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クラスの孤高の狼がなついているのは女装した俺  作者: 有原優


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第十一話 テスト返却

 テストは正直俺は余裕だった。余裕で九十点台を取りまくった。

 二人に教えたことで、俺の学力も上がっているようだ。


「奏、お前九十点取りまくりとかすげえな」

「お前だってすごいじゃん。中々の点数取れてるし。よほど武村さんの教えがよかったんだろうな」

「奏のおかげでもあるぜ」

「まあ、な」


 百パーセント俺のおかげではあるが。

 だが、修平もいつもテスト前いつも集中して勉強している俺にガンガン話しかけてきたが、今回は、そんなことは無かった。修平が頑張ったという事もあるのだろう。


 そして、


「あ、二人とも見て」


 そう理恵子がテスト用紙を見せてきた。そこには六十七点と書いてある。頑張ったのだろう。

 確かに理恵子はテスト前でもしっかりと教科書を読み直していた。いつもなら顔を机に伏せて寝ていたのに。理恵子も頑張っていたのだ。


「奏君、ありがとうね」

「いや、俺は大したことはしてないよ」


 言うなら朱里にだ。



 そして二人とも中々取れている。他のテストもなかなか取れており、恐らくクラスで勉強ができる方になっているだろう。

 流石この二人だな。


 そして、その日テストの見せ合いっこをすることとなっていたが、勿論奏は今日予定があるから行かないと言ってある。




 そして一時間後、理恵子の家に三人で集まり、テスト結果を見せ合う。

 ちなみに俺はテスト後の土日に、姉ちゃんのテストの過去問をもらいやった。これでテストおんなじじゃん!! みたいなことにはならないだろう。


「じゃじゃん! 数学六十七点! 凄いでしょ!」


 理恵子が興奮している。知ってるよ。六十七点取ったのは。


「確かに六十七点は凄いわね。……あの様子を見たら」

「頑張ったんだから」

「俺も頑張ったぞ。ほら、六十四点」


 知ってる。


「これなら暫くは問題がないわ。でも、まだ勉強が必要ね」

「え?」「朱里ちゃん、どういうこと?」

「二人共、今回のテストは点取れてるわ。でも、まだ足りていない。まだ基本が足りていない。もっと基本がしっかりと出来ていたらもっと点取れてたわ」

「「……」」

「それに予習も必要だしね」


 その言葉に二人はがっかりとした顔になる。嫌そうだな。


「まあでも、ゆっくりやって行けばいいわよ」

「そうね。で、夏休みだけど」


 理恵子いきなり話題変えやがった。


「みんなでプールに行かない? 朱里ちゃんはスクール水着を着て」


 うん。だめなやつ。絶対に駄目なやつ。今度はどう言い訳しようか。俺の姉のスク水で、貧乳ってことで言い訳できるかな?

 嫌駄目だ。男性特有のあれがある。形がそもそも違うのだ。


「ごめんだけど、私泳げないから遠慮するわ」


 マジで嫌だ。また姉ちゃんを使う手もあるけど、修平にばれかけたのもあるし、あまりその手は使いたくない。


「えー泳げなくてもいいよ。そんなの関係ないし!!!」


 まずい、理恵子の顔が輝いている。っくそ、どうしたらいい。


「でも私行きたくない」

「本当、水系嫌いだよね。朱里ちゃん」

「うん」


 どうか乗り切れててくれ。


「朱里さん、俺と一緒にプールを克服しないか?」


 修平のやつ、奈に言ってるんだよ。


「ごめんなさい。無理だわ。どんなに頼まれても、プールは無理なの」


 兎に角断るしかない。諦めてくれ、修平。


「うーん。でもなあ、俺は朱里さんと行きたいんだよな」


 そう言って頭を抱える修平。

 秘策なんて考えなくていい。ただ、俺を誘うのをやめてくれたらいいんだ。


「そうだ、浮き輪とかどうだ?」

「まさか、高校生になってまで浮き輪を使わないといけないの?」


 正直、それは嫌だ。

 当然奏は泳げるし、そんなことをして恥ずかしい以外の感情が出てくるわけがない。


「そうだな。朱里さんと一緒にプールに行く方法はない物か」

「もうあきらめたらどうなの? 朱里ちゃんもこういってるんだし」

「でも」

「もしかして修平君は私の胸が見たいのかしら?」

「馬鹿言ってんじゃねえよ。だいだい朱里さんはスクール水着で来るんだろ」

「そうだけれども、とは言っても胸のラインはくっきり出るじゃない」

「……」

「私はエロい目で見られるのが嫌なの。だからお願い」

「……分かった」


 ふう、何とかごまかした。

 修平をエロ男扱いしたのは申し訳ないけど。


 しかし、これで俺が面倒な女扱いされる可能性があるな。

 まあ、本当にプールは勘弁してほしかったからよかったけど。


「カラオケもだめで、プールもだめとなったら……」


 理恵子が自分の頬に手を当てて考え込む。

 確かに俺も正直どこに行きたいのかよくわかっていない状況だ。


「遊園地しかない!!」


 理恵子がそう叫んだ。


「朱里、遊園地だったらいいでしょ?」

「え、ええ」


 その勢いに思わずたじろいてしまう。


「じゃあ、今度行きましょ!」

「ええ。修平君は大丈夫?」


 絶叫マシーンのことだ。俺は別に平気なんだが、修平はどうかという話である。

 確か修平はそこまで得意ではなかったという記憶がある。

 実際俺が誘っても中々来ないし。


「大丈夫。朱里さんと一緒なら怖い物なんてないし」


 ほう、調子のいいやつだ。俺と一緒なら遊園地なんて絶対に行かないくせに。


「じゃあ、決定ね。私たちは遊園地に行く!!!」

「イエーイ!」

「い、いえーい?」


 そして、二日後に行くことになった。

 ちなみに当然の如く修平から一緒に行かないかと言われたが、定量にお断りしておいた。

「その日は、塾があるんだ」と。

 現実、塾なんてほぼ行ってないが。

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