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「戦場での休憩」

迅代の部隊の野戦訓練は、無事各チームの終結を終えて、射撃訓練まで実施が行われた。

新型の簡易生産ライフルは、反動軽減装置が簡易型の弾丸加速装置に対して効果が足りておらず、射撃の反動による命中率が少し落ちている傾向だった。

そこで、リォンリーネがその場で調整し、魔法力の注入を増やす形で、反動軽減装置の効果を増すようにした結果、命中率も良好となった。


一通りの訓練メニューが終り、休憩が行われた。


リォンリーネたちが乗っていた馬車からお茶のセットを出してきて、お茶を飲みながらの休憩となった。

リォンリーネは魔法呪符でさっとお湯を沸騰させてお茶を入れる。


「おいおい、敵は居ないとは言え、戦場の真ん中でお茶セットを広げるのかよ」

リガルドは呆れた声で言う。

「殺伐とした戦場だからこそ、なごみが必要なんですよう」

リォンリーネはリガルドの言葉に口をとがらせて反論する。

「そうですよ、リガルドさん、疲れた体にはお茶とお菓子ですよね」

アレジアも混じってリォンリーネの言葉に迎合する。

性格的には、アレジアとリォンリーネは合うようだった。


「ちょっとした軽食ならありやすぜ、お菓子が要らない人はこっちでどうぞ」

パーンがパンで具材を挟んだサンドイッチのようなものを出す。


「お、おう、俺はこっちを貰うか」

結局、リガルドも小腹が空いていたので、お茶と軽食を貰う。


各自、お茶を飲みながら話を始める。


「どうでした?セレーニアさん、ライフル銃の射撃は?」

迅代はセレーニアに感触を聞く。


「正直な所、剣でしか戦って来なかったので、飛び道具の戦い方がまだ分からない状態です」

「でも、ジンダイ様のご期待に沿えるよういろいろと試してみます」

セレーニアは期待されている事が嬉しいのか、積極的に使いこなそうとしているようだった。


「イリナのほうはどうだ?」

「俺のライフル銃と比べてちょっと扱いづらいようだが・・・」

迅代は両方の銃を撃ったことが有るイリナにも感想を聞いてみる。


「うーん、隊長の銃もだけど、立ち姿勢で撃つのはすこし難しいかも」

「やっぱり銃が重いし、姿勢が定まらなくて、精密に狙いにくい」

「2脚を使った伏せ撃ちは思ったように撃てたけど」

イリナは腕力の無さから何の支えも無く銃だけを持って撃つのは、厳しそうだった。


『やはり、三脚を用意したほうが安定しそうか・・・』

迅代はそんな事を思いながら戦い方を練っていた。


「へへん、どうでしたか?銃の威力は」

リォンリーネはセレーニアに話しかける。


「確かにすごい精密さで凄い威力でした」

「300メルト※も先の目標に精密に命中させられるなんて、凄いです」

※約180m

「しかも、威力も凄かったです」

セレーニアは銃を褒める。


「へへへん、それを作ったのはわたしなんですよう」

リォンリーネは調子に乗って作ったことを強調する。

「わ、わかっています、あなたが居ないとジンダイ様のこの武器は具現化できませんでした」

ちょっと投げやり的にセレーニアも評価する。

その言葉を聞いてリォンリーネは上機嫌なようだった。


全員がお茶を飲み終える頃、迅代が前に進み出て、全員に話しかける。

「さて、みんな聞いてほしい」

全員の視線が迅代に集中する。


「実は、騎士リセルゼ殿の使いから、情報を貰っている」

「明日、攻勢作戦が実施されるそうだ」

迅代は、そこで言葉区切って全員を見回す。

そして続ける。

「作戦の詳細は、魔王軍討伐部隊との協定で教えられないとの事だった」

「しかし、リシュター領地軍も作戦に参加するらしい」

「恐らくはリシュターを包囲から解放する決戦的な戦いになるだろうと思われる」

「各自、明日は出撃する覚悟はしておいて欲しい」

迅代は再び各員を見回す。

それぞれ、迅代の言葉に頷いていた。


「では、明日の事も有るので、早い目に帰投する事にする」

「各員準備!」

迅代のその言葉に、各員はティーカップをパーンとリォンリーネに返しつつ、帰投する準備を始めた。

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