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女じゃねぇって吠えた

 連絡先を交換したことで、柳村とは色んな距離感が近くなったらしい。


「折角だし、呼び方も変えちゃっていいかな。なんかこのままだと一生『姫城君』って呼び続けそうだから」

「別にそれで良くね?」

「え〜、ちょっと距離遠い感じしない?んじゃ、『誠』って呼ぶから、そっちは『犀佳』でよろしくね」

「お前は女子か」


 SNS交換をし終える頃には時間もかなり切羽詰まってきたため、俺達は駆け足で教室へと向かった。


 その際にすっかり元気になったらしい柳村──犀佳が呑気なことを言い出し、反抗する程の事でもなかったので奴の提案を飲むことにした。


 ⋯⋯まあ、俺にはそうでなくても、アッチには大事なことなんだろう。アイツ、色々とルールとか設けてそうだし。


 始業を告げるチャイムと一緒に教室に駆け込んだ俺達に、北白川の「滑り込みはアウトだつってんだろ!」という怒号が飛んでくる。


 だが、出席には間に合ったのだから気にする事はないと、謝罪しながら自席に着く。


 左隣には登校時には見かけなかった桜羽がいて、小さく「おっす」と短く挨拶をする。


 姫城誠として通学するようになってからというもの、彼と挨拶を交わすことがすっかりルーティン化していたからだ。


 流石にHRが始まっていたので桜羽からの返答は無かったが、尻目に彼がこくんと頷いたのが見えた。






 休み時間になると昨日突撃してきたクラスメイト達が挙って話を聞こうと俺と犀佳を囲んできたが、それ以外は特に変わり映えのしない日常が淡々と過ぎていく。


 必要な五教科系の授業は真面目にノートに取り、アイドル科特有の座学は適当に聞き流している内に時刻はあっという間に放課後に突入した。


 部活に行く者、チーム練習に参加する者、アルバイトに赴く者、少ない金で町に繰り出す者などなど、眠りこけている授業中の時とは打って変わって、意気揚々とクラスメイト達は教室を後にしていく。


 かく言う俺はハクステに登録されているAngel*Dollのグループチャットで告げられたミーティング時間まで暇を持て余している為に、放課後はまるっと空いているという犀佳に頼んで『フォトイン』のインストールを手伝ってもらっているところだった。


『Tree』や『W』といったテキスト系のSNSならまだしも、俺には写真や動画投稿をメインにしたSNSの使い方がさっぱり分からないので、インストがてら運用方法を教わる。


 犀佳先生曰く、「出先で食べた美味しい物とか、公園で遭遇した猫とかアップしたらいいんじゃないかな」とのことなので、今度実践してみようと思う。


 グダグダ文句を言ってても、これは芹沢先輩にお願いされたことだから無碍には出来ないんだよな。


 アイドルとして活動する以上、プライベートの公開は必須でもあるし。


 華々しさの全くない俺の日常を、これからどうやってそれっぽく見せていくのかも今後の課題となるだろう。


 因みに柳村の一桁のフレンドしかいない超個人的なリアルアカウントには、実家の猫ばかりが並んでいた。


『クレオパトラ』という高貴過ぎる名前を持つその猫はラグドールという猫種で、モップみたいに毛がふっさふさだ。


 偶然にも、まだ入院中だった頃に姫城誠の顔面を鏡で見る度に俺が想起していた猫種だった。


「誠の目ってパトラにそっくりだから、入学したばかりの頃はたまに盗み見してたんだよねぇ。ホームシックにはならないけど、寮に入ったばかりの頃は妙に恋しくって」

「『クレオ』じゃなくて、『パトラ』なんだな」

「そっちの方が響きが可愛いもの」


 もしや、退院後に何かと犀佳が俺に構ってくれたのはこの目のお陰だったかもしれない疑惑が浮上してきたが、やっと友達認定された絆に(ひび)を入れることもないだろうとそっとしておくことにした。


 会話に興じるのも程々に、インストールが終わったフォトインでアカウントを作成する。


 アカウント名は元々、『W』で作成してあった姫城誠のリアルアカウントから流用して『マコ』にした。


 姫城が使用していたそのアカウントはプライベートを垂れ流しているはずなのに、やはり投稿されている内容は男アイドルばかりだ。


 フォロー一覧を眺めていても、長篠二葉を始めとしたアイドルのオフィシャルアカウントや、彼等のファンと思しき同士達ばかりがずらりと並んでいる。


 って⋯⋯ん?


