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「魔獣との対決」

頭から血を流しているグロウサーペントは、苦しそうにのたうち廻っている。


そしてグロウサーペントの眉間の位置に血が噴き出す。

「ボン!クィィィーーー」

また妙な音が響く。


「ドオォォォン!」

グロウサーペントの巨体は勢いよく倒れ、動かなくなった。


しかし、まだ、危機が去った訳では無い。


後ろからのレッドとホワイトのサーペントは、もうすぐそこまで来ている。

このままでは残った兵士と部下が蹂躙されてしまう。


もう前からの脅威は無いと見て、リセルゼは大剣ダイアライアを後ろの敵に向けて構える。


落馬したもう一人の部下、サージョンは意識はあるが立ち上がれないようだった。

「オーパ!、サージョンと兵たちを助ける!」

「行けるか!?」

ちらりとリセルゼはオーパのほうを見る。

「言うまでも有りません!、厄介なのは白、馬で陽動します!」

そう言い終わらないうちにオーパは馬をジグザグに走らせて、ホワイトサーペントの注意を引く。


「ならば赤をまずは討伐する!」

リセルゼは大剣を前に構え、ダッシュを行う。


「バリ!」「バリバリ!!」

ホワイトサーペントは、オーパが巧みに操る馬を狙って電撃を撃つ。

しかし、予想をさせない動きで命中しない。

囮の役目を十分に果たすべく、付かず、離れずでホワイトサーペントの目を引き付ける。


リセルゼは上段に剣を大きく構え、レッドサーペントに相対するや斬りかかる。

「ザツッ!!」

レッドサーペントの鱗に大きく傷がつく。

「ヒュゥイィィィィ!」

レッドサーペントが大きな声で鳴く。

レッドサーペントにダメージは与えられたが、まだまだ戦意はむき出しだった。


「ふんっ!」「ふんっ!」

リセルゼは今度は小刻みに剣を振るい、レッドサーペントにダメージを加えていく。


と、突然、「グァォッ!」

リセルゼに向かって火球を放ってきた。

「ええぃ!」

火球に対して大剣を払うと四散した。


「ふんっ!」「ふんっ!」「ふんっ!」

再び小刻みな剣の攻撃を再開する。


頃合い良しと見たリセルゼは剣を縦突きの形に持ち替え、突進する。

「うぉぉぉ!」

今まで付けたレッドサーペントの傷口を狙って大剣を深く突き刺す。

「ズ、ザッツ!!」


「ヒィィィーーーー!!」

奇声を上げたレッドサーペントは所かまわず長い体をのたうち廻らせて苦しむ。


だが、その動きにリセルゼも巻き込まれ、尻尾の打撃を受ける。

「ぐうっ!!」

5メートルほどリセルゼの体は飛ばされ、剣も手放してしまった。


頭を振って体を起こすリセルゼ。

レッドサーペントがどうなったかを確かめる。

少しづつ後退しながら、まだのたうち廻っていた。


大事な大剣ダイアライアは胴体に突き刺さったままだ。

「ああ、我が大剣!」

何とかして取り返したいと思ったが、とても近づける状態では無かった。


仕方なくホワイトサーペントのほうを確認する。

すると、オーパと馬は電撃の直撃を食らったらしく、少し離れた所で倒れていた。

そこにホワイトサーペントがものすごい勢いで襲い掛かろうとしていた。

「オーパ!起きろ!!」

リセルゼは叫ぶが、完全に昏倒していて意識が無いようだった。

『オーパ、すまん!』

手持ちの武器も無いリセルゼは部下が襲われるのを見ているしかなかった。


「ボン!!クイィィ!!」

あの奇妙な音がまたしたと思ったら、同時にホワイトサーペントの頭が「ボン!!」と音を立てて爆散した。


「ドオオォォン!」

頭を失ったホワイトサーペントは大きな音を立てて地面に倒れ込んだ。


残りは手負いのレッドサーペントだ。

そう思ってリセルゼがレッドサーペントに目を向けるが。

「ボン!!クイィィ!!」

奇妙な音と同時に、レッドサーペントの首がちぎれ飛ぶ。

「ドサッ」

首から千切れた頭が地面に叩きつけられる。

レッドサーペントの首の部分からは血がドクドクと湧き出し、しおれるように体部分が倒れた。


「さっきから、一体何なんだ?」

「誰かが魔法で助けてくれたのか?・・・・」

決死の覚悟そしていたリセルゼたちは命拾いしたのだが、何が起こったのか全く分からない状況だった。

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