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「キノンのチーム」

グリンは絶えずキョロキョロと周囲を見回し、冒険者たちが来ないか、警戒していた。

迅代には、長時間の警戒になるから、頑張りすぎるな、と言われたが、根がまじめなのと、緊張で、そうは出来なかった。

グリンが陣取っている場所は、森の道の左側、丁度ガレーネのパーティーが捜索している側の森の奥2kmほどの位置にいた。

周囲は少し木々が途切れている場所で、倒木の影に穴を掘って敵を警戒しろとの命令だった。


リボーが後続のメンバー合図する。

「人が通った跡だ」

中央の道の方向から、草を踏み分けた跡が残っている。

「兵隊が通った跡か、罠か、だね」

近づいてきた、キノンがその跡を見て言う。

「ココリん、周囲を探ってくれ」

キノンはココリに言う。

「・・・はーい」

ここはツッコまず、魔法をかける。

「サーチ」

ココリは詠唱し、杖を掲げる。

ココリのサーチ魔法は周囲300mほどの生物や物を感知する。

「進行方向の左2ルーグ※の方向、300メルト※※ほど先に、なにか1体、人サイズの生き物がいる」

※約60度、※※約180m

「後は、たぶん関係ないけど、左5ルーグ※の方向、500メルト※※ほど先に鹿みたいな生き物が3体」

※約150度、※※約300m

「目立ったものはそのぐらいね」

ココリはそう言うと目を開く。

「じゃあその人サイズに会いに行くかね」

キノンはそう言うと、歩き出した。


おおむね150mほど進んだ所でキノンは各員に集まるよう伝えた。

「かなり人サイズに近づいたはずけど、もう一度ココリんのサーチを頼む」

「奇襲を受けたく無いからね」

キノンの言葉にココリが頷く。

「サーチ」

ココリは詠唱し、杖を掲げる。

「進行方向真っ直ぐ、50メルト※に人サイズ」

※約30m

「あ、進行方向左1ルーグ※、50メルト※※先にも人サイズ!」

※約30度、※※約30m

ココリの探索結果にキノンは答える。

「左1ルーグのほうは多分隊長さんだね」

「絡まれると面倒だから、右方向に迂回して最初の人サイズを確認するよ」

リボーを先頭に迂回して進む事とした。


リボーは少し木が開けた場所に到達する。

「そろそろ50メルト進んだが・・・」

リボーは後ろを向きキノンに告げる。

「はは!、見晴らしが良いね、場合によっちゃ厄介だが」

「リボーはもっと回り込んで倒木のあたりを確認してくれ」

「わかった」

リボーは一人、木の影を伝って、開けた場所の倒木の後ろに回り込む。

しかし、そうこうしているうちに、若いほうの兵隊が倒木の影から頭を出しキョロキョロと周囲をうかがっている。

「ふふっ、簡単なほうだったね」

リボーも気づいたようで、キノンのほうを見る。

キノンは戻ってこい、と手で合図し、そっとこの場を離れた。


迅代は、グリンの陣地の少し離れた場所で警戒していたが、結局、冒険者は接近してこなかった。

望遠鏡でたまにグリンの様子をうかがっていたが、その先にキノンたちが居るのを確認した。

『うまく見つけたようだ』

そう考えながら、襲撃をあきらめ、ルーフの陣地のほうに移動した。

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