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「反攻作戦:北東門の戦場」

北東門で戦っていた白銀騎士リセルゼとその従者であるオーパとサージョンは、ラックランのメンバーの参戦でかろうじて命は取りとめた。


リセルゼはその使命感から、戦場に居続けたが、回復ポーションでの治療が十分ではなく、仲間の兵士に肩を借りながら移動していた。


オーパとサージョンも回復ポーションを使ったが、広範囲な電撃魔法のショックにより、ヤケドとショックで意識が無い状態だった。

リセルゼは意識が無い2人の従者に礼を言うと、後送して治療を受けさせるよう指示した。


リセルゼを助けてくれたラックランのメンバーである、グスタージはその後、重傷を負って後送されていた。

ヒドラの出来損ないのような魔獣に負傷したうえで毒液をかけられて、瀕死の状態だったと言う。


そこを、間一髪で誰かに助けられたと言う。

リセルゼも勇者ジンダイの武器の音を聞いていたため、勇者ジンダイが参戦してくれたことは認知していた。


グスタージと一緒に居たバンノーも、オーガと交戦してかろうじて倒したが負傷して後退。

今、戦線を支えているのは、魔法騎士ジュブラと、ラックランの残りのメンバーだった。


特に魔法騎士ジュブラは次々と現れる魔獣を率先して討伐してくれて、味方の損害を最低限に抑えてくれた。


やがて、北東門でも、敵の司令部まで攻め上ることが出来た。

北東門の敵は小規模だったため、敵の司令部も小規模だった。


最終的に司令部を攻撃した時に、司令官らしい魔族が残っていた。

そう悪魔の指揮官だった。


黒いプレートメイルに身を包み、周囲に黒い瘴気を発していた。

そして戦うために正面に出て来たジュブラを認め、その悪魔も剣を抜いた。


ジュブラはその瘴気の禍々しさに一瞬たじろぐ。

全身の毛が逆立つようなぞわぞわした感覚を受ける。

「う、ぐ・・・」

百戦錬磨のジュブラですら思わず声を漏らしてしまう。


そこに、ラックランのリーダーサンパノ以下、残りの3名も戦いを見守る。

魔法士のフィルスとサントニロは魔法支援が可能なよう構える。


弓使いのキュロイも隙があれば攻撃できるように構える。


そしてリーダーのサンパノは仲間三人の前に出て、盾となる配置を取る。


突然に戦いは始まった。


魔力を込めたジュブラの剣が青く光った瞬間、悪魔の指揮官が間合いに踏み込む。


「ヒュン!!」

悪魔は自分の細身の剣をジュブラのほうに向けて斬りつける。

ジュブラは向かって来る切っ先を、間合いを見て避ける。

が、剣はその間合いを超えてジュブラに斬りかかる。

「ザシュ!!」

ジュブラは腕に深い切り傷を負った。


「伸びた?」

ジュブラは驚きの声を上げて少し後ずさる。


その動きに、チャンスと見てフィルスが光の槍を落とす。

しかし、「キン!!!」甲高い音が響き、頂点から落ちて来た光の槍が砕ける。


「!!」フィルスも周囲の者たちも一様に驚く。


リシュター最強の魔法士であるフィルスの魔法攻撃が効かなかったのだ。


その攻撃の隙にサントニロは回復魔法でジュブラの傷を治した。

フィルスの攻撃は全く無駄では無かったが、攻撃が通じないのではジリ貧になってしまう。


場繋ぎ的にキュロイが鋭利の魔法をかけた矢を射かけるが、無論、悪魔のアーマーに跳ね返されて効果は無いようだった。


魔法攻撃は効かず、強力な防御力のアーマーに身を包み、延びる剣で攻撃してくる悪魔の指揮官をどう攻めるか。

ジリジリと悪魔を取り囲んで攻めあぐねている状況が続く。


突然、悪魔の指揮官がものすごいスピードで後退を始めた。

周囲の者たちはそのスピードに追い付けず、逃がしてしまう。


「くそ!」

遅れてラックランのサンパノが追撃態勢を取る。


そこに、悪魔の指揮官の周囲にシャワーのような光の線が包む。

その光のシャワーは悪魔の指揮官のアーマーを貫き、何本も貫通して、悪魔の体をズタボロにする。


悪魔の指揮官は光のシャワーが降り注いだほうに背を向けて立っていたが、体に無数の穴が開いた状態で身動きが出来ないようだった。


そこに間髪入れずに光の柱が現れる。

勇者アリーチェの光攻撃魔法「ヘリオスフィア」だ。

魔纏兵を撤退に追い込んだ勇者アリーチェの魔法攻撃だった。

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