 よくよく見たら、ゲーム会社と声優?らしき人のアカウントも紛れているな。


 誤フォローか?


 少しばかりフォロー理由が不明のアカウントもあったが、考えても正答は出ないので気にしないことにする。


 俺が作るフォトインのアカウントは、今のところ知り合いしかフォローする予定は無いしな。


 作成したアカウントのトプ画は写真アプリと同期して、そこからテキトーなそれっぽい奴を持ってくることにしたのだが⋯⋯此処で予想外の問題が起こった。


 Wのアカウント事情からも分かるように、姫城誠は筋金入りのドルオタである。


 もうこれだけで、(おおよ)その展開は予想出来ることだろう。


 ご想像通り、スマホに入っている写真アプリのストレージは男、男、男まみれであった。


 読み込みが終わり、「さて、どの写真を使ってやろうかな」と開いた瞬間に表示される輝かんばかりに見目麗しい男達。


 どの写真も素晴らしい男ぶりを放つ男達ではあるが、そのあまりの量に長篠二葉ポスターと共生して、ある程度の耐性が出来つつある俺でも鳩が豆鉄砲を食らったような顔になってしまった。


 状況を理解した俺の目からは、ハイライトさんがアイホラサッサとばかりに逃げていく。


 この大変むさ苦しい男祭りは手伝ってくれている犀佳にもバッチリと見られており、圧巻の男アイドル写真集と成り果てているスマホ画面にうわぁと声を上げている。


「そういや、記憶を失う前の誠って凄いドルオタだったもんね。初めて会った時に『何処の事務所所属ですか!?』って聞かれたのをすっかり忘れてた」

「前の俺が迷惑掛けたな」


 彼奴は綺麗どころだったら見境なしか。


 初めて明かされた犀佳と姫城の出会いを聞き、目元がピクピクと引き攣ってくる。


 あのドルオタ野郎はどうやら長篠と犀佳は全く系統が違うにも関わらず、ちゃんと手を出そうとしていたらしい。


 彼奴のアイドル研究ノートを見る限り、この手の美人タイプはあまり記述が無かったと思うのだが、恐らく犀佳の色気を直で浴びたことにより琴線が鳴ってしまったのだろう。


 コイツには老若男女を狂わせるフェロモン的なものがあるので、分からんこともないのだが⋯⋯だとしても、もうちょっとマトモな出会い方をしてくれと思ってしまう。


 フォトインのトプ画は、スマホの背面に入れている赤レンジャーの撮影写真に決定した。


 段々とコイツに愛着が湧きつつある己がいる。


 ローカルテレビの朝のニュース番組内に彼を含んだご当地ヒーローコーナーがあるらしいので、時間がある時にでも見てみるか。


 粗方の設定も終わり、後はミーティング時間まで過ごすことになった俺達は、適当に駄弁ることにした。


 猫だけでなく、大体の動物が好きだという犀佳から今度リニューアルオープンするのだという水族館のプレゼンを聞いていると、ピコンと手にしていたスマホが一件の通知を受信した。


