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「ライフル」

迅代は、リォンリーネから得たアイデアを基に、今度は戦闘を意識した銃を製作する事にした。


威力を向上させるために長銃身の、俗に言うライフル銃のサイズで考える事にした。


弾薬の収納は8発が入るボックスマガジンで考えた。

そして弾薬の装填機構はボルトアクション式とする形とした。


ボルトアクションは、銃の横に飛び出ている棒、槓桿を動かすことでボルトと呼ばれる部品を操作して、ガチャ、ガチャと2アクションほどで弾を入れ替えることが出来る機構だ。

素早く操作すれば、撃った後に、次の弾を撃てるようにするまでに3秒ほどで対応可能と出来るだろう。

ただし、弾が詰まる、ジャムには気を付けないといけないが。

特に、撃った直後の弾は熱くなっていて、金属の薬莢が薬室などに張り付く場合が有る。


槓桿を起こして引く、これで、空薬莢のお尻のリムに、ボルトの爪で引っかけて引き出す。

すると、弾倉のバネで次弾がせり上がり、空薬莢を上に弾き飛ばす。

弾倉から上がってきた次弾は薬室の位置で止まるようになっている。

そして、槓桿で引いたボルトをまた押し戻すことで上がってきた次弾を薬室内に押し出し、槓桿を倒して、ボルトを閉鎖する。

この引く、押す、の動作で、拳銃の撃鉄を引くように、バネで引っ張られた撃針が、トリガーが引かれるまで保持される。

これで弾が撃てる状態となる。


オートマチックやセミオートほど複雑ではないが、中折れ単発拳銃よりは複雑にパーツが作用しあう必要が有る。

まずはここが今回の山の一つだ。


そして、リォンリーネが提案してくれた、魔法による加速器だ。

一旦は、迅代が銃の概念図を作り、その上に、どう実装するかをリォンリーネが考えてくれることになった。

なお、この加速器には魔力の注入が必要になるとの事だった。

魔法力が大きいほど、加速は増すようだが、それは銃としてはあまり歓迎されない。

迅代が求める銃は、同じ操作、同じ弾丸を使用すれば、極力同じように弾を飛ばす銃だった。


迅代はマークスマンとしての資格も持っていたため、狙撃のスキルも持っている。

狙撃は、風や気候を読み、遠くの思った位置に弾を当てる。

撃つ弾ごとに弾道特性が違っていれば、そういう芸当は出来ない。

また、加速が増すほどに、摩擦が増え、銃身の寿命も短くなる。


この加速器にはリミッターを付けてもらう事にした。

出来れば、そのリミッターを解除できるようにし、銃身の損耗を無視して強力な加速が得られれば、最後の手段的な一手にもなるとも考えていた。

これが二つ目の山だろう。


そして、狙撃用の銃として長距離射撃に備え、照準用のスコープも取り付け可能とするよう考える。

交戦距離の想定は、800m~50mほどまで。

これは、商品開発時に作った新型望遠鏡の技術が役立つと考えていた。


最後、銃剣を付けられるようにするかは要検討だ。

今回作ることが出来る銃が、銃自身を槍として使う事に耐えられるか次第と考えていた。

銃剣が有れば、至近では使いずらいライフル銃だが、近接戦闘時にも役立つことになる。

ただ、これはあくまでオマケだと考えていた。


「うむむむむ・・・また難しい図を描いていますねえ・・・」

リォンリーネは、迅代が描き上げた概念図の、ボルトアクション部分とにらめっこして呟く。

「すみません・・・でも、これが欲しいんです」

迅代は申し訳なさそうに、でも、強い意志を以てリォンリーネに話す。

「もちろん、わかっていますよう」

「リシュターの道具屋リォンリーネに不可能なんて言葉は不要なのです」

リォンリーネは鼻息荒く言う。


今回の弾薬も1.5リング※で考えていた。

※約9mm

現用のライフル銃と比べて少し口径が大きいが、工具の関係上、同じ口径にする事を考えた。

ただ、今度は銃身長を80リング※から100リング※※ほどのものを作りたいと考えていた。

※約48cm ※※約60cm


銃身の穴あけの重労働を思うと、迅代も少し気おくれがした。

しかし、『勇者並みの戦闘力のためだ』

そう自分に言い聞かせた。

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