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「反攻作戦:南東門陣地突撃」

南東門から突撃を開始した勇者ヴィンツ率いる白虎支隊は、馬を駆りぐんぐんと陣地に近付く。


南東門からは、支援攻撃部隊も出て、ロングボウで支援攻撃を実施する。

勇者アリーチェの大規模攻撃魔法スレッジャーギームにより敵陣中央におおきな煙が上がっている。

盛大に吹き上げられた土砂を含む煙だった。

支援攻撃部隊はその両翼の陣地に向かって矢の雨を降らせる。

敵に頭を上げさせないための攻撃だ。

そのため、特定の狙いを付けている訳では無く、陣地に幅広く矢を撃ち込んでいる。


また、支援攻撃部隊が制圧攻撃を加えている間、魔法支援部隊も前進を開始する。

こちらは、敵を狙った魔法による支援攻撃が任務のため、魔法攻撃が可能な距離まで陣地に近付いていく。


なお、陣地制圧の兵士隊はまだ門の中に居る。

戦闘の状況に応じて、制圧、占領する場所に向かうためだ。

そのために、馬車による機動力を持った部隊となっていた。


勇者ヴィンツを先頭にした一隊が敵陣地、スレッジャーギームが炸裂した付近に到達する。

巻き上げた煙の大部分は収まっていたが、まだ視界はあまり良くない。

そこに、黒い人影のようなものが見える。

魔物兵だ。

100,200・・・いや数百もの魔物兵が視界の晴れて来た陣地に姿を現す。


スレッジャーギームの効果はあまり発揮していないようだった。

どんどんとヴィンツの一隊を迎え撃とうと魔物が集まって来る。

オークに指揮された、ゴブリン、コボルドの小部隊。

そして、オークだけで編成された部隊、トロールを中心とした部隊など、さまざまだ。


「くぅ!止むを得ん、騎馬での突破はあきらめる!降馬して迎え撃つ!」

勇者ヴィンツは、意外と多い魔物兵の壁に、騎乗しての突破は無理だと判断した。


しかし、数百の敵が居ようとも、並みの魔物兵では勇者ヴィンツの敵では無い。

さっと馬から降りると、迫り来る魔物兵たちの複数チーム相手に剣技を振るう。


ヴィンツの一振りで、魔物数体が胴体ごと真っ二つに切り裂かれる。

たとえ、金属の防具を付けていても、まるで関係なく、シャープな切り口で。

あっという間に、群がって来た数十体の魔物の死骸が積みあがる。


後方から到着した護衛の騎士たちも戦闘に参加する。

勇者ヴィンツほどの力は持たないが、オークぐらいなら優位に戦える実力を持った者たちだ。

勇者ヴィンツの両翼を支える事など造作も無かった。


そして魔法支援部隊も魔法攻撃が可能な距離に近付く。

勇者ヴィンツに向かう敵の集団に向かって、魔法士たちが次々とサンダーボルトやファイヤーボールなどの投射系魔法攻撃を撃ち込む。

そして、すこし後方から2名のAランク魔法士が詠唱を終えると、エクスプロージョンを発動する。

「ドオン!!」

「ドオォン!!」

魔物兵たちが密集する場所で2発の爆発が起きる。

その爆発で数体の魔物兵が宙を舞う。


魔王軍討伐部隊の攻撃作戦は、大規模魔法に対して当初想定よりは敵の生き残りが多いが、概ね順調に侵攻していた。


しかし、その様子をじっと見守る眼が有った。

魔王軍のリシュター城塞南東門攻撃指揮官だった。


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