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「リッチとの戦闘」

魔法攻撃を受けた2番弩弓の発射装置とその周囲は地獄絵図になっていた。

弩弓の機関部は黒焦げになり、そこに集まっていた操作兵員たちも半数が黒焦げになり、半数は電撃のショックで倒れていた。

そして黒焦げにならずに倒れている者たちも、その半数は既に息をしていなかった。


2番弩弓の操作部隊は壊滅したと言って良かった。


1番弩弓の操作兵員は2番弩弓の惨状を見て、多くの者が浮足立っていた。

次に狙われるのは自分たちだと。


しかし、弩弓の指揮官は狼狽に近い怯えを見せている兵員たちを叱咤する。

「魔法を撃たれる前に攻撃だ!」

「目標を敵魔法士に変えろ!!」

その叱咤の声に、兵員たちの体が動き出す。

正規兵の強みだ。

正規兵は多少の精神的ダメージを負っても、普段の訓練で作られた体が、やるべきことを覚えている。


「照準良し!」

照準手の言葉に間髪入れずに、指揮官が叫ぶ。

「発射!!」


「ガヅン!!」

弩弓が矢を放つ。


矢は一直線にリッチに向かって飛ぶ。

しかし、オルトロスが尻尾をふるって、矢は簡単に叩き落とされた。


リッチは杖を宙で回す。

魔法の発動だ。


「ガガガン!!」

電光が1番弩弓の区画を襲う。

そこにいた兵員たちは目の前が真っ白になる。


電光が弩弓の区画の周囲に飛び散る。


しかし、弩弓の区画の兵員たちは無傷だった。

防御魔法で守られたのだった。

勇者アリーチェが到着したのだった。


勇者アリーチェはお付きの兵ジェーナと共に、門に近い単独の戦闘区画に姿を現していた。


アリーチェは反撃として、電撃魔法を放つ。

横一直線に展開しているハイトロールが1体、また1体と電撃で撃ち倒される。

そして、合間に発せられるリッチからの攻撃はことごとく防御魔法で防ぐ。

ハイトロールは忠実に動かず投石を続けていたため、瞬く間にすべて電撃魔法の餌食となった。


投石が止み、防護壁の戦闘区画の弓兵が妨害無く敵を狙う事が出来るようになった。

接近してくる魔王軍兵士チームを少しづつ撃ち減らす。


そのような状況に至り、オルトロスが動き出す。

ものすごいスピードでジグザグに走り出し、南東門に接近してくる。


「動きが早いよ」

アリーチェは焦ってジェーナのほうを向く。

「一度に電撃を放って行動範囲を包み込んでしまいましょう」

ジェーナの言葉に頷いて、オルトロスを狙う。


動きに合わせてアリーチェは杖を掲げ魔法を放つ。

一瞬では数えきれないほどの無数の雷がオルトロスの周囲を包む。

そのうちの何本かはオルトロスに直撃する。

電撃を何発か食らったオルトロスは少し跳ね上がり、慌てて後退する。


オルトロスを一時撃退したアリーチェは、今度はリッチを狙う。


アリーチェはまた杖をふるって魔法を発動する。

リッチの上空に光の槍が現れて襲い掛かる。


しかし、リッチの頭上に護衛のレイスが飛び込んで、光の槍を受けて守る。

アリーチェは構わず何度も光の槍で攻撃する。

光の槍でレイスが消滅するたびに、次のレイスが交代で守る。


リッチは、アリーチェの底知れぬ魔力に恐れをなして後退を開始する。


「逃げるよ、ジェーナ!」

アリーチェは逃げるリッチにどうすれば良いかジェーナに聞く。

ジェーナはアリーチェに助言する。

「周囲から一度に攻撃しましょう」

アリーチェは頷くと、また、杖をふるう。


今度はリッチの上下左右に10本以上もの光の槍が姿を現し、一気にリッチに集約して突き刺さる。

レイス達はリッチを身を挺して守る行動を行うが、何本もの槍が防御し切れずリッチを襲う。

リッチは魔法力の格の違いに驚愕の表情を浮かべ光の槍に貫かれる。


そしてリッチは消滅した。

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