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「召喚の儀」

薄くなった意識が戻ってくる。しかし霞がかかったようなぼんやりとした時間だ。

迅代が四肢が引き裂かれるのを感じた。

痛みは感じなかった。

目も見えない。

だが、確実に両腕に神経がいかず、足も動かない。

心臓や胃腸も動きを感じない。


それが、やがて無感覚から痺れのような感覚にシフトしていく。

熱い!

まずは熱い感覚を覚えた気がしたが、それは冷たい、とも思えた。

痛みなのか熱いのか冷たいのか・・・今まで感じたことのない感覚が、四肢に走る。


「ぐぅぅ!」思わずうなる。が声に出ているかもわからない。

とにかく唸るという動作を行ってみた。

口が閉じられない。

つばを飲み込む動作をしても動かない。

顎がなくなったのか?そんな感覚であったが、だんだんと痺れのような違和感認知でき、顎が付いていることはわかった。


段々と全身の各所が痺れている感覚として感知できるようになった。

体中に傷でも負ったのか・・・目を見開こうとしているが何も見えない。

瞼を開いているのかも分らない。


痺れている体が地面を感じた。体重で体が押される感覚だ。

精一杯の力を振り絞り、体を丸め、転がる姿勢を取る。


ドン!、なにか壁のようなものにぶつかる。

生きてはいるのか??それすらも曖昧であるが、ぶつかった壁の所でじっと留まっていた。


そこに・・・「・・・さま」「・・・さま」


女性の心地よい響きが耳に届く。

「勇者さま・・・」そう聞こえたのは認知できた。


目を開いていたが世界が白くとても眩しい。

手で光を遮ろうと動かす。

とても重い。腕が重い。


しかし、その重さに逆らって「クソッ」と顔まで持ち上げる。

戦闘服を着ていたはずの腕には、袖もグローブも見えなかった。


それから傷も付いてはいなかった。


無傷の白い腕が目の前に有った。

腕を持ち上げると、四肢の制御方法を思い出したように動かす感覚を取り戻すことができた。


世界は眩しいが、少しづつ慣れてきて見える状況は、真っ裸で転がっている自分だった。


俺は、いったいどういう状況にいるんだ?戦闘訓練をしていて、分隊員と待機していて・・・それから


そうだ、世界が白くなった、つんざくような轟音が有ったのは覚えている・・・爆発、に巻き込まれた筈だった。

それなのに、裸で無傷な自分と繋がらない。混乱したが、また声に我に返った。


「勇者さま」

光る壁に囲われた向こう側に上品な少女が居た。


爆発はもう収まっているようだった。動かず、目のみ少女のほうにむける。


「お気づきになられましたか?勇者さま」

女性の服装は、礼服のような装いで、顔は薄く化粧をした美しいと言えるものだった。


なんとか体を起こす。

「ここは、どこだ?」少女に問いかける。

少女は微笑むような表情をして言った。「ブリムブリガ皇国です」と。


「ブリム・・・なんだ?」

聞いた単語に聞き覚えが無いため、すっと頭に入ってこない。


少女に触れようと思い手を動かしたが、光の壁に当たるとガラスの壁のようにぶつかった。

光はうっすらとで弱く、向こうが透けて見えるんのだが、腕を伸ばした程度ではその先に手を伸ばすことは出来なかった。


「結界の光です。驚かれたでしょうが、勇者さまを召喚の儀でお呼びしたのです」

「結界」ゲームやアニメに出てきそうなワードという認識はあった。

「魔法的な何か、という事か?」反射的に発言した迅代。


「その通りです。私は神戴シンザイ魔法を使える巫女。世界の危機に勇者さまをお呼びしたのです」と少女は言った。

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