表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

幼馴染のおねぇは私に甘い

作者: 皐月 ゆり

「ねぇ、お姉さん。私とこれからお茶しない?」

 その聞き慣れた声とセリフに振り返るとそこには想像した通りの人物、大和がいた。

 高校の最寄り駅の近く。大和というかっこいい名前だけど、彼は昔から男っぽい口調ではない。顔もどちらかというと中性的で今はかなりモテてるんじゃないかって思ってる。

 とても仲がいいってわけではないけれど、幼稚園から同じ学校に通い、会えば会話を楽しむくらいの友人だと思われているとは思う。

 高校三年生に上がって中学二年以来久しぶりに同じクラスになった大和は、知らないうちにかなり人気者になっていたみたいで驚きを隠せなかった。

 中学時代は自分のことを私といったり、そのしゃべり方から、無視されたりキモいってけなされたり、笑われたりする姿を見ていたけれど、高校では人当たりのよさがやっと認められたのか、輪の中心で笑う姿を見て密かにほっとしていた。

 同じクラスになって帰り道が一緒だからか声をかけられることが増えて、いつからかお茶しない? と声をかけられることが定番になっていた。

「うーん、今日もパスかな」

 ただの冗談だと思って、私は毎回お茶の誘いをノリよく断り続けている。

 今日は夢のような出来事があったから、どっちにしろこのふわふわした気持ちを抱えて、家でゆっくりしたい。

「あーあ、今日も断られちゃった」

 そういう大和はちっとも残念そうには見えない。並んで駅のホームに向かい、当然のように空いている席に並んで腰かける。

「そういえばさ」

 誰かに話せば儚く消えてしまいそうで、胸の中にこっそりとしまっておこうと思っていたけれど、大和になら話してもいいかなと思って、私は口を開く。

「今日、告白されたんだよね」

 最後まで青春を走り切ろうとするのか、カップルがくっついたり、離れたりする話しをよく聞くようになった。

 私には縁がないことだなって傍観していたのに、今日私のことを好きだといってくれた人がいる。

 そういえば、大和の好きな人の話しって聞いたことないなと思う。密かに出回る噂では、男が好きなんていわれてたけど本当に同性が好きなのかな。

「えっ、はぁ?」

 自分の出した大きな声に驚いたように大和は口を閉じて、今度は小さな声を出す。

「誰に?」

 私に向けられるそのあまりにも真剣な瞳に、私が告白されることがそんなに信じられないのだろうかと思う。

「三組の王子」

 みんなにそう呼ばれる男子は、確かに私とは釣り合ってなんかいなくて、現実なんだろうかってすごく疑った。

「えーっ、王子ー? やめときなよ」

 また大きな声を出しそうになったものの、すぐに声量を調整した大和は私が聞きたくない言葉を放つ。

 やめときなよの後に続く言葉が、いわれてないのに聞こえた気がした。

 遊ばれてるんだよ。ドッキリか何か。告白された時に、脳内でぐるぐると回った言葉たちがまた回りだす。

「もうOKしちゃったよ」

 例えそうだったとしてもいいと受け入れた。最近私に優しくしてくれてたし。

 王子はその存在を知った時から憧れの人だった。私のことをお姫様にしてくれる人だって思っていた。そのチャンスがめぐってきたのなら、間違いだったとしても掴んでみたっていいかなって。

「はぁ? 私に相談もなしに!?」

「相談って、そこまでの仲じゃないよね」

 ちょっときついいい方になったのは、いっときかもしれない夢を壊されるかもしれないと恐れたから。

 大和は傷ついた顔をしてしばらく黙っていた。

「ねぇ、青野ちゃん。今からでも遅くないよ。やめといた方がいいって」

 もうほっといてくれたらいいのに、それでも心配を滲ませる声で私を夢から起こそうとしてくる。

「大和には関係ないじゃん。私は王子が好きなの。ほっといて」

 いってから後悔した。でももう遅い。いった言葉は見えないのに消えはしない。

「そうね、私には関係ないことだったわ。王子が好きだなんて知らなかった」

 そういうと大和の視線が私から外れた。その声からは感情を感じることができなくて、不安になる。

 揺れる電車の中、私たちは黙ったままただ目的の駅まで運ばれた。

 駅についてからも、いつもならしばらく一緒に歩くのに、今日は用事があるからと大和はいってしまい、私は一人告白された時のふわふわした気持ちのかけらもなく、とぼとぼと家に帰る。