 真っ暗な画面に浮かび上がっているそれは、ハクステ内にある個別チャットルームからの通知だった。


『お疲れ様です。もしお手隙でしたら採寸を行いたいので、レッスン室までお越し頂けますと幸いです』


 真面目くさったその一文は、あの胡散臭い笑顔が特徴的な古坂先輩からのものだった。






 ◇◇◇






「お疲れ様です。まだミーティングまでには時間がありますが、御足労いただきありがとうございます。本日の採寸担当を務めさせていただく古坂です」

「お疲れさん!記録係兼デザイン案担当の透ちゃんでーす。マコちゃんのプリチーさを広め隊の広報部も兼任しとるからよろしく〜」


 呼び出しに応じてレッスン室に赴くと、既にそこには古坂先輩と逆浪先輩が揃っていた。


「お疲れ様です。本日はよろしくお願いします」


 味付けの濃い二人の出迎えに初っ端から腰が引けそうになるが、Angel*Dollの一年生になるということは、彼等の個性と付き合っていく覚悟を決めたも同然なのでなんとか気合いで耐える。


 採寸をするということなのでレッスン室の折り畳み長机の上には、メジャーや足の測定器といった道具が並んでいた。だが、その中に使用用途不明な色とりどりの生地も紛れている。


 摩訶不思議なラインナップに首を傾げつつも先輩方の近くまで歩み寄ると、鏡張りの壁前に立つように促されたので素直に動く。


 指示通りにミラー前に立つと、俺を挟むようにして二人が陣取った。


 位置に着いた先輩達は、検分するように俺の頭の先から爪先までを(つぶさ)に眺めている。


 まだ測定器は持っていないはずだが、既に採寸は始まっているようだった。


「今年はマコちゃんが一番小柄になるんやねぇ。中のインナーやシャツは市販のSサイズでもいけそうやけど⋯⋯アウターやパンツってなったら、既製品だと腰周りの厚みがちょっと足らんかもなぁ。ジロちゃん同様、型紙から作った方がええかもしれん」


