表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/34

7話 旅路の出会い

ドルチェの試練を乗り越え、次なる試練の地へと向かう途中、颯、カンナ、リュウクの三人は森の道を進んでいた。新たな挑戦に向けて、それぞれの装備を整えつつ、次の戦いに備えていた。


「次の試練はどんなものなんだ?」リュウクが地図を確認しながら言う。


「確かな情報はないけど、次の試練は『忘れられた神殿』に隠された謎解きが中心みたいだよ。」カンナが答えた。


「謎解きか…前の迷路よりは頭を使いそうだな。でも、俺たちにはカンナがいるから心配いらない!」颯がカンナに微笑みかけた。


「ありがとう、颯。頑張って謎を解きますね。」カンナは照れながらも微笑み返した。


その時、道の先に人影が見えた。道端で座り込んでいる小柄な女性が、何かを探しているようだった。


「誰かいるみたいだな。行ってみようか?」リュウクが提案し、三人は女性に近づいた。


「どうしたんだ?何か困ってるのか?」颯が声をかけると、彼女は顔を上げた。美しい緑色の目を持つ、優しげな女性だった。


「すみません…実は少し迷子になってしまって。ここはどこか教えていただけますか?」彼女は申し訳なさそうに話し始めた。


「ここはドルチェから少し離れた森の中だよ。僕たちは次の試練の場所に向かってる途中なんだ。」リュウクが答えた。


「それにしても、こんな場所で迷子になるなんて珍しいな。どこに行こうとしてたんだ?」颯が尋ねる。


「私、ヒーラーとして旅をしているんですけど、この辺りでモンスターに襲われて道に迷ってしまったんです。」彼女は少し恥ずかしそうに言った。


「ヒーラーか!それならちょうどいいじゃないか!」颯が突然興奮したように声を上げる。


「え?どういうことですか?」彼女が困惑した表情を見せる。


「実は俺たち、次の試練に挑もうとしててさ。ヒーラーがいれば、戦いの時に大いに助かるんだよ!」颯が笑顔で答えた。


「そうですね…私たちには回復できる仲間がいないので、よかったら一緒に来てくれませんか?」カンナも優しく勧めた。


「え…私なんかで本当に大丈夫ですか?」彼女は少し不安そうに尋ねた。


「大丈夫さ。力を合わせれば、きっとどんな試練も乗り越えられる!」颯が自信満々に言った。


「ありがとうございます。それでは…私も一緒に行かせてください。名前はミアといいます。」彼女は頷き、少し安心した表情を浮かべた。


こうして、新たな仲間ミアが加わり、四人は次の試練へ向かうために再び歩き始めた。


旅を再開してから数日が経ち、四人は次の試練の舞台である「忘れられた神殿」へ近づいていた。しかし、森の奥へ進むにつれ、モンスターの気配が濃くなっていた。


「この辺り、危険な感じがするな。何か出てくるかも…」リュウクが警戒しながら前方を見渡す。


「確かに。何かが近づいてくるような気がする。」カンナも周囲を警戒していた。


その時、突然森の茂みから巨大な狼の群れが飛び出してきた。数頭の「ダークウルフ」が四人を囲むようにして吠え立てた。


「こいつら…!」颯がすぐに槍を構える。


「こっちも準備しろ!」リュウクも大剣を手に取り、戦闘態勢に入った。


カンナが氷魔法で一体の狼を凍らせようとするが、数が多くて対処しきれない。


「これじゃキリがない…!」颯が焦りながら槍を振り回し、狼を一撃で仕留めるが、次々と押し寄せる。


「リュウク!後ろに気をつけて!」カンナが叫ぶが、リュウクの背後に狼が迫る。


「うわっ!」リュウクが狼の牙に噛まれそうになったその瞬間、ミアが素早く駆け寄り、光の魔法を唱えた。


「ヒールシャイン!」


光が放たれると、リュウクの周りにいた狼たちが一瞬ひるみ、その隙にリュウクが反撃する。


「助かった、ミア!」リュウクが感謝の言葉を伝える。


「私、みんなを守ります!」ミアは強い決意を持って、再び光の魔法を放ち、仲間たちの体力を回復させる。


颯もミアの力に感心しながら、前方の狼を次々と倒していく。「これで…終わりだ!」


最後の狼を倒し、ようやく戦いが終わった。


「すごいよ、ミア!君のおかげで助かった!」颯が嬉しそうに言った。


「本当にありがとう、ミア。君がいなかったら危なかったよ。」カンナも感謝の気持ちを表した。


「いえ、私も皆さんのおかげで無事に戦えました。これからも精一杯頑張ります!」ミアは謙虚に笑った。


こうして、ミアの力も加わり、四人は再び試練の地「忘れられた神殿」へと向かって歩を進めた。次の試練が、さらに大きな挑戦となることを予感しながら。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