 翌日の王子の態度は酷かった。

「あの……今日、一緒に帰ろう?」

 昨日の告白が夢じゃないと信じたくて、王子が一人になったタイミングで声をかけた。柔らかく笑ってくれると思っていたのに。

「えっ、なんで?」

 見上げた表情は冷たく、ゴミを見るような冷たい視線が降り注いでくる。

「その、えっと、ごめんなさい」

 そう絞り出すのがやっとで、慌てて逃げ出した。

 あの告白は私の見た幻か、ただの妄想だったんだ。王子のあの冷たい顔も幻だったらいいのに。

 見たこともない冷たい表情が脳裏に焼き付いて、残りの授業に全く身が入らず、私はぼんやりと感情を殺して放課後を待つ。

 ぼんやりしすぎて机の中にスマートフォンを忘れたことに気がついたのは、駅までの道を半分も来たところでだった。

 引き返すのはとっても面倒くさかったし、どうせたいした連絡がくるわけでも、必死になってしているゲームアプリもない。

 一晩くらいなくたって構わないはずなのに、足は勝手に学校へと引き返す。

 特に何を発言するでもないけれど、ネットの中でどこにも所属せずに過ごすことが不安でならなかった。

 部活動に励む生徒たちの声が学校に近づくに連れ大きくなって、閑散とした下駄箱で靴を履き替える。

 まだ誰か残っていることにかけて教室に向かうと、話し声とともにクラスの女子が数人出てきた。

「あっ、どうしたの?」

 その中のたまに言葉を交わしてくれる人が気を遣って声をかけてくれたのに、私は普段話さない人の手前、緊張しながらもごもごとしゃべる。

「忘れ物しちゃって」

「なら、鍵返しといてくれる?」

 他の子が私に鍵を手渡してきたので、それを受け取って入れ違いに教室に入る。

 人付き合いは得意じゃない。人見知りが激しいだけでは片づけられない。根元が暗いのが原因だとわかってはいた。こんな私が誰かの姫になれないことだって。

 教室の自分の机の中でじっと私を待っていたスマートフォンを掴み、職員室に鍵を返しに行こうと最後に戸締りを確認した。

 何気なく廊下を見ると隣の教室のドアが開いている。まだ誰か残っているのだろうか。

 ふとそう思いもしたけれど、私には関係ないか。早く帰ろう。

「ぎゃははははは」

 足を踏み出した途端、数人の大きな笑い声が聞こえてびっくりして立ち止まってしまう。

「王子、サイコー」

 その声に振り返ることはできなかったが、静かに開いているドアに近づいて耳をすませる。

「十三人目だったか? 王子も罪なお方だ」

 男たちの笑い声と、言葉が混じって聞こえた。

「卒業までに告白して何人に連続でOKをもらえるか」

「やっぱ、地味なのは狙い目だよな」

「王子の下準備だな。告白前にさりげなく優しくしておく」

「付き合った後はマジサイテーだけどな」

 聞こえる言葉から自分に降りかかったことを理解していく。そういうことだったのか。私は余興に使われたんだ。弄ばれたんだ。

「馬鹿か。あんなの付き合ったうちに入らねぇよ」

 いつもと違う口調に一瞬わからなかったが、その声は王子のものだと気づいて身構える。これ以上聞くべきじゃないとわかっていても体が動かない。

「一瞬気持ちのいい夢を見せてやったんだし、感謝して欲しいくらいだぜ。そもそも、翌日冷たくすれば、みんなあれは夢だったとか思うのか一切関わってこなくなるし、自分の価値はその程度ってわかってるってことだろ?」

「だけど、他の女子にいわれたらやばくないか? せっかく好感度あげてるのに」

「俺がこんなことしてるって、教室の片隅にいるような女子の話しを信じる奴はいないし、そもそもそんなことをいえるくらい度胸のある奴を相手にしてねぇよ」

 王子の言葉に涙がぽろぽろと溢れ出す。その言葉があまりにも当てはまり過ぎて、悔しかった。

「しかし、もう目ぼしい女もいなくなったし、てか、飽きてきたしな。そろそろ本命として、俺にふさわしいお姫様でも探して残りを楽しむかな」

 気づかれないように気を付けながら、私は足早にその場から離れる。

 職員室でさっと鍵を返して、靴を履き替え、走って校門を抜ける。どんどん生徒の声が小さくなって、聞こえなくなってから走るのを止めてとぼとぼ歩く。

 私は地味だ。パッとしない顔。どちらかというと、ころっとした体形。姫になんかなれない。私にふさわしい王子様なんていない。

 涙は次から次へと溢れてくる。

 思い返せば高校でろくな男と出会わなかった。

 こんな私でも、今まで二人と付き合うことができた。決していい経験ではなかったけれど。

 一人目の彼は自分中心人間。なんでもいうこと聞いてくれそうだったから、ノリで付き合ってただけ。いうこと聞かないなら別れるっていわれたんだっけ。

 二人目は、ふざけて私のことをデブだなんだといじってきては、グループで出かけるのが好きで、人から笑いをとる道具のように私を扱った。

 自分に似合わないと思いつつも、私は姫のように優しく扱われたかった。彼女になるってそういうことだと思ってた。

 鼻をぐずぐずとさせながら駅に向かい、着くまでにはなんとか泣き止むだろうって思っていたのに、涙は止まらなかった。こんな状態で電車に乗るなんてできない。注目を集めるだけだ。そう思って、近くのベンチに腰を下ろす。

