表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

195/348

「緊急の再出発」

ワイバーンがリシュター都市の防衛陣地に現れた頃、迅代は森から帰還して、ライズ武具店で装備の点検をしていた。

森でひと仕事終えた迅代は、ライズ武具店の雇われ店主、パーンに街中に送ってもらった所だった。

当然、定例政策会議で話題となった、森の守護者の4件目の事件。

Aクラス魔獣、ヘルハウンドを倒したのも迅代だった。


この時は、実験用のホローポイント弾を初めて使用してみたのだった。

ホローポイント弾は、弾丸の先端に穴が開いており、弾着と同時に弾が平たく広がって潰れるようになっている。


弾丸と言うのは、命中しても、スッと抜けてしまうようでは威力が活かせない。

体内にとどまり運動エネルギーの全てを体内に伝えるほうが、撃たれた側のダメージが大きい。

また、弾丸が体内で飛び跳ねたり、広い面積でぶつかるほうが、ダメージが大きい。


ホローポイント弾は、弾が潰れて変形して広がり、ダメージを大きくする。

そして潰れた弾はブレーキがかかり、運動エネルギーをその場で消費させる。

撃たれる側からすれば、当てられると厄介な弾であった。


ホローポイント弾での戦果は上々だった。

想像通りにヘルハウンドの頭部を吹き飛ばす程の威力を発揮した。

その結果に迅代は満足していた。


そんな時、店の入り口付近からコトンという音が鳴った。

どうやらパーンが雇っている協力者からの連絡が入ったようだ。

店の入り口付近にある手紙受けは、少し仕掛けがしてあって、物が投入されると音が鳴るようになっていた。

また、外に出なくても手紙が取り出せるよう、店内と繋がっていた。


パーンは投函された情報を見て驚いたように言った。

「近くにワイバーンが現れたらしい」

パーンは少し慌てた様子だった。


「ワイバーン、強い魔物なのか?」

迅代はピンと来ておらず、のんきな感じで聞いた。


「おいおい、ワイバーンは最低でもSクラス、並みの軍隊なら束になってかかっても敵わないヤツだぜ?」

呆れたような口ぶりでパーンは返す。

「空を素早く飛んで、口からは攻撃力の有るブレスを持っている物も多い」

「爪は強力、皮膚は頑丈、矢なんかじゃあダメージを与えられないし、少し高く飛ばれたら地上からは手も足も出ない」

パーンは首をすくめて説明してくれた。


「ブレスはどんなモノを吐くんだ?」

迅代はパーンの説明を聞いても、まだ、ピンと来ないでいた。


そこで、パーンが追加で説明をしてくれる。

「ブルーなら氷結、レッドなら火炎、パープルなら毒といった所か?」

「そう言えば溶解液を吐くヤツも記録されていたな」

「一番恐ろしいのはホワイトだ」

「光線を発して、その光に触れたものは丸焼けになるらしい」


「トップクラスに強力な敵、と言う訳なんですね」

迅代は考える目をして、口を開く。

「すぐに向かいましょう」

「今度はワイバーン退治です」

迅代は磨いていた装備を背のうに詰め込み、再度、出かける準備を始めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