ギルドにて、冒険者パーティとの迎合
月末忙しく……6月まで投稿がまちまちになります(>_<)
よろしくお願いいたしますm(__)m
さて、目の前には五人の冒険者がおります。
金髪顎髭の男、浅黒い肌の体格ががっしりしたスキンヘッドマン、全身紺色のローブに包まれた性別不詳の人、布面積極小の爆乳エルフ(珍しい!)、モスグリーンのポニーテールの龍人属ロリータ(これまた激レア!)。
………元廚二罹患者かつ元有能なビジネスマンの俺の分析結果、かなり高ランクのパーティと見た。
彼等は俺とセシルくんの会話を耳にしたらしく、いきなり話しかけてきたのだ。
「おいおいおい、ずいぶんと興味深い話をしてんなぁ、ガキ共?」
顎髭の男がにやにや笑いながらテーブルに片手をついて、他の四人が俺とセシルくんを囲むように並び立つ。
なんだ、突然?
「む、冒険者パーティの者たちか?」
俺の話を聞いてウンウン唸っていたセシルくんが、即座に反応する。
「王立学院のガキってお前らだろ?冒険者にすらなってないお子ちゃまが、賢者の塔の話なんかしてやがるからさ~」
む。
「なんの話をしようが自由でしょう」
お子ちゃまって、俺は中身は立派な大人だぞ?
しかも、たぶんあんたらより年上の、下手すりゃおじさんとか言われちゃうくらいの。
「そりゃそうだ!ガッハッハ!!」
俺がじとっと睨み上げたら、スキンヘッドが大口開けて大笑いした。
「いや~、だってよ、どうみたって王立学院入学したての子供が、勇者パーティに入るとか賢者の塔に行くとか言ってるからさ~」
「子供は夢を見るもの。年を重ねるにつれ、現実を知るでしょう」
エルフさんが可哀想なものを見るような目で俺たちを見てきた。
それは大いに同意する。
同意するが、俺はすでに年を重ねているのさ。現実もきちんと認識した上で、一番可能性ある道を選択しようって考えてますとも。
「…おい、ルイス。やはり無謀な考えのようだぞ。考え直すのだ」
セシルくんが俺に耳打ちをしてくる。
だから、難しいのはわかってるっつの。
だからこその情報収集(兼課題の片付け)に来たんでしょうが。
「あなた方は冒険者なんですよね?賢者の塔について詳しくご存知ですか?」
「あ?」
「その、私たちは学院の課題で参ったのだ!色々と話を聞きたい」
「あー、なるほど!課題か!だよな、そうでもなけりゃあ、んなアホな話しねぇか!」
よくわからんが、なにやら納得してくれたっぽい。
セシルくんナイスフォロー!
顎髭も椅子を引っ張ってきて俺の隣に座った。他の四人もそれに続いて周りの椅子を引きずってきた。
「で?なに聞きたいのよ?」
片手を上げて食事とお酒を頼んでから、顎髭が俺とセシルくんを見る。
「そうだな、まず、お前たちは同じパーティなのか?」
セシルくんが先ほどまとめた“質問事項一覧”の紙と羽ペンを手に、張り切ってインタビューを始めたので、俺はしばし傍観することにした。
俺が知りたいことは主に賢者の塔についてなんだけど、学院の課題もあるからね。セシルくんに任せて先にそちらを終わらせてから、メインに移ろうという寸法よ。
「ああ」
顎髭が頷いた。
「俺はアデル。槍術士で、パーティリーダーだ」
「俺はゴーダ。戦士だ。基本はアタッカーだが、耐久性がパーティで一番高いんで、場合によっちゃ盾役を引き受けることもあるな」
「私はエレナ。見ての通りエルフです。補助魔法適正と弓との相性がいいので、職業はエンチャンターになってます」
「わふぁひはひゅひあ。ふぉはほんへう。ひょほひう」
顎髭とスキンヘッドとエルフさんはわかったけど、龍人属さんはちょっとなに言ってるのか聞き取れなかった。
運ばれてきた料理を物凄い勢いで口に突っ込んでるから、その状態で喋られてもね。
「ごめんなさい。彼女はドラゴンのルシア」
見かねたエレナさんが通訳してくれました。
え、ドラゴン?
俺とセシルくん、目を見合わせてびっくり。
ドラゴンが人型をとると、龍人属と区別がつかないーー双方とも瞳孔が縦長、皮膚の一部が鱗状、角ありーーのは知っていたけど。
「龍人属ではなかったのか?ドラゴンが冒険者に?」
セシルくんがエレナさんに尋ねていた。
「まあ色々あったのよ。俺たちも結構長いこと冒険者やってるからな」
答えたのはアデルさん。
お茶を濁された。聞くなっつーことね。
「そしてこっちが賢者のヤムンカラミューヘンハウラ」
賢者!!!
俺が目指す大賢者の卵!!!
というか名前長っ!!!
全身ローブだから顔もフードに隠れて見えない。
しかもさっきから一言も話さない。
色々聞きたいけど……。
「気になるか?」
俺がちらちら彼又は彼女を見ているのに気付いたらしい。
アデルさんがにやりと笑った。
「賢者の塔の話してたもんな。でも、わりーがこいつは話すの得意じゃないんだわ」
でしょうね。分かります。
「ま、そんな感じで俺らは五人ーー正確には四人と一匹だがーーでパーティを組んでる」
「自己紹介をありがとうございます。俺はルイス。そしてこっちがセシルくんです」
「よろしく頼む。基本的なことは抗議でも習ったのだが、パーティにはランクがあるのだろう?個々人にもランクがあって、メンバーの平均値がパーティのランクになると聞いたが…」
真面目なセシルくんはきちんとメモを取りながら聞いていた。
「そうだな、大抵は平均値だが、そうじゃないパーティもあるぜ。うちみたいにな」
アデルさんがそう言うと、エレナさんとゴーダさんが自慢気に笑みを浮かべる。
「俺たちはSSランクパーティ、“犬の手猫の髭”だ」
ありがとうございますm(__)m