「お姉さん、私とこれからお茶しない?」

 いつもの優しい声が頭上から振ってきて、慌てて涙をぬぐって顔を上げる。

「お茶いいね。甘くて温かいものでもおごってよ」

 抑えようとしても声がわずかに震えてしまう。

「どうしたの? 王子に酷いことされたの?」

 大和は私の隣に座り肩を抱く。昨日あんなことをいっちゃったのになんでこんなに優しくしてくれるんだろう。

 また涙が勢いよく噴き出してきて、王子のことを全部大和に話した。

「私は男の人に一生大事にされることなんてないんだ。誰のお姫様にもなれないんだ」

 勢いあまって出てしまった本音。高校生にもなってお姫様なんて、きっと笑われてしまう。

「そんなこといわないの。私が大事にしてあげるから」

 予想外のその言葉に、涙と鼻水でぐちゃぐちゃの顔をあげる。

「ひっどい顔してるわ」

 大和は私の顔を見て笑った。そして、手の平で頬を伝う涙を拭って、腕で私の鼻の下の鼻水を引き延ばす。

「ちょっとはましになったかしら。さぁ、そろそろ帰りましょう。帰ってその泣きはらした目を冷ました方がいいわ」

 そういいながら立ち上がった大和は、私に手を差しだしてくれたので掴んだ。温かいその手に引かれるまま私は電車に乗っていた。


 帰ってから冷やしたもののまだ腫れぼったい目で翌朝登校し、いつもと変わりのない一日を終えた。

「ねぇ、一緒に帰りましょう」

 下駄箱の前で靴を履き替えていると、大和に声をかけられた。

「えっ、うん、いいけど」

 靴を履き替え終わった大和と並んで歩く。駅で会ってそこから一緒に帰ることはあるけれど、学校から一緒っていうのは今までなくて、クラスの女子の目線が痛い。

「大和ー、今日は青野さんと帰るの?」

 そう声をかけてきたのは、大和が所属しているグループとよく絡んでいる女子グループの一人で、笑っているけど嫌悪感が滲み出ている。

「傷心のお姫様だからエスコートしているのよ。だから、また明日ね」

 女子の嫉妬に気づいているのかいないのか、にこやかにそういって私の腰に手を回して歩くのを促され、私は促さられるままに歩き出す。

 駅に向かいながら、いつものように当たり障りのない話しをしていた。

「ねぇ、今度の土曜暇? 暇だったらデート行きましょ」

 唐突なデートの誘いに戸惑った。これもいつものお茶しない? の振り的な奴なんだろうか。

「都合悪い?」

 顔を覗き込まれながら聞かれて、首を横に振る。

「じゃあ、映画でも見に行きましょうよ」

 別れるまでに時間と集合場所を決めた。一人になって、これってデートでいいのかなと考える。

 いや、いいでしょ。大和がデート行きましょって誘ってくれたし。

 大和と学校以外で会うなんて小学校の時以来で、どんな服で行こうかと気づけば予想外にテンションが上がっていた。


 混雑を避けたいしと、朝一の上映を見ようということになり、駅前に七時半に待ち合わせ。

 用意するのに余裕を持てるようにと、いつもよりもずっと早起きした。昨夜はなかなか寝つけなかったし瞼が重たい。

 覚えたばかりのメイクをして、変に思われないかちょっと不安になる。気合入れ過ぎと思われるのも嫌だ。何度も直して、結局してるのかしてないのかわからないくらい、肌にほんのりと色を乗せた。

