親玉を倒そう主人公不在の件
第97話
「おい、ガイル。お主の他にもエンドンの町はそれなりに強者がいるのか?」
「まぁ、俺より強いやつはいませんがなんとか町を守れるくらいのなら何人か」
「そうか、では親玉を倒したあともあそこの町で暮らすのか?」
「どういうことです?」
「一応、我々は外の生き残りの民は我がラングレン王国に保護することが多いのだが」
「俺たちは大丈夫ですよ、親玉を倒せば、魔物もそう簡単には襲ってこないだろうし」
「まぁ、そうだな」
エリス一行は順調に目的地に進んでいく。
「ここです、ここに親玉が潜んでます」
「そうか、ではそろそろ親玉を倒すとするか」
エリスがメガフレアをガイルに向かって放出する。
ガイルが火だるまになる。
「ちょ、ちょっとエリスさんなにやってるんですか?」
「親玉を殺ったまでだ」
「いつから気づいていた?」
ガイルが立ち上がる
「ほう、なかなか頑丈だな、エンドンの町の者達はどこにやった。あそこにいたもの達は村人に化けた魔族だろう?」
「ああ、人間たちは皆殺しにしてやったぜ」
「ひどい、許せないこの化け物」
「しかし、罠にきづいてノコノコついてくるとはな」
周りを見渡すと魔物に取り囲まれている。
「エリスさん戦力が足りません」
「俺にまかせろ、マッスルフラッシュ」
福原から光が発せられる。
「今のうちに攻撃だ、カエデ、徹」
「おい、あのふたりは迷子だぞ」
「…忘れてた」
「あーもうめんどくさい、メガフレイム」
エリスは両手に炎をまといながら回転する。
「お前ら避けろよ」
囲んでいた、魔物たちはたちまち火だるまになって消滅していく。
「ちょ、あぶないじゃないですか、エリスさん」
「仕方ないだろ、人で不足なんだからまとめて蹴散らすしかなかろう」
「くそ、お前ら俺のことを忘れてないか」
ガイルが苛立っている。
「こんな下級魔族を用意したところで我らの敵ではないわ」
「ならばおれが直接殺ってやる」
ガイルが斧を振りかざす。
「おっとそうはいかねぇ」
福原が斧をつかむ。
「この力…なかなかやるな、だが俺の力が上だ」
福原が押されはじめる。斧が福原にめり込みそうになる。
「ぐぅ、こいつなかなか」
するといきなりガイルの力がなくなる。
「さすがは王からもらった剣だ」
いつの間にかエリスがガイルの両手を切断していた。
「貴様、卑怯だぞ」
「なんとでも言え、勝てばいいのだ」
自信満々にエリスは答えた。
「ちくしょう、この悪魔め」
「魔族に言われるとはな、剣を手にした私は今までとはちょっと違うぞ」
その刹那、ガイルの頭が切断された。
「しまった、やり過ぎた。R指定がかかってしまう」
「エリスさん…」
未来はいろんな意味で言葉を失っていた。
「しかし生き残りはいないってことか」
福原は悔しそうに言う。
「仕方ない、気を取り直して次の村にいくしかなかろう」
「そうですね」
「あ、あの」
ロミアが恐る恐る声をかける
「なんじゃ、娘」
「徹さんとカエデさん…」
「あっ…」
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