 そう言うなり、何の予告もなく逆浪先輩が突然俺の上着を捲り始め、腰をホールドアップしてくる。


 先輩からのいきなりの凶行にギョッと目を剥くも、後輩の驚きなどなんのその。


 彼はガシッと掴んだ俺の腰から腹に向けてペタペタと手を移動させつつ、「もしかして60ピッタリくらい?」と向こうは向こうで信じられないと言いたげに瞠目している。


 逆浪先輩の仰る通り、姫城誠の腹囲は恐らくその値ぐらいの筈だ。脂肪も無ければ、筋肉すらも必要最低限しかないので男にしてはかなり薄い。


 出っ張った腰骨にスラックスを引っ掛け、ベルトを巻くことでなんとかずり落ちないように抑えているのが現状だ。


「そうなるでしょうね。どちらにしろ、フルで型紙を用意するつもりではいますよ。既製品とフルオーダーとではシルエットにかなり差が出ますから」

「それ、シュウちゃんがパンクせーへん?任されとる仕事はこれだけやないんやろ」

「心配は不要ですよ。僕は貴方と違って、補習や再テストに割く時間はありませんから」


 古坂先輩は例の貼り付けたような笑顔で、ニッコリと逆浪先輩に笑いかける。


 含みしかない古坂先輩の笑顔を食らった逆浪先輩は口角をピクピクと痙攣させて、「あ、そう」となんとか言葉を絞り出していた。


 そんな逆浪先輩の物言いたげな様子を気にも留めず、これ以上のやり取りは不要とばかりに古坂先輩は長机の方へと踵を返していった。


 粗方の見立てが終わったので、測定器を取りに行ったのだろう。


 あの人、ゲーム内でもかなり自由に振舞っていたが、此方でもマイペースに生きているっぽいよな。


 離れていく古坂先輩の背中を鏡越しに追っていると、隣から特大の溜息が聞こえてくる。


「なんもあんな言い方せんでもええやんなぁ。ほんまシュウちゃんは一言多いわ。素直に俺の心配を受け取ってくれたってええのに⋯⋯」


 溜息の持ち主は、もちろん逆浪先輩だ。


 むすっと唇を突き出して不平不満を表現する彼に、先程の先輩達のやり取りを聞いていて気になったことを質問してみる。


「あの逆浪先輩、もしかしてAngel*Dollの衣装って古坂先輩のお手製なんすか?」

「せやで。服飾科の学校に行っても可笑しくないスーパーな腕前しとるから、どんな衣装になるかは楽しみにしとったって」


 ゲーム知識でAngel*Dollの衣装は全て古坂が用意していると知っていたが、改めてその事実を目の当たりにするとビビるな。


 衣装までセルフプロデュースしているアイドルとなると、プロでもそうは居ない。


「ち・な・み・に衣装のデザインは俺がやっとるんよ。やから、マコちゃんのプリチーさを広め隊の広報も俺が担当なのね」

「すげぇっすね。そこまで徹底的に自分達でプロデュースしてるから、Angel*Dollは初代から一貫としてコンセプトがズレないんすね」

「そこまで褒められるとなんか照れるわぁ。真相は金欠やから自分らでやるしかないってだけやのに」


 素直な心からの感想だったが、先輩は嬉しそうに顔を緩めて、テレテレと後頭部を掻く。


 勿論、デザイン担当が逆浪なこともバッチリ把握している。


 ユーザー達からは【Angel*Dollの衣装係】とさえ慣れ親しまれている彼等は、此方の世界でもしっかりとその役目を担っているようだ。


 しかし、ゲームの設定だった時と実際に手作業している現在(いま)では、俺に与える印象が全く違う。


 あはははと逆浪先輩は照れ笑いしているが、資金が足りないからといって、そもそも自分達で手作りして補っていこうという発想に至ることが先ず凄い。


 ファーストファッションが流行したことで衣服の価値が安価になった今、通販でそれっぽい物も用意することは可能だろうに、Angel*Dollは他所をアテにせずに生地やデザインに拘り続けている。


 きっとその飽くなき探究心が、彼等を一番の稼ぎ頭として押し上げているのだろう。


 これが、白蘭高校 アイドル科のトップを冠する学生アイドルチームの覚悟と矜恃。


 本当、そこら辺に乱立している新興芸プロ保有のアイドルチームよりも余っ程気概がある。


「誠君、あんまり透を付け上がらせないでくださいね。調子に乗ると面倒ですので⋯⋯では、鼻高々な貴方には此方をお渡しします。キリキリ働いてくださいね」

「へいへい」


 逆浪先輩と喋りこんでいる内に古坂先輩が測定器等を手にして此方へと戻ってきたらしく、バインダーに挟まれた記録用紙を逆浪先輩へと渡す。


「それと誠君は髪を括ってもらってもいいでしょうか?採寸中に巻き込みかねませんので」


 古坂先輩にお願いされたことで自分の今の髪の長さが襟足だけとはいえ、腰元まで届いているのだと気付く。

 鏡で見えていたのに、全く認識してなかったわ。


 古坂先輩は用意周到にも髪ゴムまで貸してくれたので、それで襟足を適当に束ねる。


 やっぱり、姫城の顔に似合っているとはいえ、長いと不便が多いから切るべきかもしれねぇな。


「念の為ですが、誠君は今の髪型のままでお願いしますね。貴方をエンジェルたらしめているのは絹糸のようなその長髪のお陰でもありますので。では、ちゃっちゃか採寸を済ませてしまいましょうか」


 声に出していなかったはずなのに、何故か俺の気持ちが古坂先輩にバレてしまっている。


 そんなに疎ましそうな顔でもしてんのか、俺。


 古坂先輩の一声によってイメチェンを塞がれてしまったのと同時に、俺の採寸会が始まった。






 淡々とサイズを告げていく古坂先輩と、先程までのお喋りが嘘のように黙々と記録用紙にサイズを記入していく逆浪先輩の真剣さを倣って、俺もテキパキと指示通りに体を動かしていく。


 肩幅や腹囲、足のサイズといった学校の制服を発注する時にも測るような事から、股下からの長さや、太腿の幅といったそんな箇所まで採寸するのかよという所まで測り終わったところで、一応の一段落がついた。


