土魔法


◆飛空艇を創るために必要とされる魔法

・強化魔法

・固定魔法


◆飛空艇を飛ばすために必要な魔石など

・浮遊の魔石

・飛空の魔石

・魔力の魔石

・魔道回路


◆カルルが創った飛空艇

 飛空艇:174

 1000艇まで残り826


◆カルルが創った飛空艇の内訳

 ・飛空艇試作一号艇

 ・飛空艇試作二号艇 ※両親が使用

 ・飛空艇試作三号艇 ※カルルが使用


◆北ラルバード大陸


王国向け飛空艇

・アリーア王国向け飛空艇 53艇(通常型20艇、戦闘型30艇、早期警戒飛空艇3艇)

・アリーシュ王国向け飛空艇 30艇

・ハイザバード王国軍向け飛空艇 30艇

・フルーム王国軍向け飛空艇 22艇(通常型10艇、戦闘型10艇、早期警戒飛空艇2艇)


錬金術ギルド用飛空艇

・グランドマスター用兼、商談用戦闘型飛空艇

・薬草栽培兼治療用飛空艇

・トーデスインゼル(死の島)救助隊用飛空艇 8艇

・トーデスインゼル(死の島)物質補給用飛空艇 2艇

・遊覧用飛空艇 4艇


◆北コルラード大陸


王国向け飛空艇

・ユグドリア王国向け飛空艇 50艇(戦闘型50艇)


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