15/34
15話 潜入開始
颯は山道を慎重に進み、盗賊のアジトに近づいていった。そこは隠れ家のような山間の洞窟で、周囲には見張りが立っているのが見えた。
「うーん、人数は結構いるな…正面突破は無理か」颯は茂みから様子を伺いながら、盗賊の動きを観察していた。
「まずは見張りを何とかしないと、アジトの中に入るのは難しいな…」彼は静かに戻り、リュウクたちに情報を伝えた。
「見張りが多いなら、夜の間に隙を狙って潜入するのが一番だな」リュウクが考え込む。
「私が魔法で見張りを無力化できるかもしれない。氷の魔法で静かに動けなくさせるわ」カンナが提案した。
「それなら、俺たちはその隙にアジトの中に入ってボスを倒しに行く…これで行こう!」颯が意気込む。
「でも、ボスがどんな相手かまだ分かっていないわ。慎重に行動するべきよ」ミアが不安げに言うが、颯は勇気を持って答えた。
「大丈夫だよ、ミア。俺たちならきっと乗り越えられるさ」
夜が訪れ、彼らは静かにアジトへの潜入を開始した。カンナの氷魔法が見張りを凍らせ、その間に颯たちは洞窟の奥深くへと進んでいった。