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「戦闘状況:4対1」

赤いミノタウロスを中心に後ろに3体のミノタウロスを引き連れ、迅代に悠然と向かって来る。


迅代はちらりとグスタージの様子を見る。

もう一体の赤いミノタウロス相手に、必死で戦っている。

一瞬に何手もの刃が飛び交う。一見均衡を保っているようだが、徐々にグスタージのかすり傷が増えているのが目につく。


『4体が連携して襲い掛かって来ると、ひとたまりも無くやられる・・・』

『魔法で攪乱して突っ切る、しかないか・・・4体相手にどこま行けるか分からないが・・・』

迅代がそんな思いを巡らせている内に、ミノタウロスの4体が交戦範囲に入る。

赤いミノタウロスが戦闘態勢を取ると同時に、後方に居た3体のミノタウロスが動き出す。


『ここだ!』

迅代は詠唱する。

「メガ・フラッシュ!」

通常のフラッシュを超える輝度でまばゆい光が周囲を包む。


迅代は、伏し目がちに目を開きつつ、赤いミノタウロスが居た地点に向かい突進しバトルナイフを斬り付ける。

「ギン!!」

赤いミノタウロスが刃物で迅代の斬撃を受けて流した音がする。

『見えないのに受けた??』

そう思いながらも何本か刺突を繰り返す。


しかし、手ごたえは無い。

フラッシュの効果が落ちる頃、迅代は様子を見てみる。

赤いミノタウロスは少し下がって正面に立っていて身構えている。

他の3体のミノタウロスは、視界が奪われているらしく、小さくなって武器を前に身構えている。


『赤い奴にはフラッシュが効かなかったのか??』

そう考え、赤いミノタウロスに向かい、刃を繰り出す。

『ほかの奴らが立ち直る前に、赤い奴だけでも!』


焦りが手数を増やすが、その分、敵を見ていない攻撃に終始する。

「キン!」「キン!」

赤いミノタウロスは自分の武器である、小型の戦斧でバトルナイフをいなす。

「キン!」「キン!」「ガギッ!」

段々と、赤いミノタウロスの受け身も、いなすだけではなく、攻撃の気配を持った太刀筋になっている。

『明らかに攻撃するタイミングを計っている』


そう思った瞬間、左右のミノタウロスが襲い掛かって来る気配を感じる。

「くぅっ!ここまでか!」

迅代はあきらめて回避に移る。

案の定、一撃で致命傷を与えそうな攻撃が空を切る。

迅代の勘は当たっていた。

ほぼ視力を回復したミノタウロスが2体、渾身の一撃を放ってきたのだった。


そして、迅代は絶望感を感じる。

もう一体のミノタウロスが、その隙に後ろに回り込んでいた。

『囲まれたか』

四方から一度に攻撃されれば、もう、逃げ場はない。


無傷でこの場を斬り抜けることは出来ないだろう。

『ならば、せめて赤い奴を道ずれにするか・・・』

迅代はそう思い、赤いミノタウロスの動きを見て攻撃の準備をする。


一斉にミノタウロスが攻撃にかかると思った瞬間、前の3体のミノタウロスが分散して回避行動を取る。


『何事だ?』

迅代はそう思ったが、チャンスと見て後ろのミノタウロスに攻撃を仕掛ける。


後方のミノタウロスも迅代の動きに追従して反撃姿勢を取る。

「キン!」「キン!」

素早く繰り出す迅代の手に防戦に入るミノタウロス。

「サンダーボルト!」

迅代は電撃系の魔法をミノタウロスに食らわせる。

「ギャヒン!」

変な声を上げて一瞬ミノタウロスの動きが止まる。


その機を逃さず、ミノタウロスの喉元にバトルナイフを深く刺し入れる。

「ゲィィィ・・・・」

奇声を上げてミノタウロスが苦しむ。

そして力が抜けてその場に倒れ込んだ。


『残りの3体は!?』

迅代が周囲に目を走らせる。


赤いミノタウロスは、剣士らしい男と刀を交えていた。

そして2体のミノタウロスは獣人の戦士2名が、かわるがわる攻撃をして相手を攪乱していた。


『味方・・・なのか?』

迅代はその戦士の顔に見覚えが有った。

「リガルド!?」

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