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「次の商品」

リォンリーネがマルクを見送った後、店の影から様子を見ていた迅代が声をかける。

「リォンリーネさん」

リォンリーネは迅代の声にビクっとする。

「あ、驚かせてしまったのなら、すみません。」

「あのマルクと言う男が無理に何かしようとしたら制止しようと思っていまして」

迅代はリォンリーネに危険が有るようなら迷わず出ていって制止しようと思っていた。


リォンリーネは俯いて、礼を言う。

「ありがとう、ございます」

「今までは、わたし一人だったので、なんだかそう言ってもらえると心強いですね」

リオンリーネは少し照れて笑顔になる。


迅代はそんなリォンリーネの姿を見て心配そうに聞く。

「なにか弱みでも握られているんですか?」


へんな想像を迅代にさせてしまったかと思い否定する。

「いえいえいえ、このお店の資金は、マルクさんのお父さんの商会から出してもらっているので」

「それで、マルクさんが我が物顔で色々と言って来るんです」

「知り合いも無くリシュターで店を出すには、仕方が無かったんですね」

そう言ってリォンリーネは少し寂しそうな表情になる。


それを聞いた迅代はなんとかリォンリーネを元気づけようと励ます。

「じゃあもっと沢山商品を作って借りたお金をたたき返してやりましょう」

「そうすればマルクという男もここに来る理由が無くなるでしょう」


迅代の言葉に元気付けられたリォンリーネは鼻息を荒くする。

「そうですね!そう思うと営業活動にも力が入るというものですよ!」

そう言うと、リォンリーネは笑顔で手を振り、西側の道具屋に向かって行った。


リォンリーネを見送った後、迅代は店に戻り、次の商品を考えるため机に向かった。


次に作るのは望遠鏡か真空断熱ボトルが良いかと考えていた。


望遠鏡はこの世界にもあり、迅代も軍装備の一つとして支給されていた。

今回作る者の優位点としては、プリズムを使って、凹レンズを使わない形式(双眼鏡の形式で視野が広い)を考えたが、今一つ売りに欠けるように感じていた。


それならば先に真空ボトルを作るほうが良い。


この世界では竹のような植物の節の間の空間を利用した水筒が普及している。


金属で真空断熱ボトルを作り、内面を鏡面で仕上げれば、保温性や保冷性が格段に向上すると考えていた。

水が漏れないようにする蓋もオイルマッチのねじ切り技術が有れば大丈夫と思っていた。


そして真空断熱ボトルにはもう一つアイデアがあった。


魔法の呪符を併せて販売して、温水や冷水が作れる方法も考えていた。

旅の途中で冷水や温水が使えるのは旅の当事者のとって大きな売り要素だと考えた。

なにせ、迅代自身がこの世界の水には苦労していて、身に染みていた。

こういう、需要は絶対有ると思っていた。


「やはり真空断熱ボトルが良いかも知れない・・・」

そう考えて迅代は概念図に起こしていく。


「なんと言っても金属製の中空真空の筒を作る事だが・・・」

「どこまで魔法で出来るかリォンリーネさんと相談だな」

「そして、加熱、冷凍の呪符が作れるか」


こう上げていくと、結局、リォンリーネの魔法頼みであった。

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