27話 シッポトリ第二ラウンド
「さぁ、始めようか」エイの声が静かに響く。だがその姿はどこにも見当たらない。
「今度は違う。お前を捕まえる」颯が静かに呟き、目を閉じて呼吸を整える。
全員が一斉に気配を消し、エイの動きを感知するために集中した。風の音、木の葉の揺れ、そしてかすかな足音。だんだんと、周囲の音が全て消え去り、ただ一つの「静寂」が広がった。
「ここだ…」颯がひときわ強く感じ取った気配を頼りに動き出す。その瞬間、エイの姿がふっと現れ、颯の背後から攻撃を仕掛けようとした。しかし、今回は違った。
「ほう、反応が速いな」エイは驚いた様子で言った。「だが、まだ足りない」
颯はすかさず横に転がりながら、エイに向かって手元の槍を振るった。エイはその攻撃を軽く避けるが、その動きにほんのわずかに隙が見えた。
「今だ!」颯は仲間たちに合図を送り、リュウクが前に出てエイの動きを封じようとした。しかし、エイの動きはそれ以上に速かった。
「気配を消す技術を身に付けたのは評価するが、私には及ばない」エイは言い放ち、そのままリュウクのしっぽを奪い取る。
「くそっ…!」リュウクが歯を食いしばる。
「リュウク!」颯が叫んだ。だが、エイの動きは瞬時だった。
「まだだ、まだ終わってない!」颯はすぐに立ち上がり、再びエイの気配を探り始めた。「俺たちはまだ勝てる!」
「お前たちの成長は認める。しかし、リミットを使いこなす私には勝てない。」エイは冷ややかに言い放つ。
「リミット…あいつも使えるのか」颯は心の中で思った。「でも、俺たちだって成長したんだ。もう一度試してみるんだ!」
颯は全身の筋肉を研ぎ澄まし、意識を集中させた。「今度こそ、リミットを使う!」
颯は自分の体の中にある潜在能力を引き出し、リミットを開放した。その瞬間、体中に爆発的な力がみなぎる。速さ、力、すべてが急激に上昇した。
「これが…リミット!」颯は声を上げる。
「ふっ、さすがにお前もリミットを使えるか」エイは冷笑を浮かべながら言った。「だが、私のリミットはお前とは違う。」
エイはその言葉通り、再び驚異的なスピードで動き出した。その速さは、颯がリミットを使っても追いつけないほどだった。
だが、颯は焦らなかった。「エイ、俺はまだ負けない!まだ進化できる!」
颯は一瞬の隙を見て、槍を振り下ろした。エイはそれを避けることができなかった。だが、完全に倒すことはできず、エイは再び素早く反撃に転じる。
「これで決める!」颯は一気に攻撃の手を強化し、エイのしっぽを狙った。
「まだだ!」颯は言った。そのとき、エイのしっぽを手に入れる直前、彼の速度がわずかに鈍った瞬間があった。
その一瞬を逃さず、颯は槍を突き出した。エイのしっぽを掴んだ瞬間、颯の勝利が決まった。
「まさか…」エイは驚きの表情を浮かべながら倒れた。「お前たちがここまで成長するとは思わなかった…」
「俺たちの勝ちだ」颯は静かに言い放ち、しっぽを手に取る。
「でも、これはただの第一歩に過ぎない」と颯は思った。「まだ先がある。もっと強くならないと…」
颯たちは、エイとの戦いを経て、次の試練への道を進むことを決意した。
試練をクリアした颯たちは、再び次の試練へと向かうための準備を始めた。しかし、その途中、彼らは新たな仲間と出会うことになる。
「おい、君たち!」突然、どこからか声がした。
振り返ると、そこには若い女性が立っていた。彼女は、白いドレスのようなものを着ていた。
「私はリリア。聖女だ。君たち、次の試練に向かっているのか?」リリアは笑顔で話しかけてきた。
「お前、聖女?」颯が驚いた顔をする。
「聖女ってヒールとか神聖魔法?」
「まあそうだな、ヒールはヒーラー程回復はできないけど切り傷くらいなら治せる
あと神聖魔法はアンデットにしか効かないけどな」
「なんで俺たちに声をかけたんだ?」
「君たちは伍の試練をクリアするくらいだからかなりの実力者だし、
次の試練はアンデットがでてくるが
一人じゃ勝てないから仲間を探していたんだ」
「それなら、仲間になろう!そしてちゃちゃっと陸の試練クリアしますか!」
「ぜひ!。私は君たちに力を貸すよ。でも、その代わり、私も君たちから学びたいことがあるんだ。」と答えた。
こうして、颯たちの新たな仲間、リリアが加わった。次の試練に向けて、彼らは新たな一歩を踏み出した。




