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クラスの孤高の狼がなついているのは女装した俺  作者: 有原優


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第二十二話 文化祭の出し物

「これから文化祭の出し物を決めます」


 そう、文化祭担当委員が言った。

 これから出し物を決めるのだ。

 かくいう俺は、そこまで興味のあるわけでは無い。

 ただ、今年は朱里として文化祭に出る予定だ。


 だから今年は今までとは違う文化祭になるはず。

 そう、朱里として出る文化祭なんて絶対に楽しいはずなのだから。


 それに、理恵子もいるしな。


「ではまず、出したい出し物を出してください」


 その委員長の言葉でどんどんと手が上がっていく。


「では、前橋さん」

「はーい、メイドカフェがいいです」


 メイドカフェ。そんなの文化祭でやっていいのか?


「では次ある人」


 ん?

 手がだいぶ下がった。

 もしかして皆文化祭でエイドカフェがやりたいのか?


「はい、劇」


 そして一人の男子が劇と上げ、その後はほとんど手が上がらなかった。

 その手の上がらなさに、委員長が、「え? 本当にこれだけでいいの?」と、心配するくらいだ。


「ねえ、これどう言う事かしら」


 そう隣の修平に訊く。今までの文化祭決めの場合、もっとたくさんの手が上がっているはずだ。

 そして出てきた一〇個もの選択肢から多数決で決めていく。

 そんなはずなのだ。


「決まってるだろ。みんなお前の女装姿でのメイドを見たいんだよ」

「じゃあ、劇は?」

「お前がプリンセス役をやるところが見たいんだろ」


 ほえー、まあそんなところだとは思っていたけど。

 しかし、俺狙いか。


 俺的には嫌ではない。

 メイド服なんて絶対に着たいし、劇の場合のプリンセスドレスも着たい。

 まあ、まだ決まったわけでは無いのだが。


 そう言えば理恵子は……?


 あ、めっちゃニヤニヤしながら見てる。

 今頃メイド服を着た俺の姿でも想像しているのだろう。


 そして、いよいよ決議の時になった。


 ちなみに俺は白票を決めた。

 皆が俺を見ている今、最悪俺のせいで決まりかねないからだ。


「メイドアンド執事カフェがいい人」


 クラスの三分の二が挙げた。

 勿論その中には理恵子と修平も入っている。

 主な対抗馬が劇しかない今、メイドカフェをやることは確定的となった、



「いやー、決まったわね」


 そう俺に対して言う理恵子。

 そんな彼女に対して、「そうね」と返す。


「きっと朱里ちゃんも着たいだろうなって思って」

「流石ね、理恵子。正解よ」

「ふふふーん」

「さて、修平君は私のメイド服姿を楽しみにしておいてね」


 そう、にやにやしながら言う。


 俺に惚れてた男だから、


「そんな冗談はやめてくれ」


 そう、修平はため息をつきながら呟いた。

 ふふふ、修平はこのネタを引っ張られるときつそうだからな。

 そしてそれっを見ているのが面白い。


「私は理恵子のメイド姿も――」

「しないから」


 食い気味に言われてびっくりする。


「どういうこと……?」

「朱里ちゃん。全員がメイド服が好きなわけじゃないから」

「え? 全員メイド服着たいんじゃないの?」

「俺もそう思っていたが」

「私はメイド服を着て、性的な目で見られたくないの。しかも、もえもえきゅん的な事をするなんて絶対ごめんだから」


 そう言えば、理恵子は出会い厨のネカマで大変な目にあってた。


「そう言えばそうだったわね。ごめんなさい」

「なんか素直に謝られると、困る……」

「まあ、それはともかく、私は可愛い朱里ちゃんが見たいから、メイド服は楽しみだわ」



「ねえ」


 お昼休み。とある女生徒に話しかけられた。

 クラスメイトだ。

 しかも彼女は男子から人気のある女子、水木朋美だ。


 どうしたのだろうとか野暮なことは思わない。

 理由など明確だ。

 絶対にメイドのことについてだろう。


「私ね、貴方が注目されて悔しいんだ。だから、私はあなたに挑戦状をたたきつける。絶対メイド姿であなたより上回って見せるから」


 そう、凛とした態度で言われた。

 確かに、一応女装男子でもある俺が注目度で高くなったら嫌だろう。

 だけど、俺だって引き下がるつもりはない。


「望むところよ、水木さん。私も負けるつもりはありません。互いに切磋琢磨し合いながら、いいものにしましょう」


 そう言って俺は手を差し出す。


「そう言う上から目線がムカつきます。女子として私は負けませんから」


 そう言って握手を拒否されてしまった。

 まあ、仕方がないか。


 俺としては張り合うつもりなんて毛頭ないのだから。


 その後も、クラスの男子から「メイド服楽しみにしてるぜ」とか、言われて大変だった。

 いや、当日クラスがどうなるかだな。


 しかし、俺は服装に合わせて若干メイクを変えている部分がある。

 メイド服ならお淑やかな感じか?

 その日までにちょっとネットを使って調べなきゃなと思った。



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