「偵察部隊との戦闘」
ラックランのメンバーと、白銀騎士リセルゼのチームは、更に300mほど前進し、フィリスのサーチの魔法を頼む。
サーチを終えたフィリスによれば、敵もさらに前進しており、もう100m未満の位置に居るとの事だった。
更に、後続部隊もサーチの魔法に引っ掛かった。
この場所より西南側500mほど先に10体づつの3隊がほぼ20mほどの間隔をあけて、直進しているとの事だった。
恐らくこの後方の3隊が、侵攻ルート偵察の本命なんだろうと思われた。
「では、我々は参る、御武運を」
そう言いながらリセルゼと、オーパ、サージョンは最新の敵の位置を目指して暗闇に消える。
「では、我々も参りますか」
ラックランのパーティーのリーダー、サンパノが声を潜めて言う。
2部隊の討伐を受け持ったラックランのメンバーは、前の目標をA、後ろの目標をBとして、同時に襲撃する事とした。
刀剣が主要武器のグスタージ、バンノー、そして魔法士のサントニロが目標Aを担当。
同じく刀剣と矢が主武装のサンパノ、キュロイ、そして魔法士のフィリスが目標Bを担当するとして、2手に分かれて前進した。
白銀騎士リセルゼは前進を止めて、部下二人に合図する。
敵の先鋒を見つけたのだ。
ゴブリンが2体、槍のような武器を持って前進してくる。
その後ろにゴブリンが4体、コボルドが3体、オークが1体居るようだった。
「オーパは最後方のオークを、サージョンは中段のゴブリン4体を、わたしはコボルド3体を討伐する、先鋒の2体は手が空いた奴が片付ける」
そう言うと、リセルゼは行動開始の合図をする。
オーパはぐるっと右翼より後方へ迂回する。
サージョンとリセルゼは息をひそめて、先鋒のゴブリンが通過するのを待ち、獲物が近づくのを待つ。
コボルドが白銀騎士リセルゼの目前を通過する、その時、夜陰から大剣の刃が付き出され、コボルドを串刺しにして絶命させる。
驚いて一歩下がる周囲の魔物たちに、オーパとサージョンも襲い掛かる。
オーパは愛用の槍を突き出し、オークの背中腰辺りから一突きし、腹まで貫通させる。
「グェエエ!」
オークはその一突きで戦闘能力を失う。
サージョンは今回はロングソードを装備しており、4体のゴブリンの真ん中に踊り出す。
そして目の前の1体を足で斬り飛ばし、右わきに居るもう一体の腹をロングソードで突きさした。
突き刺したロングソードを抜く流れで左に居る1体の首をはねる。
更に首をはねた剣を流れるような剣捌きで、奥に居るもう一体に、剣を兜割りの要領で叩き斬り、頭部をカチ割る。
そして最後に、最初に蹴られて倒されたゴブリンの胸にロングソードを突き立てた。
瞬く間に4体のゴブリンを撃ち倒す。
リセルゼは、大剣ダイアライアを突き立てたコボルドを振り払い、残りの2体のコボルドに斬り付ける。
コボルドは短剣で受けようとするが、庇うように突き出した短剣を持つ腕ごと両断される。
そして最後のコボルドも、横殴りに振られた大剣に腹部を真っ二つに割られた。
突然の襲撃に驚きパニックになった先鋒のゴブリン2体が逃走しようとするが、オーパとサージョンに簡単に始末された。
まずは偵察隊の1隊目はせん滅が完了した。
「軽かったですね」
サージョンは斬られて転がっている魔物たちを見ながら言う。
「ああ、不意打ちだったからな」
「だが、明日はこいつらが6千体やって来る」
「わたし達だけが頑張ってもどうしようもない数だからな」
そう言いながら白銀騎士リセルゼは、絶命した魔物たちの装備を軽く調べる。
「では、ラックランの奴らと合流しますか」
オーパは気を抜くことなく周囲を警戒しながら言う。
オーパのその態度に満足しながら、リセルゼは、ラックランの会敵位置に向かって移動を開始した。