 余裕なんて持てずに家を慌てて出て、それでも着いたのは待ち合わせ五分前でほっと胸を撫でおろす。

「おはよう」

 一息ついたところで声をかけられた。その声に振り返るとそこには、かっこいい男子がいた。

「えっ」

 驚いて出た声は笑いを誘ったみたいで、目の前のイケメンは笑いだす。

「何驚いてるのよ」

 口を押さえて笑う大和。

「制服と印象がだいぶ違うなって思って」

 正直な言葉がこぼれる。

 白と黒で揃えられたシンプルな服装。整えられた髪。それをさりげなく着こなしている大和は確かにイケメンだった。

「ちょっと気合入れ過ぎたかしら。菜種ちゃんも気合入れた? いつもよりかわいいわ」

 久しぶりに名前を呼ばれたことに驚いた。それに、見つめられてかわいいなんていわれたら、照れくさくって顔も真っ赤になってるんじゃないかと思って顔を背ける。

「あら、照れてるの? まあいいわ、早く行きましょう」

 先を歩く大和の後を追いかけて、駅に入り改札を抜けた。


 大和の勧めでアクション映画を見た。普段見るのは恋愛ものなだけに、途中で飽きてしまうかなと思っていたけれど、見てみれば恋愛模様もしっかり描かれていて面白かった。

 お昼にはまだ早い。空いている店内が並ぶ飲食店のフロアで、私たちが選んだのは有名なコーヒーチェーン店。

 いい映画を見た後で気が大きくなり、今日は期間限定のフラペチーノにお腹が膨らみそうにはないケーキを注文する。

 先に注文をして席を取ってくれていた大和の向かいに座った。大和の前にはコーヒーだけ。

「お待たせ」

「待ってないわよ。美味しそうなケーキね」

 柔らかな笑顔とともに投げられた言葉に頷いて席に座る。向けられる笑顔がイケメン過ぎて、よく知っている顔なのに胸がうるさく鳴ってしまう。

 心を落ち着かせようとフラペチーノを一口飲んで、ケーキにフォークを伸ばして柔らかなスポンジとイチゴのクリームをすくい、口に運んだ。

 口の中で甘酸っぱいクリームと、スポンジのふんわりとした甘さが広がって、目をつむって幸せに頬が緩む。

「美味しそうに食べるわね」

 目を開けると大和がにこにこと微笑んでいる。また騒ぎ出す胸。目をそらしてまた一口フラペチーノを飲む。

「ねぇ、一口頂戴」

 一瞬固まって、間接キスじゃんと心の中でツッコミをいれた。

 実はまだキスをしたことがない。付き合った二人とはそういう雰囲気にならなかったし。

「冗談よ。あなたのケーキ取ったりしないわ。そういえば、やっとお茶してくれたわね」

「あれ、本気で誘ってないでしょ?」

「どうかしら。本気だったかもよ?」

 挨拶だったと思っていたあの誘いが、本当はどっちなのかわからないような返事に私は困惑する。

「映画面白かったわね」

「すっごく面白かった! 普段アクション映画なんて見ないから勧めてくれてほんとよかったよ」

 そこから先程見た映画の話しに花が咲く。

 ストーリーの展開や役者の演技。原作も読んでみたいかもと話しの流れでいうと、じゃあ、これから書店に行きましょうよと誘われ、まだ帰るには早いしとカフェを出て書店に向かった。

 月に数冊読む程度だが、私は本が好きだ。

 遅読なので積んだまま読めていない小説も十数冊とあるので、行けばつい買ってしまう本屋にはあまり寄らないようにしている。

「ねぇ、ああいうのってメディア化とかのコーナーにあるんじゃないかしら」

 久しぶりに来た本屋は眩しく、目に映る本を次から次へと追ってしまう。そんな私に大和が声をかける。

「そうだね」

 そう答えメディア化コーナーを目指すが、周りを見渡しているのに周囲への意識が薄くなってしまっていた。

 ぐっと腕を掴まれ後ろによろけ、その前を男の人が通り過ぎていく。

「危ないわ。ちゃんと前を見なさい」

 いつもよりも強い口調に振り返ると大和は明らかに怒っていた。

「ごめんなさい」

 慌てて謝ると表情は柔らかく変化して優しい笑みを向けてくれる。

「わかればいいのよ。周りの人には気をつけなさいね」

 大和は私の隣に移動して腰にそっと手を回される。慣れた動きで寄り添う大和に、心配してくれているだけとはわかりつつも胸がうるさいくらいに鼓動をうつ。

「あっ、あそこにポップあるわよ」

 指差す先を見るとかわいいポップに映画化と大きく書かれている。

 台に平積みされている一冊を手に取って、これで目的を果たせてしまえたことに少し悲しく思いながらもレジの方へ向かおうとした。

「ねぇ、私も何か新しく買おうと思うのだけど、何かオススメないかしら?」

「えっと、普段どんなの読むの?」

「そうねぇ、最近読んだのは……」

 最近読んだもの、今まで読んだ中で一番面白かったもの。大和の好みを聞きながら小説を探し、気がついたらいい時間になっていた。

 レジに並んで互いに本が数冊入った袋を抱えて店を出る。

 デートを続ける理由がなくなってしまった。楽しい時間はあっという間で、もう少し引き延ばしたい。でも、大和にとっては慰めるためのお出かけ。これ以上は迷惑かもしれない。

