11話 分断と挑戦
颯とリュウクは、暗い地下の広間に投げ出されていた。落下の衝撃は軽傷で済んだが、彼らは迷宮の一部でカンナとミアとは分断されてしまった。
「くそ…また罠にかかったな。でも、なんとか生きてる…」颯は起き上がり、リュウクに目をやった。「大丈夫か、リュウク?」
「俺は平気だ。ただ、このままじゃ上に戻れないな」リュウクは周囲を見渡し、地下の構造を確認しようとした。
「とりあえず、道を探して進むしかなさそうだな…カンナたちも無事なら、合流できるはずだ」颯は槍を握り直し、歩き出した。
一方、地上に残されたカンナとミアは、迷宮内の別のルートを進んでいた。カンナは冷静に周囲を警戒しながらも、心の中で不安を抱いていた。
「ミア、颯たちが無事かどうか…」カンナはそう言いかけると、ミアは微笑みながら答えた。
「きっと大丈夫よ、カンナ。私たちも早く合流しなきゃね。」ミアは癒しの魔法を使えるヒーラーで、パーティーの頼りになる存在だった。彼女の笑顔に、カンナも少し落ち着きを取り戻した。
「そうね。私たちも進みましょう。きっと二人と合流できるはず。」カンナは頷き、二人で慎重に進み始めた。
その頃、地下で颯とリュウクは、迷宮内の数々の罠と魔物に立ち向かっていた。壁に仕掛けられた矢の罠や、突然現れるゴーレムたちを、颯の機動力とリュウクの防御力でなんとか乗り越えてきた。
「こうして見ると、この迷宮は試練って言うだけあるな。さっきからひたすら強敵ばかりじゃないか!」颯は槍を構えながら汗を拭いた。
「そうだな…でも、俺たちの目的はただクリアすることじゃない。試練を通して成長するんだ。」リュウクは冷静な声で答えた。
「確かに…俺、もっと頭を使わないとダメだな。レイガンが言ってた通り、力任せじゃなくて、もっと柔軟に戦わないと。」
そう言いながらも、颯はさらに強い意志を持って進み続けた。やがて、彼らは広間の奥に巨大な扉を発見した。
「これが…次の試練の部屋か?」颯は扉を開けると、広間の中央に一体の巨大な石像が立っていた。
「ここが試練の本番だな…」