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25話 焦りと背後

突然、颯たちの背後から風を切る音がした。その瞬間、リュウクの背中からしっぽが奪われていた。


「何だ!?」リュウクは驚きの声を上げたが、エイの姿はすでにどこにもなかった。


「これが…リミットの力か…」リュウクは自分の失敗を悔やみ、拳を握り締めた。


「気を抜くな!」アルカナが警告する。「エイは隠密の技とリミットを組み合わせて、瞬時に攻撃してくる。次に狙われるのは誰か分からないぞ。」


颯は呼吸を整え、周囲の気配を探ろうとしたが、何も感じ取れない。


「これじゃあ、何も分からない…」颯は焦りを感じ始めた。


その時、ミアが突然膝をついた。「何か感じる…」


「ミア?」颯が問いかけると、ミアは集中した様子で答えた。「エイの気配が…ほんの一瞬だけど、そこに…」


ミアの指さした方向を見た瞬間、颯たちは再び風のように動くエイの影を捉えた。


気配を消す術か…」颯は呟きながら、エイの動きを分析していた。「俺たちも何かしらの手段を身に付けないと、この試練は絶対に勝てない。」


アルカナが冷静に頷いた。「エイはただ早いだけじゃない。気配を完全に消しているから、こちらが何も感じ取れないんだ。彼がどうやってそれをやっているのか見極める必要がある。」


「でもどうやって…?」リュウクが戸惑った表情を見せる。「俺たちにはそんな技術ないだろ。」


「いや、あるはずだ」颯は力強く言った。「俺たちもこれまで多くの戦いを経験してきた。あの神速のライトと戦ったんだ。感覚を研ぎ澄ませば、必ずエイの気配を捉えることができる。」


「まずは静かに、相手の気配を感じることからだな」とアルカナが提案し、全員がその場で静かに立ち止まった。


一瞬の静寂の中、森のざわめきが聞こえる。風の音、木々の葉の揺れる音、そしてどこからか聞こえてくるかすかな足音…。


「そこだ!」颯は叫び、エイの位置を突き止めようと動いたが、エイは再びその姿を消した。


「まだ足りない…もっと感覚を研ぎ澄まさないと…」颯は自らを奮い立たせ、仲間たちと共にさらなる集中を続けた。

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