「お腹空いたわね。何か食べて帰る?」

「食べる!」

 大和の提案に食い気味に返事をしていた。正直お財布的には苦しかったけれど、この時間が延びるのならこれから節約しよう。

 私たちは駅の近くのファミレスに向かって、それぞれ好きなものを頼んで会話に花を咲かせつつ小一時間ほど過ごした。

「お会計は私が」

 そういって筒に入った伝票をさっと取ると、席を立つ準備ができていない私を置いてレジに向かってしまった。

 慌てて鞄を掴んで後を追いかけるが、追いついた時には会計は終わって出入り口に大和は向かっている。

 ドアを開いて押さえてくれている大和に促されるまま外に出て、振り返り私は大和にいった。

「私の分渡すね。小銭ある?」

「お金はいいわよ。今日は楽しいデートに、本も一緒に選んでもらったし。さぁ、帰りましょ」

 またさりげなく腰に大和の手が回る。ドキドキして何もいえなくなって足だけただ動かした。


 最寄り駅についてしばらく一緒に歩いたら別れるのかと思うと、楽しい時間ももうおしまいだと寂しくなる。

 守るように回されている大和の腕とも、もうすぐお別れ。そんなことを考えながら家へと足を向けた。

 大和と軽く会話をしながら、いつもの道を行く。

 この道を私はまっすぐ進んで大和は右に曲がるので、いつもここで別れる。

 離れて欲しくないな。そんなことを思いながらも足を進めた。

「今日は家まで送っていくわね」

 別れ道を少し過ぎてから大和はそういった。

「ありがとう」

 嬉しくてしまりのなくなる口元を隠しながらそういって、ゆっくりした歩調で私たちは家に向かって進む。

 いつもよりもゆっくりゆっくり歩いたのに、あっという間に家についてしまい、私は意を決して大和の腕から離れた。

「ありがとう。今までで一番楽しいデートだった。大和のおかげで元気出たよ」

 王子のことで大和は励ましてくれていただけ。きっと今日だけ。明日からはいつものただの友だち。ちょっと泣きそうになりながらお礼をいうと、大和の手が私の手を掴む。

「まだ終わってないわ」

 そっと手を引かれて一歩大和に踏み出す。抱きしめられておでこに柔らかな唇が触れる。驚いて固まってしまった私に「じゃあまた月曜日に」といって、大和は来た道を引き返していった。

 されたことに気がついて、おでこを押さえて小刻みに地面を踏む。

 今まで意識してなかったのに、意識してしまう。好きになりそうになる。好かれているのかもと勘違いしそうになる。


 私たちの関係は少し変わった。

「お姉さん、私とこれからお茶しない?」

「ええ、喜んで」

 帰り道の途中ではなく下駄箱で大和は声をかけてくれるようになり、私は笑顔で誘いを受けるようになった。

 一日だけのことだと思っていたのに、変わらず大和に声をかけられることがとても嬉しくって、毎日が楽しくなった。その分、いつこの生活が終わってもおかしくないんじゃないかと怖かった。

 大和に好きだとはいわれてないし、いっていない。

 それでも私たちの関係が友人以上に思えるのは、いつも大和が家に送ってくれることと、その時におでこにキスをされること。休みの日のデート。

 緩やかな関係だった。たまにどちらかの家に行くこともあったが、触れ合うこともなくて、大和にそういう欲はなく、幼馴染の私ことを時間をかけて慰めてくれているだけだと思うようになっていた。気を許しきっていた。

 大和が好き。男としてか友だちとしてか、そんなことは考えないようにして大和との時間を私は過ごす。


「なっちゃん、お母さんたちが旅行に行くの来週の土日だけど覚えてる?」

「うん、覚えてるよー。ご飯は適当に食べるし、楽しんできてよ」

 リビングのソファーでゴロゴロと過ごしている私に、お母さんはそう声をかけた。

 一か月前から決まっていた両親と祖父母の旅行が来週に迫っている。

 旅行好きな両親。インドア派な私。高校に入ってからは一応声はかけてくれるものの、私がいない前提で計画を立ててくれているので断りやすくなった。今回はまだ元気な祖父母に親孝行旅行をするという。

