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「能力測定」

説明が一通り落ち着いたころには召喚から3日ほど経っていた。

そんな時、セレーニアから能力測定をしてみないか?と打診があった。

迅代としてはとうとう来たかという感じだった。


今までのこの世界の様子を聞く限り、迅代の持つスキルでは勇者として活躍できそうな状況では無いように思っていた。

だが、召喚によって言語が解せたように、新たな能力が獲得しているかもしれない、そのあたりがはっきり出来たらと考えていた。


2日ほど準備の後に実施したいとの事で、迅代の希望する物も極力用意するという。

迅代は、近接戦闘用の武器各種と、皮の動きやすい戦闘服、それからロングボウの準備を頼んだ。


当日、まずは魔力測定から行う。

迅代が魔力が測定できるという石に手をかざす。

すると全身の毛が逆立つようなゾワっとした感覚を覚える。

球体に成形されたその石から青色の光がぼんやりと浮かぶ。

驚いたことに魔力を持っているようだった。迅代は少し興奮を覚える。


「魔力が有るという事は、魔法が使えるという事、そう理解してよいのですか?」迅代は少し上気した顔でセレーニアに尋ねる。

「ええ、その通りです」迅代に答えた後、魔法判定を行う魔術士と少し会話する。

その様子を見ていて、さほど驚いた感じではないので、飛び抜けては居ないんだろうな、と迅代は察し、少し熱が冷めた。


念のためと「どの程度の力なのでしょう?」とセレーニアに尋ねた。

「近衛隊に居る魔法戦士ほどの力は有ります」その後、少し間をおいて、「あと、私とも同じぐらいかと思います」と付け加えた。

セレーニアの実力のほどは知らないが、魔法で戦闘も可能な力は持っている事に迅代の気持ちは高まった。

軍人ではあったが、一般の人と変わらない人生を送ってきた身としては、驚くべき事だ。

例え突出した能力では無いとしても。


次は剣技などの確認として、近接武器を使った確認を申し出られた。

剣、槍、戦斧などの獲物が揃えられている。

まずは使い慣れた短剣を選んだ。両刃のちょっと装飾が過ぎて迅代の好みでは無かったが、丁度良い長さの短剣はこれしかなかったので仕方がない、と考えた。


対戦相手は、近衛隊の剣士だった。

ロングソードを装備し、体の主要部分を鎧で防御している。

模擬戦を開始したが、まず最初の相手の時は勝手がわからず警戒しすぎた。

お互いの武器は刃は落としてあるが、相手の剣筋に迫力が有り、少し気おくれが勝ってしまった。

長剣との模擬戦はやったことが無いからな・・・迅代はそう考え、相手の出方を見ていた。


最初の2手ほど打ち込みは避けるだけで反撃は出来なかった。

ただ、相手も勇者相手なので少し気負っていたらしい。

これではダメだ、負けてもいい、能力の確認が趣旨だろ、そう思い返して勝負をかける決意をした。


ダッシュをかける。

思いのほか体が軽い。その割に距離も速度も今までの経験では感じたことが無いほどに出ている。

反射神経も向上していそうだ。

迅代の突然の動きに、相手も切りかかる。

しかし、迅代は相手の振りかぶった腕の動きから剣筋を見切る。

迅代の体は切っ先を際どく避け、相手を後ろから抑え込み、短剣の刃筋を鎧の隙間に差し込んだ。


「おお」とギャラリーの声が上がる。

相手は重傷と言う判定。迅代の勝利だった。


二人目は片手で扱えるショートソードの相手が出てきた。

迅代の機動力を見た上での対抗策なのだろう、防御は手薄で、胸当てと小手、額当てといういで立ちだった。

おそらくスピード戦闘にも自信が有るのだろう、不敵な笑みを浮かべていた。


間合いを測るかのように相手は片手剣を振るう。まず当てる気はないようだ。

どちらかと言うと挑発なのかもしれない。そのあたりの意図はこの国の風習なども知らないためにわからなかった。


剣を振り切った隙を狙い、動く。

ダッシュで間合いを詰め、相手の剣を短剣で打ち据える。

ギン!

ガギッ!

相手は攻撃姿勢を取る間もない。

何度か刃を交えるうちに相手が体勢を崩す。

その隙を狙って、首筋を短剣で浚う。

刃は付いていないが、しっかりと首にこすれた赤い線が付いていた。


「おお」待機していた他の兵士やセレーニアが驚きの声を上げていた。

相手は死亡と言う判定。再び迅代の勝利だった。

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