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「アースドラゴンとの戦い」

白銀騎士リセルゼと部下二名は、北東門の堀の橋を渡り切り、接近するアースドラゴンの様子を確認した。

先行したソルティアゴルドの兵士たちは、10名1チーム2組で1体のアースドラゴンを相手にする担当で行動しているようだった。

最先頭のアースドラゴンと、その後ろのもう1体を狙って、2チームずつが移動していた。


そしてアースドラゴンに近付かない1チームが居た。

魔法攻撃を担当する支援攻撃チームだった。


魔法攻撃のチームはすでに攻撃態勢に入っていて、正に攻撃を開始するところだった。

魔法攻撃チームの4名が同時に詠唱し、最先頭のアースドラゴンに雷の魔法を仕掛ける。


4本の稲妻がアースドラゴンの体に直撃する。

「グオォォ!!」

攻撃を受けたアースドラゴンは飛び上がったようにブルっと震え、苦しむ。


その後、魔法攻撃チームの別の4名が共同詠唱魔法を仕掛ける。

最先頭のアースドラゴンの上空に氷柱が練成されて行く。

そして4人が同時に杖を振るうと、長さ1mほどに成長した氷柱が勢いよくアースドラゴンの頭に向かって落ちて来る。


「ガガッ!!!」「バラバラバラ」

アースドラゴンの頭に落ちた氷柱は、同時に砕け散る。

「ガブッ!!!」

アースドラゴンは変な悲鳴のような声を上げて、衝撃によろめく。


魔法攻撃チームは頭を貫くつもりだったようだが、そこまでの威力も強度も無かったようだ。

それだけアースドラゴンの防御力が強いとも言えた。


十分にアースドラゴンにダメージを与えたと判断した直接攻撃の2チームは最先頭のアースドラゴンに突撃を開始する。

1チームづつ左右に分かれて、まずは脚や胴体を狙って長槍を持つ兵士が攻撃する。

兵士たちが持つ槍は魔法が付与されており、鋭利と強靭の効果が付与されていた。


「ズブッ」「グザッツ」

この槍はアースドラゴンに多少なりとも効果が有るようだった。

魔法攻撃を受けフラフラとしているアースドラゴンに小さいながらも傷をつけて行った。


しかし、アースドラゴンは倒れるような気配は無い。

そして、ダメージから立ち直ったアースドラゴンが反撃に出る。


「ゴワァー!」

群がっている右側のチームに向かい口を広げ火炎を吐き出した。

「うわっ!熱うぅ!!」

「ひいいいい!」

火炎を受けた兵士が3名火だるまになる。


アースドラゴンの火炎は、炎だけではなく可燃性の液体と共に吐き出される。

その液体が鎧などに付着し燃え続けるのだ。

「うう!ぐぅぅ!!」

火炎を受け燃え続ける兵士は地面に転がり炎を消そうとする。


アースドラゴンは左側のチームにも顔を向ける。

「ゴワァー!」

間髪入れずに左側のチームにも火炎を吐き出す。


しかし、右のチームの惨状を見ていたので大多数の兵士は避け、1名のみ足に火炎を受けた。

その1名も退避し、手持ちの布で炎を消して事なきを得た。


しかし、この隙に、アースドラゴンの尻尾が左側のチームを襲った。

「ガヅン!!!」

アースドラゴンの強力な尻尾の打撃がチームの半数を襲う。

5人の兵士の体が宙に舞った。

「ドサッ!!」「ガシャン!!」

地上に叩きつけられた兵士は5人とも身動きしなかった。


2体目のアースドラゴンに魔法攻撃を仕掛けていた魔法攻撃チームの指揮官は先頭のアースドラゴン攻撃チームが危機に陥っているのを見た。

慌てて、再び、魔法攻撃チームの攻撃目標を、最先頭のアースドラゴンに向ける。

また4本の稲妻が最先頭のアースドラゴンに直撃する。

「グォッ!グオォォ!!」

苦しむアースドラゴン。


右側の攻撃チームの指揮官が青色の旗を揚げる。

それを合図に弩弓から矢が発射された。

「ザザッ!!!」

大型の矢がアースドラゴンの前脚の付け根に命中し刺さる。

「グォッ!グオォ!」

400mほどまで近づけばある程度弩弓でもダメージを与えられるようだった。

しかし、傷を受けたアースドラゴンが暴れまわって、炎も周囲に吐きまくる。

チームに損害を受けた左右の各チームは一旦、アースドラゴンから離れる。


「トドメは難しいようだな、行くぞ!」

白銀騎士リセルゼはオーパとサージョンに告げると、馬を手負いのアースドラゴンに向けて走らせる。


そして3人はアースドラゴンの眼前で馬から降りるとリセルゼは部下に目配せをする。

オーパは右、サージョンは左に走り出し、アースドラゴンが吐く炎を避けて近づく。

リセルゼは一歩遅れて正面から大剣ダイアライアを携えてアースドラゴンに向かう。


接近したオーパは向かって右の脚を、サージョンは向かって左側の脚をそれぞれ長槍で突きさす。

「グォッ!グオォ!グオォー!」

左右の攻撃に気を取られ、苦しむアースドラゴンに、白銀騎士リセルゼは、正面から5mほども飛び上がり、アースドラゴンの頭をめがけて、大剣をブッ刺した。

「ガギィィィ!!」

大剣はアースドラゴンの頭頂から顎下まで貫いた。


アースドラゴンの体は「ビクン!」と大きく痙攣した後、動かなくなった。

白銀騎士リセルゼのチームは、見事にアースドラゴンの息の根を止めた。

「うおおおおぉぉ!!」

ソルティアゴルドの兵士たちから歓声が上がる。


しかし、まだアースドラゴンは5体も残っていた。

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