「旅行久しぶりだし、お母さん新しい服買っちゃおうかな。最近なっちゃん遅いけど、明日買い物に付き合ってくれたりするかしら?」

 大和との時間が減ってしまうなと思いつつも、毎日家事をこなして祖父母の様子を見に行ってと、忙しい毎日を過ごしている母の楽しい気分に水を差したくはない。

「いいよー。明日は早く帰ってくるね」

「ありがとう。 お母さんも家事さっさと終わらせとかなきゃ。ご飯は何か買って帰って、たまには手抜きしたっていいわよね」

 機嫌のよい声でいう母。楽しそうな姿に、旅行を楽しんできて欲しいとも思う。

 旅行自体嫌いではないけれど、観光地の人混み、色んな場所に行かなければと思わせる空気。のんびりとしたい私には、旅行とは目まぐるし過ぎる。

 だからほとんど旅行には同行しない。だけど、両親が旅行中の一人の食卓だけは少し寂しい。

 大和を誘ったら家に来てくれるかな。

 親が夜帰って来ない家に男の子を呼ぶのはいけないとか、危ないなんていうけれど、大和に危険なんて感じない。

 それに、そろそろ話したいこともある。

 私は大和を家に呼ぼうと、そのことを日課になりつつある放課後の寄り道中にでも話してみようと決めた。


 大きな荷物を車に詰め込むのを手伝い、サブバックを肩にかけた両親が私と向き合った。

「行ってくるわね」

「戸締りをちゃんとするんだぞ」

 旅行前のお決まりのセリフにたいして、

「気を付けて行って来てね。ちゃんと戸締りもするから」

 そうお決まりのセリフを返す。

 両親が乗った車がゆっくり走り出し角を曲がって見えなくなるまで見送る。これも、私のお決まりの行動で、その時間だけは両親が無事に帰って来ますようにと願いをかける。

 車が見えなくなって家の中に戻る。

 両親が出かける時間が思っていたよりも遅かった。お昼ご飯を祖父母と近くのお店で食べてゆっくり行くなんて聞いてない。慌てて身支度を整えると大和が来る前に買い出しに出た。

 大和は十三時頃来ることになっている。夕食に誘い、せっかくだから今度は家でゆっくり映画を見ようと話すと、大和はすごく嬉しそうに「行くわ」といってくれた。

 買い出しを終えて急いで帰ってきたが、家の前にはすでに大和が待っているのが目に入って駆け寄る。

「お待たせ」

「今来たとこだから大丈夫よ。それより荷物を持ちましょうか?」

 さっと買い物袋を手に取った大和。

「ありがとう」

 お礼をいって玄関ドアを開けて中に入る。続く大和にスリッパを出して、キッチンへと進んだ。

 買い物袋を持ったまま大和は私の後ろをついてきて、キッチンの台に袋を置いてくれる。

「今日は何をご馳走してくれるのかしら?」

 袋の中身を出そうと広げる私の手元を、覗き込みながら大和は聞く。

「オムライスとサラダを作ろうかなって」

「そのサンドイッチは?」

 卵のパックの上に乗る野菜たっぷりのミックスサンドを見られてしまった。私はサンドイッチを袋から出して置き、他の物を手に取る。

「お昼ご飯まだ食べてなくって」

「そうだったの?」

「お母さんたち、思っていたより出るのが遅くって」

 そんなことをしゃべりながら冷蔵庫に食材をしまい終え、インスタントのスープを用意しようとマグカップを取った。

「大和くんは何飲む? 一応あったかいものも冷たいものも用意できるけど」

「私はコーヒーがあれば嬉しいわ」

 大和のリクエストに両親のコーヒーコーナーを物色し、よく飲んでいる豆と道具を揃える。両親が好んで飲んでいるコーヒーだけど、私はあまり好きじゃない。それでも、何度も淹れる姿を見てきたから手順はわかっている。

