6話 壱の試練の終わり
さらに奥へ進んだ三人は、ついに迷路の最後にたどり着いた。目の前には巨大な扉があり、その上には「光の試練」と刻まれていた。
「どうやら、ここが最後の試練らしいな…」リュウクが扉に手をかけながら言った。
「光の試練か。今までの戦いで使った光の技が鍵になるのかもしれないな。」颯が扉を見つめる。
「その可能性はありますね。でも、どんな罠や敵が待っているのか、警戒して進みましょう。」カンナが頷く。
扉を開けると、中には広大な円形の部屋が広がっていた。その中心には巨大なクリスタルが浮かび、周囲には八つの柱が立っている。柱の上には、何やら不気味な彫像がそれぞれ立っていた。
「この部屋…クリスタルが何かの鍵になっているな。」リュウクがクリスタルに近づくと、突然部屋全体が光り輝き、柱の彫像が動き出した。
「来たか…!」颯が槍を構える。
「彫像が動くってことは…これが試練の本番か!」リュウクも大剣を抜き、カンナは後方で魔法の準備を始める。
彫像たちはそれぞれ異なる属性を持っているようで、炎、氷、雷、風といった力を使って攻撃してきた。三人は必死に攻撃を避けながら反撃を試みるが、それぞれの属性に対抗するのは容易ではなかった。
「これじゃキリがない…!」颯が焦り始める。
「彫像の力はクリスタルから供給されているのかもしれません!クリスタルを破壊すれば…!」カンナが叫ぶ。
「なるほど、そいつを壊せばいいのか!」リュウクがクリスタルに向かって突進し、大剣で叩きつけた。しかし、クリスタルは強力な結界に守られており、ビクともしない。
「どうする?このままじゃ俺たち、ジリ貧だぞ!」颯が焦りながら周囲を見渡す。
「待って…何か方法があるはず…」カンナが周囲を観察し、やがて気づいた。
「柱!それぞれの彫像が立っている柱が、クリスタルの力を増幅してるんです!まずは柱を破壊しましょう!」
「了解!」颯とリュウクはカンナの指示に従い、柱を一つずつ破壊し始めた。
最初の柱が壊れると、彫像の一つが動きを止め、攻撃の勢いが鈍くなった。
「よし、この調子でいくぞ!」リュウクが声を上げ、さらに次の柱に攻撃を仕掛ける。
残りの柱も次々と破壊され、最後の一つが崩れ落ちると、クリスタルの輝きが弱まり、彫像たちは完全に停止した。
「今だ!クリスタルを破壊しろ!」カンナが叫び、颯とリュウクが力を合わせて最後の一撃を加える。クリスタルは粉々に砕け散り、部屋に静寂が戻った。
「やったか…?」颯が息を切らしながら言う。
「うん、これで試練は終わったはずだよ。」カンナが微笑み、リュウクも無言で頷いた。
部屋の奥から、光り輝く宝箱が現れた。それが試練の報酬であり、次の冒険へと続く鍵となるのだった。
「よし、この宝箱を開けてみようぜ!」颯が興奮気味に近づき、宝箱を開くと、中には神秘的なアイテムが光り輝いていた。
「これが…次の試練への道標か?」リュウクが手に取ったそのアイテムが、三人をさらなる冒険へと誘うことになるのだった。