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「反攻作戦:敵戦士との交戦」

動かなくなったヒドラの後方から迫るミノタウロスの戦士に向かい、グスタージは加速する。


それを認めたミノタウロスは戦闘準備の構えを見せる。

ミノタウロスは獲物としてショートソードを両手に持っている。

ミノタウロスのパワーをもってすればショートソードの両手剣も難なく扱えるのだろう。


「けっ、カッコつけやがって」

グスタージは相手の両手剣装備を侮るような独り言を言いながら、自分の剣を構える。

グスタージもショートソードと言って良い、大型の片手剣を装備している。

ただし、片手のみだ。

打ち込み合いをすれば手数で負けるかも知れない。

そこをスピードと反射神経でカバーする戦い方になるだろう。


グスタージは一緒に突撃してきたバンノーのほうを見る。


バンノーは大型の両手剣の剣士だ。

スピードよりは、打撃の重さ寄りの戦い方だ。

バンノーは進撃を止め、正面に向かって来るオーガらしき戦士に身構えている。


グスタージが先に会敵する。


「ガン!」

グスタージは交差ざまに片手剣を繰り出す。

ミノタウロスの戦士は難なく、グスタージの一撃を剣で受ける。


そして、案の定、空いた左腕のショートソードを振りかぶり襲って来る。

「ブン!」

斬りかかるショートソードは空を切る。

グスタージはもうそこにはおらず、後ろに回り込んでいる。

「ザッ!」

行き足を止めて、後ろからミノタウロスへ刺しかかる。

しかし、ミノタウロスの戦士はギョロッとした眼光を輝かせ、その動きを見切り、腰をあらぬ方向に捻じ曲げる。

グスタージの刺し込みは不発に終わる。


そこに間髪入れずに、ミノタウロスの両手による斬撃が繰り出される。

「ブン!」「ブン!」

時間差で右腕、左腕と繰り出される剣筋。

「ガザッ!」

グスタージの右肩の鎧に左腕の斬撃が掠る。

「くぅ!」

一瞬グスタージは焦るが、体勢を立て直して、ダッシュでまた回り込む。


そして右手の片手剣を構えて、睨み合いに移行する。


右肩の傷は金属の防具の上から掠ったのに体に切り傷を負っていた。

ミノタウロスの戦士の両手剣は当初思ったより伊達では無いようだった。


ミノタウロスへの攻撃の隙を伺うグスタージ。

だが、ミノタウロスが先に動き出す。


その動きに、どう攻撃してくるのか対応しようと身構えるが、ミノタウロスは後退する。

「なんや?」

いぶかしくグスタージがミノタウロスの動きを見守るが、グスタージは地面に影が差している事に気づく。

「おわ!」

上方に目をやったグスタージが見たのはヒドラの鎌首だった。

「し、死んだんとちゃうんかい!!」

そんなツッコミを入れるがだれも聞いていない。


フィルスの光の槍に貫かれた頭は復活しており、口を大きく開いていた。

「フィルス、しくじりよったんか!」

そう言った瞬間、ヒドラが毒液を撒き散らしグスタージは逃げる間もなく直撃する。

「ジュウッ!!」

「ぐうっおおおぁ!!」

右肩に受けた傷に毒液がかかる。


酷い激痛がグスタージを襲った。

「くう、ううぅぅ・・・」

余りの痛みに膝をつくグスタージ。


そこにミノタウロスの戦士が両手の剣を上方に掲げて斬りかかってきた。


ダッシュするミノタウロスが見えたがもう動く力はグスタージに残っていなかった。

「はっ、はっ、はっ」

恐ろしい痛みが続く中、浅い呼吸で、斬られる覚悟をしたグスタージ。

「ドザッ!」

痛みに耐えるグスタージの耳に何かが倒れる音がした。


「ボン!キュイイィィィ!!」

音が響く。

動けないグスタージは視線をミノタウロスのほうに動かす。

そこには前のめりに倒れた両手剣のミノタウロスが居た。


「ボン!!ギュイ!」

「ボン!!ギュイ!」

続けて再び秒な音が戦場に響いていた。

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