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「もう1丁の製作」

「人を沢山雇ったり、部品を発注して作ってもらったり、しても良いんですかねえ」

リォンリーネは何やら頭に想像しながら、口を開いた。


「もちろんです、沢山人を雇って昼夜問わず働いてもらうとかも大丈夫です」

迅代は最大限の資源の投入をまずは試みてみるつもりで返事をする。


「うむむむ・・・・、それなら、3日間で迅代さんの銃のスケールダウン版を作る事にチャレンジしましょうかねえ」

リォンリーネはまだ確実に作ることが出来るとは言い切れないが、なんらか計算は立てているようだった。


「パーン、リォンリーネさんの希望するリソースを極力かなえてあげてほしい」

「もう1丁銃が有るか無いかで、魔王軍との戦いの去就が大きく違って来る」

「それが、この皇国を救えるか否かの分かれ目にもなると思っている」

迅代は、そう言ってパーンに協力を求める。


「へいへい、わかったよ、隊長さん」

パーンも他のメンバーと合わせて迅代を隊長と呼ぶことにしたようだ。

「で、嬢ちゃん、何が必要になる?」

「今からでも調達の手配を行うが」

パーンはリォンリーネに向いて話を聞く。


リォンリーネはナナギリに紙をもらって、ペンで書き出す。

「まずは銃身ですねえ」

「これはジンダイさんの銃を作った時の鍛冶屋さんに同じ品質のものをお願いしたいです」

「ジンダイさんの銃では80リング※の長さでしたが、60リング※※ぐらいに落としましょう」

※約48cm ※※約36cm

「銃身の加工が最も時間がかかるのでねえ」


「それから、銃弾加速器は、簡易型の、ジンダイさんの銃の時に考えていた、銃口のみに装着するタイプで行きましょう」

「これは試作品が有るので、同じ感じでわたしが作りますよう」

「それからそれから、内部機構、薬室、ボルト部分ですが・・・精度が重要なので、わたしが作りたいところですが・・・」

「ここはジンダイさんの銃のパーツから図面を起こして、鍛冶屋さんか道具屋さんに真似て作ってもらって」

「後から削ったりして調整しましょうかねえ」


「それからそれからそれから、銃弾の量産はどうしますかねえ」

「これはジンダイさんの分もほとんど消費しちゃったので、また、いっぱい作らないとです」

「誰か、強力な魔法士が居れば、呪符を沢山作ってもらえるのですが」


リォンリーネの言葉に、迅代はふと思いつく。

「リシュターの冒険者パーティー、ラックランのフィルスさんに頼んでみよう」

「なんでも、リシュターでトップクラスの魔法士らしい」

その言葉を聞いて、パーンは少し驚く。

「あのフィリスさんが??協力してくれるかな?」

その言葉に迅代は返す。

「ラックランのグスタージとは先の戦いで親しくなった、一度紹介してもらうよう頼んでみるよ」


「では、今日時点ではもう夜なので、まずはそんな所で、リォンリーネさんの希望通りに物事が揃うか調整をかけるでいいかな?」

迅代はこの場に居るメンバーを見回す。


「とりあえず、この部屋を銃の製造プロジェクトのために夜中を問わず使わせてもらえますか?」

迅代はナナギリに確認する。

ナナギリは二つ返事でOKを出してくれた。


「それと、銃の射手なんだが、イリナに頼みたいんだが良いだろうか?」

迅代はリガルドとイリナを見て言う。

「あの銃は弾丸加速装置用に魔法力の充填が必要になる」

「魔法力が有る戦士となるとイリナしか居ないからな」

リガルドは問題無いという感じで手を振り言う。

「俺は構わない、イリナ自身に聞いてくれ」

迅代はイリナに向かい様子をうかがう。

「銃ってどんな感じで使うものか、わからないけど、やってみるよ」

イリナも一度チャレンジしてくれるようだった。


「では、明日、銃の射撃についてまずは見てもらおう」

迅代はイリナに告げた。


「悪いがこれから、パーンにはリォンリーネさんと資材や労働力の調達に関して調整してくれ」

「あと、調整に必要なら、ナナギリさん、助力をお願いします」

3人は頷く。


「俺と、リガルド、グリーナ、イリナは、食事を摂って睡眠圧縮ポーションを飲んで寝る」

「再度の敵襲の可能性も有るし、明日以降も頑張って動かないといけない局面が有るかも知れないからな」


迅代の言葉に、リガルドは変な顔をする。

「おいおい、何だよ、睡眠圧縮ポーションって??」

そのリガルドに妙に得意げな顔をして迅代は言う。

「それがな、結構効くんだよ、その圧縮ポーションが」

迅代はリガルドに頼んで睡眠圧縮ポーションを何個か手に入れていた。

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