「マコちゃん、ご飯ちゃんと食べとる?お父さん、この数字はちょっと心配になるわぁ」

「確かに想像以上に華奢でしたね。ですが、まだ彼は成長期真っ只中ですから、練習でしっかりと動き、消費したその分を食して、遅寝をせずに寝たら伸びますよ」

「はい。俺、多分成長期はこれからだと思うんで」


 古坂先輩の言う通りだと言わんばかりに元気よく返事するが、正直これはかなりの願望を混じえた希望的観測だ。


 姫城誠の声変わりは、声質と喉仏の出っ張り加減を見るに恐らく終わったと見て良い。


 つまりは、俯瞰的に眺めると彼の第二次性徴は大体終わりかけていると考えるべきだった。


 アイドルとしてはそれでも良いかもしれないが、男としては如何ともし難い事実である。


 俺個人のお気持ち表明としては、絶対に嫌だの一点張りだ。


 20過ぎても『可愛い』と誉めそやされるなんて最悪だ。


 男に生まれたからには、一度は『カッコイイ』『イケメン』って言われたいに決まっている。


 あとマジで可愛い路線の男は、学生を終えたら性格も可愛げがないとモテなくなるからな。


 恋愛願望がどれほど薄くとも、やっぱり周囲には男としての威厳を示していきたい。


 だが、そんな俺の複雑な男心を先輩達は全く汲み取ってはくれなかった。


「でも、マコちゃんが俺達みたいにでっかくなるのもそれはそれで寂しい気ぃするわぁ。可愛い〜可愛い〜て一生やりたい」

「貴方にしては珍しく最もなことを言いますね。誠君は今のままが一番エンジェルらしいと僕も思います」

「俺、絶対でかくなりますからね!?」


 先輩方のとんでもない願い事を即座に叩き落とす。


 此奴ら、なんてことを願ってくれやがんだ!?


 こうなったらぜってぇでかくなってやる。


 誰がなんと言おうと姫城誠を男の中の男にする。


 学生アイドルをやっている時はこの美少年ビジュアルをキープしてやるが、卒業した暁にはゴリゴリの筋肉マッチョマンにしてやるからな。


 たとえ成長が見込めなくても、筋肉さえあれば何とかなる。今に見てろよ。


 盛り上がっている先輩達を尻目に、拳を握ってひっそりと決意を固める。


 採寸会も終了し緩やかな空気感が流れる中、まだミーティング時間までは猶予があるはずなのだが、硝子扉がコンコンとノックされ、ガチャリとノブが回される。


「こんちゃーす!只今、補習より帰還しました!!」


 硝子扉の向こうから軽いノリの声と共に現れたのは、見知らぬ青髪ウルフヘアの派手目な男だった。


 レッスン室よりもシャンデリアとシャンパンタワーの方が良く似合いそうな男は、距離が離れていても見える生い茂った睫毛をバサバサと瞬かせるや、カチンと固まる。


 そして、彼は此方──正確に描写するのならば、先輩達に挟まれて突然出現した男をきょとんと見ている俺に向かって、異議あり!とばかりに指を突きつけてきた。


「お、お、女の子ーーーーー!?ちょ、先輩!?女の子を連れ込むのは不味いですって⋯⋯!!うち、いま熱愛報道弾食らって大火事なんすから、これ以上の追加の醜聞は洒落になんないって!!」


 男の口から大声量で解き放たれたのは、とんでもない大誤解。


 刹那、俺も負けじとばかりに言い返していた。


「俺は女じゃねえええええええ!!!」


※注釈

『ご当地ヒーロー』⋯⋯作中内では午前五時から放送中の『シャッキリ!』のコーナー内で、敵の『モヤッター』を相手に日々戦っている戦隊達のことを指す。


『赤レンジャー』⋯⋯『カンナデ戦隊 オツカレンジャー』のリーダー。朝のニュース番組内で生まれた戦隊なので妙にサラリーマンじみているのが特徴。社会に疲れた大人から社会経験の無い無垢な子供達にまで幅広い世代に愛されている。

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