「本格的なのね。いつもインスタントだから嬉しいわ」

 これが普通だと思っていたので、大和の喜ぶ声に気分が上がる。私は張り切って豆を挽き出した。

 私がする作業を大和はずっと覗き込んでいる。

 一緒にいることが当たり前になってきたからか、緊張したりドキドキすることは減った。どこか、小学校時代に戻ったような気軽さを感じることもある。

 スープの粉が入ったマグカップにお湯をいれ、フィルターを一度お湯で流すついでにカップも温めて挽きたての粉をいれてお湯をゆっくり注ぐ。

 濃いコーヒーの香りが部屋に広がりだす。

「私、次はカフェでバイトしようと思っているのよね。受験で今まで働いていたとこ辞めさせてもらうし」

 カフェで働きたいと思っていたのは初耳だった。今まで働いていたのはお父さんと付き合いがある人の元だったかな。

「いいんじゃない。似合うと思うよ」

「菜種ちゃんは何かしたいことあるの?」

「私は特にないかな」

 周りに流されるまま大学に進学することを決めた。みんなやりたいことを見つけるために大学に行くのだと思っていたけれど、大和はもうしたいことがあるらしい。

「そのうち見つかるわよ」

 大和の声に曖昧に頷いた。やりたいことが見つかった時には、大和はそばにいないんじゃないか。そんなことを思う。

 茶色の雫がぽたぽたと落ちている。

「コーヒーができたし、リビングに移動して映画見ましょ」

 リビングに移動してどの映画を見るか、大和はコーヒーを飲みながら、私はサンドイッチを食べながら話した。


 恋愛映画とアクション映画。互いのおすすめを一本ずつ見ることに決めて、ソファーに並んで土曜日ののんびりとしたお昼を過ごす。

 映画にはあまり集中できなかった。

 今日こそ伝えよう。そう決めている言葉が頭の中をぐるぐる回って私を急かす。

 受験も本番。触れれば痛いけれど、王子につけられた傷を大和のおかげで忘れかけている。一人で居ても大丈夫になったと思う。

 いつまでも大和に頼っているわけにはいかないよね。

 そんなことを考えている間に映画が終わり、流れているエンドロールに気づいてソファーを立つ。

「そろそろご飯を作ろうかな。大和はお客様なんだし、ゆっくりしていてね」

 立ち上がろうとしている大和にそう声をかけて、私はキッチンに向かう。

「じゃあ、お言葉に甘えて。何か手伝うことがあったらいってね」

 追いかけてくる大和の声に、ありがとうだけ返して冷蔵庫を開ける。

 普段そこまで料理はしない方だけれど、オムライスならなんとか作れる。卵を巻くのは上手くないけど、味は大丈夫。

 いつもよりもわちゃわちゃとしながら、オムライスをなんとか作り上げて、レタスをちぎった。

 卵を巻く時、一つ目は穴も開いて見栄えが悪くなってしまったけれど、二つ目は綺麗にできたのでそれを大和のものにし、一つ目はケチャップをかけて失敗を隠す。

「なにか手伝いましょうか?」

 ダイニングテーブルにお皿を並べ出すと隣に来た大和に声をかけられる。

「ううん、大丈夫。そこに座って待ってて」

 促されるままに先に座った大和の前に、お皿やコップを並べ終えて私も席につく。

「いただきます」

 二人で手を合わせて、スプーンを手に取る。

 いつも通りにできているとは思うけれど、家族以外に手料理を振る舞うのなんて初めてのことで大和の反応が気になって仕方ない。

 オムライスが乗ったスプーンが大和の口に運ばれていく。

「美味しいわ」

 その言葉に力が抜け、

「よかった」

 そう言葉と笑みが漏れた。

 オムライスをゆっくりと食べながら、私たちはおしゃべりをする。

 映画のここが面白かった。ここはいまいちだった。次はあれが見たい。

 学校でのことも話す。同じクラスとはいえ、所属しているグループが違えば、世界が違うも同然。

 近いはずなのに遠い。学校ではいつも大和にそう感じている。大袈裟かもしれないけれど、住む世界が違うって。

 だから、大和を大切に思うようになって、離れたくない気持ちが強くなるのと同じように、一緒にいてもらうのが申し訳ないと感じる。

 その気持ちに整理をつけるために今日大和に伝えたいことがある。でも、もう少しただ楽しくしゃべっていたい。

 先延ばしにする理由を探しながら、私はいつもと変わらない優しい笑顔を向けてくれる大和にどうでもいいことを話し続けていた。


 楽しい夕食は終わり、食器も大和に手伝ってもらいながら片づけてしまった。

 大和は食後のコーヒー。私は紅茶。テレビをつけたらやっていたクイズ番組を、ソファーで並んで見るともなしに見ている。

 もう引き止める理由もなく、先延ばしにしていた今日伝えたかった言葉が口からついにこぼれでた。

「そろそろこういうの終わりにしてもいいんだよ。私はもう大丈夫だから」

 テレビを見ていた大和が驚いて私を見る。

「私が可哀想だから付き合ってくれてたんでしょ? これから受験も大詰めだし、私のために時間使わなくてもいいよ」

 本当は付き合って欲しい。本音とは反対の言葉を、私はできる限りの笑顔で伝えた。大和が私の気持ちと同じならよかったのにと思いながら。

「そんな風にずっと思っていたの? 私あなたが好きだから一緒にいるのよ」

 確かに望んでいたけれど思いがけなかった言葉に、驚くのは私の番だった。

「え、でも好きとかいわれてないし。私、好かれるようなことは何も」

 そう、私は大和に好かれるようなことをした覚えはない。

 戸惑う私に大和はいつもの優し気な笑みを浮かべる。

「そんなことないわ。あなたは私がこんな口調で中学校でからかわれていた時も、高校でちょっとちやほやされてからも、何も変わらなかったじゃない」

 大和はそういって私の手を握った。

「昔から好きな物にたいしてはこんな口調になっちゃって、それが普通だった。これは私の愛情表現。なのに、中学では変な奴って受け入れられなかった。小学校の友人からも避けられて、でもあなたは変わらず接してくれた」

