四葉を狙え2の件
第681話
「しゃぁぁぁぁぁぁ」
景浦が一気に距離を近づける。
「おっと」
四葉は後方に下がって行く。
「おらおらおらおら」
景浦は剣を素早く振る。
「あの男、かなりの実力者じゃ」
「は、早い」
「どうやら、魔族と契約しているようだねー」
「くっ、前よりも早いですね」
四葉は後方に下がりながら攻撃を避けるが腕や足に切り傷が出来る。
「昔の俺ではない!!逃げてばかりでは死ぬぞ」
「そうは言ってもね」
四葉はさらに後方に下がっていく。
「なんだよ、防戦一方じゃん。口だけ?」
「ダイヤさん、それはないよ。四葉はまだサイコパワーも使ってない」
沙羅がごくりと息を飲む。
「えっ!!」
「あくまで本気は出さないということか」
「その腕もらったぁ」
「よっと」
四葉はギリギリで攻撃をかわす。
「どう?あなたの力はギリギリ届かないわ。諦めない?」
「なめるなぁぁぁぁぁぁ」
景浦の力が上がる。
「んっ!!なんて禍々しいオーラ」
すると四葉の背後に景浦が回り込む。
「死ね!!」
「くっ」
四葉は空間転移で空中に逃げる。
「ニガスカ!!」
景浦はものすごいスピードで追いかける。
「まずいな」
四葉は再び転移する。
「くそ、我々が完全に回復しておれば」
「大丈夫なんじゃないのー。まだサイコパワーも使ってないみたいだしー」
「でも何で使わないんだ。もしかして使えない?」
「そんなことはないわ。多分」
「よし、到着」
四葉はニヤリと笑う。
「ナンダ?」
「四葉の後ろには沙羅が開けた光の柱がある」
「先ずはこれを何とかしたかったので」
「ナンダト」
「本気の私と戦いたければ少し待ちなさい」
「ホントウニホンキヲダスンダナ」
「ええ、約束します」
四葉は両手を上げる。
「何をするきじゃ」
「景浦と戦うよりも空間の修復を優先してたってことね」
「余裕ぶってるなぁ」
「では」
四葉の目が銀色に光る。
すると光の柱は四葉の身体に吸い込まれていく。
「な、な、な!!!」
「私の力を吸収している!!」
「た、確かにゲートはなくなっていくけど」
「いや、いくらなんでもあんな力を吸収しきれるのか」
「出来るよ、四葉だもん」
沙羅はにやりと笑う。
「あの、景浦とは別に強力な力を感じます」
カエデが周辺を見渡す。
「この能力、また私の世界の人間だわ…」
「さて、景浦。お待たせしました」
四葉はすべての力を吸収する。
「サイコパワーヲツカエ」
「それよりもお仲間も一緒に集めてくれませんか?」
「ナニ?」
「景浦、1人で抜けがけはだめだなぁ」
周辺から5人の男が現れる。
「ダークファイブか。あんたらもこの世界に」
「ああ、この世界の魔族の力はすごいぜ。今ならお前も殺せる」
「6対1だけど恨むなよ」
「キサマラジャマヲスルナ」
「ま、まずいよ。6人も」
「私も加勢してくる」
沙羅は力を上げる。
「沙羅!!あんたは休む!!」
「は、はい!!」
「あそこにもサイコパワー所持者がいるのか。後で殺そう」
「そうはいかない。殺しは好まないが魔物と融合している限りそうは言ってられないわね」
「相変わらず甘いぜ。殺さないから今俺達はここにいるんだ」
「そうね。私が甘かったわ、じゃあ力を使おうか。景浦先ずはお前から倒す」
「オマエラテヲダスナ」
「はいはい、じゃあ。頑張れよ」
「さぁかかってこい。景浦」
「キサマサイコパワーツカエ」
「攻めてきた瞬間に発動しようとしたけどまぁ力を見せつけるにはこの方がいいか。サイコパワー第1段階解放!!」
四葉を中心に強力なオーラが放出される。
「な、なにいぃ」
エリスは目を丸くする。
「え、エリスさん。今第1段階って…」
僕は足がガクガクし始める。
「嘘だろ…」
ダイヤは呆気に取られる。
「やっぱり追い付けないなぁ」
沙羅は遠い目で四葉を見つめる。
「さぁ、かかってこい。景浦」
四葉は手で合図をする。




