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「冒険者パーティーラックラン」

「リセルゼのダンナ、上手くやりよったな」

冒険者パーティー「ラックラン」のオフェンス担当の戦士グスタージは先頭のアースドラゴンが討伐される様子を見て言った。


「だが、アースドラゴンに致命傷を与えるのはかなりの力が必要と思われますな」

「白銀騎士殿ほどの力が無いとトドメは刺せないようですな」

同じオフェンスでロングソード使いのバンノーがアースドラゴンの手ごわさを評する。


「ですが、魔法攻撃は効果が高いように思います」

「まずは魔法でダメージを与えて、剣士の方たちにがんばっていただきましょう」

女性の支援魔法士、フィリスが感想を述べる。

フィリスはリシュター領の冒険者の中で、1、2を争う魔法士で、魔力量も多く、使える魔法も豊富だ。


その言葉に「ちっ」という顔をしてグスタージは横を向く。

前で戦う自分たちに比べ、危険が少ない支援魔法士に少し反感めいたものを持っているようだった。


「2体目のアースドラゴンは、ソルティアゴルドの兵士たちが群がっていて、やりにくそうです」

「我々は3体目のアースドラゴンにかかりますかな?」

このパーティーのリーダーである、大楯とランスを使う戦士、サンパノがパーティー全員に告げる。

「へっ、やってやるぜ」

グスタージは意気込んで返事をする。


「お二人は魔法攻撃でまずは、ダメージを与えてください」

サンパノは、フィリスとサントニロに向いて言う。

二人は頷いて応える。

「そしてサントニロは頃合いを見て、シールド魔法でアースドラゴンを足止めしてください」

サントニロは大柄の男の魔法士で、シールドなどの魔法が得意だった。


「わたしとキュロイは左翼、バンノー、グスタージは右翼よりアースドラゴンに接近、魔法攻撃の効果を確認後に突撃です」

サンパノは、自分を含めたオフェンスの4名に伝える。

キュロイはショートボウを持つ女性戦士で、魔法も使える魔法戦士でもあった。


「では、行きましょう!」

サンパノの言葉に、全員が3体目のアースドラゴンに向けて走り出す。


3体目のアースドラゴンの前に出たラックランの6名は戦闘態勢のフォーメーションを取る。

左前にサンパノ、キュロイ、右前にバンノー、グスタージ。

そしてその少し後方真ん中に、フィリスとサントニロという逆三角形の配置だ。


フィリスはその強力な魔法力で爆裂の魔法を詠唱する。

そして威力を増すために、魔力加算の詠唱を4回加えて2倍の威力に増強する。

「発動!」

フィリスの声と共に、アースドラゴンの眼前に光が広がる。


「ドガン!!!!」


強烈な爆発がアースドラゴンの顔面に直撃して爆発音が響く。


「グオオオオオオォォォ!!!」

アースドラゴンの断末魔の叫び声が響く。

顔面の煙が晴れると、アースドラゴンの顔の表皮が一部吹き飛んでいた。

鼻先の部分が割けて出血し、左目は潰れ、一部骨が見えている。


「ゴワァーーーーーッ!」

アースドラゴンは自分の周囲に炎を吐いて回る。


「ダメージは十分だ、サントニロ!」

サンパノはサントニロに指示する。

「わかりました!」

サントニロがシールド魔法を詠唱する。


苦しんで暴れまわるアースドラゴンがつんのめって動きを止めた。

「かかるぞ!」

サンパノはそう言うと走り出す。

その声に合わせてグスタージは我先にと前に出て行く。

「うぉら、やったるで!」

グスタージは、ショートソードを両手に抜き、右側に回り込む。


「我々も行きますよ!」

サンパノは大楯を構えながら突進する。

キュロイはサンパノの陰に隠れながら、ショートボウをつがえて、いつでも撃てる体勢で付いて行く。

そしてある程度近付いたら、矢を撃ち出す。


キュロイは矢の早打ちが得意で、3本同時に矢を放つことが出来る。

威力強化の魔法を詠唱しながら3本同時の矢を放つ。

キュロイの矢じり部分が光りアースドラゴンの顔に突き刺さる。

まだ見えている右目を狙ったが外した。

「ちぃ!」

キュロイは舌打ちをする。


「行きます!」

今度はサンパノが炎を大楯で受けながら、ランスを突き出す。

突き出されたランスはアースドラゴンの右肩に深く突き刺さる。

これも鋭利と強靭化の魔法武器だ。


その間にキュロイが可燃性の液体が付着し燃え続ける盾の炎を魔法で消す。


「よっしゃー!俺様の出番や!!」

ダメージが増すアースドラゴンに、グスタージが右翼から飛び掛かる。


「まっ、うかつだぞ!」

バンノーが声をかけるが、グスタージは両手剣でアースドラゴンの鼻面に斬りかかる。

その前にはアースドラゴンが顔を向け、大きく口を開いていた。


「へっ!負けへんわ!」

グスタージが両手剣を素早く振り、鼻面を切り刻む。

顔面を切られながらも、アースドラゴンが火炎を吐き出す。

それを察知し、グスタージは持ち前の反射神経と素早さで避ける。


「ったく、危険な事をする」

バンノーが呆れて言うと、ロングソードを持ち替えると、白銀騎士リセルゼのようにジャンプする。

アースドラゴンの頭にロングソードを突き刺そうとしていた。

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