 遠い目をする大和の声に耳を傾けながら、必要以上に関わっていたわけではないし、他の人と大差ないと思い申し訳なくなる。

 私は大和の言葉に耳をじっと傾けていた。大和の話しは高校に入ってからの私の知らない世界に移っていく。

「中学で変人扱いされて、高校ではしばらく男らしい口調にしていたの。仲良くなった人たちはクラスでそこそこ存在感もあったし、バレて茶化されたりいじめっぽくされたら、またクラスで孤独になると思って一年の時はものすごく必死だった」

 悲し気な目から、どれほど大変だったのか想像しようとするけれど、計り知れない。

「でも、どんなに気をつけててもバレちゃったのね。それでも、そのままでいいっていってくれたの。それで、この口調だと素直にしゃべれることを思い出させてくれたの。グループみんなが認めてくれたから、クラスでも受け入れられて、何人かは今でもきもいとか酷いこといってきたり、影でコソコソいってる人もいるけど、その人たちを気にして自分らしくいれないよりは、自分を認めてくれる人たちと自分らしくいたいと思ったのね。私って顔もそこまで悪くないから、それなりに人気も出ちゃって。一年の頃よりもずっと生きやすくなった。私はすごく幸運ね」

 大和なりに苦労して今の世界にいるのだと知った。

「人気が出たら、中学で私を避けたり、声なんてかけてこなかった子たちが、やたらと絡んでこようとして、うんざりして、でも菜種ちゃんは私に興味があるのかないのか全然変わらず、声をかければ話してくれるし、一緒にいて心地よかったのよね。だから、同じクラスになって、声をかけるの頑張ったのよ」

 そういう風に思われているとは思ってなくて、大和がたまたまじゃなくて望んで声をかけ続けてくれていたことが嬉しい。

「あなたも自分らしくいていいのよ。私は菜種ちゃんを素敵だと思ってるの。なのにいつも周りに気を使って、すごく生きるのが窮屈そう。お姫様になりたいなら私が王子様になってあげる。こんな口調の王子様が嫌なら、男らしくしてもいい。自分らしくっていったのに矛盾してるけど、私はあなたのためなら変わるくらいなんでもないと思えるくらいにあなたを大事に思っているわ」

 涙が零れた。私のことをそんなに大事に思ってくれているなんて。

「嬉しい」

 絞り出せたのはそれだけだった。

「もう、鼻水まで出てきてるわよ」

 大和は笑いながら顔を拭いてくれる。

 嬉し涙がおさまって落ち着くと、そろそろ帰るわと立ち上がった大和。

「もう少し一緒にいたい」

 自然に素直な気持ちが口から零れだして、そんな私を見て大和は座り直す。

「私も男だってわかってる?」

 真剣な瞳にドキリとして頷いた。

「なら、夜両親が帰ってこない家で、軽々しくもう少し一緒にいたいなんていうもんじゃないわ。大事にしたいから、今日は帰らせてね」

 寂しくはあったけど、真剣にいわれてはこれ以上引き止めることはできない。

 荷物をまとめて玄関に向かって歩く大和の背中についていきながら、さっきのって私とおでこにキスする以上のことをしたいと思ってくれてるってことなのかと思いついて、一人頬を赤らめてしまう。今更ながら、自分の発言に動揺して心臓が跳ねる。

「ねぇ、帰る前にいいたいことがあるのだけど」

 振り返った大和の顔を見ることができず、視線を少し下に向けたまま私は何をいいたいのか言葉の続きを待った。

「さっきはいえなかったのだけど……、ほら、こっち向きなさい」

 肩を掴まれてまっすぐに大和の顔を見る。私と多分同じくらいに顔が赤い。

「私、菜種のことが好きよ」

 真剣な瞳にまっすぐな言葉。いつもの余裕がなさげな姿だけれど、好きが溢れてくる。

「私も大和のこと好き」

 なんとかいえた言葉はちゃんと伝わっただろうか。

「もう付き合っているも同然だったけど、改めてよろしくね」

 気持ちがいっぱいいっぱいで、頷くことしかできない私の頬を両手で包み、おでこに大和はいつも通り優しくキスをしてくれる。

 唇が離れたかと思うと、両手が頬を持ち上げて私に上を向かせた。

 大和の顔がゆっくり近づいてきて、目を閉じると柔らかなものが唇に触れてすぐに離れる。

 手が頬から離れてゆっくり目を開けると、

「じゃあ、帰るわね」

 と平然といいながらも、そそくさと玄関ドアを開けて外に大和は出た。その様子を見送りながら、私は呆然と玄関に立ち尽くす。

 一歩進んだ二人の関係に不安を覚えつつも、今までの男の子とは違って大和は私のことを大事にしてくれると、どこか確信めいた気持ちが浮かぶ。

 私も大和のことを大事にしよう。そう心に決めた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