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「メンバー集結」

西門防衛のために編成した部隊はようやく一旦、休養を取る事となった。

とは言え、無い戦力を何とか張り付けた部隊なので一度に全員が休養を取る人員的余裕は無かった。

そこで、兵たちを1/3づつに分け、交代で休養する事となった。


迅代も、一旦は、仲間を集めて、状況の整理と今後の対応について話し合う必要が有ると考えていた。


そこで、リシュターに開設された皇室遺跡調査室分室に集まる事にした。


迅代は、まず、リガルドのパーティーを引き連れて移動する。

そして、門の戦闘区画に陣取って居たパーンに声をかける。


パーンは戦闘区画から降りてきて、迅代たちに合流する。

「リォンリーネさんは何処か分かりますか?」

迅代はパーンに聞く。

「ああ、嬢ちゃんなら、一旦自分の店に帰るって言ってたな」


迅代は少し考えて、パーンにリガルドたちの案内を任せて、自身はリォンリーネの店に行くことにした。


リシュターの街中を歩くと街の風景は変わっていないが、人々が少なかった。

開いている店もあるが、あまり客の出入りは無い。

みんな自分の家で小さくなっているんだろうと考えていた。


リォンリーネの店に着き、ドアをノックする。


「今日はやっていないんですよう」

リォンリーネの声が聞こえる。


「リォンリーネさん、迅代です。何とか戻りました」

迅代がそう言うと、秒でドアがバタン!と開く。

「ジンダイさん!!ご無事で!!」

リォンリーネは迅代に抱き付く勢いで迫ってきたが、つい反射神経でリォンリーネのアタックを避けてしまう。

「ぶへっ」

空中を両腕で抱きしめたリオンリーネは、ぶー垂れた顔で言った。

「もう、ジンダイさん、ひどいですよう」


迅代は少し照れて、頭を掻く。

「すみません、勢いが凄かったので、つい・・・」


「とにかく無事で良かったですよう!!」

リォンリーネは迅代の両手を握って上下に激しく振った。


「魔王軍討伐部隊が来たので形勢逆転出来ました、少しは落ち着くことが出来ると思います」

迅代はリォンリーネに状況を教える。

「討伐部隊って、ジンダイさんが元居た部隊?」

リォンリーネの質問に頷く。

「あの卑怯な皇子はまだ居るんですか」

リォンリーネの問いに、ああ、と答え、迅代は言葉を続ける。

「そこで、今後の動き方について相談しようかと」

「一緒に来ますか?」


迅代はそこまで言って、少し後悔した。

『リォンリーネさんは軍人でも皇族でも貴族でも無い、もう戦う必要は無いんだよな』


しかし、そんな迅代の迷いを露も知らずリォンリーネは言った。

「もちろん行きますよう。弾薬のほう、ほとんど使っちゃいましたよね」

「またたくさん作らないとですよう」


迅代は苦笑いをして、そうですね、と答えておいた。

『そうだな、今、リォンリーネさんと別行動となっても銃の保守部品や弾薬の面で困る、か・・・』

『申し訳ないが、部隊の補給担当として居てもらえるか確認するか』

迅代はそう思いながら口を開く、

「これから皇女殿下の組織の元に向かいます」

「新しい仲間も増えましたので。そこで今後の事を色々と相談させてください」


リォンリーネはなぜか鼻息荒く言った。

「任せてください、ですよう!」


リォンリーネは頼まれると少し調子に乗るタイプだった。

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