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しばしの休憩、続きの件

第671話


「待たんかぁー」

エリスは沙羅を追い続ける。


「絶対にやだ!!」


「楽しそうだねぇー」


「全く何やってるのよ」


「息抜きじゃよ。せっかく素材が良いのだから息抜きにメイクしようぞ」


「やだやだぁ」


「た、確かにエリスさんのセンスだとちょっと怖いわね」


「ん、なんだ未来。お主もやってほしいのか?」


「え、いや。私は遠慮しておこうかなぁ」


「よいではないか、ほれほれぇ」

エリスは未来を捕まえる。


「なんでこうなるのよぉ」


「ふぅ、助かった」


「メイクなら私がしてあげようかー」

ダイヤがニヤニヤと沙羅の後ろに立つ。


「あなたもですか…ダイヤさんなら良いかなぁ」


「お、素直でいいねぇ」


「カエデさん、何やってるんですか?」


「あ、ロミアちゃん。お頭様から預かった巻物を全然読んでなかったのでこの機会に読もうかと」


「えっ、読んでなかったんですか」


「はい、お頭様の字はクセがスゴいので読みにくいのですよ」


「じゃあ、それをちゃんと読んでればもっと色んな忍術が…」


「そうですね。えっへん」


「いや、早く読みましょう」

ロミアが巻物を覗き込む。


「……確かにクセがスゴいですね」


「でしょう」



「よっしゃ、アイゼンの研究所に残ってたデータで新しい兵器が出来たぜ」


「大丈夫なのか?あいつは敵だぜ」


「まぁ、心は歪んでたけど発明家として腕が良かったのは確かだったみたいだ。あたいが知らない技術が沢山あったよ。あんたの世界が羨ましいぜ」


「じゃ、じゃあさ。この戦いが終わったら俺達の世界に来るのは、ど、どうだ」


「えっ、それって」


「いや、あの、その。あ、沙羅の世界の方がいいか。あっちの方が文明が進んでるらしいしな」


「バカ野郎」

ヒデリは頬を膨らませる。


「あ、えっと…」



「…1人だ」

僕はポツンと突っ立っている。

しかし、この世界で僕達の世界の人間と戦うことになるとは…

もしかしたら魔族に召還されている人間は沢山いるのか

よく考えたら沙羅もそうだし。

沙羅は僕達の味方になってくれたけど、そうじゃない場合がこれからもあるってことだよな。


「殺さなきゃ行けないのか…」

僕はポツリと呟く。


「小僧、悩みか」


「えっ」

目の前には人間形態のフレイルが立っている。


「横を失礼するぞ」


「は、はい」


「お前と2人になるのは初めてか?」


「た、多分ね」


「それで悩みはなんだ?恋愛か?」


「いや、違うよ。それに恋愛相談とかフレイルは出来るの?」


「馬鹿者、私が何年生きていると思うている」


「いや、まぁとりあえず。恋愛相談ではないよ」


「では、あの博士のことか?」


「そうだね。これからも人間と戦う機会が増えるのかなって」


「可能性はあるな。あの娘は我々の味方になったが、もしあの娘と同じ力を持ったものが敵に回ったら厄介だな」


「そうだよね。それよりも今回みたいに殺し合いになるのがちょっと怖くてさ」


「全く、お前達は似ているな」


「えっ?誰に」


「あの娘も同様な悩みを抱えていた。だから主が気分転換をさせているのだが…ちょっとやり方がな…」


「まぁ、エリスさんだしね。沙羅でもそう思うのか…」


「あの娘もお前と同じ歳くらいだろう。濃い人生を送っているようだが、まだまだ若輩者だ」


「そうだよね。つい沙羅なら大丈夫って考えてたよ。僕もしっかりしないとな」


「小僧なら殺しあいをしなくても話し合いで解決出来ると思うぞ」


「そ、そうかなぁ。僕話すの苦手だし」


「まぁ、色々とやってみろ。その先に答えがあるだろう。主も小僧と同じ歳くらいには同様に悩んでおった」


「エリスさんが」


「そうだ。だが主は歳を重ねて、色々な経験をして今がある。小僧も主のように少し肩の力を抜いて考えるがよい」


「でもあれは抜きすぎじゃないのか?」


「ま、まぁそういう時もある」


「ありがとう、フレイル。何だかスッキリしたよ。それともしよかったら僕を鍛えてくれないか」


「ほう、小僧から申し出るとは良い覚悟だ」



「よし、出来たよー」


「これが私…」


「いやぁ、やっぱり素材がいいとメイクのしがいがあるねぇ。皆に見せてこようよー」


「は、恥ずかしい。もう落としたい」


「いいじゃん、いいじゃん。カエデ、ロミア~」


「ちょ、ちょっと」



「よし、出来たぞ」


「どれどれ」

未来は鏡を見る。

すると目の前には分厚く化粧を塗りたくった人間がいる。


「な!!なによこのメイクはー」


「素晴らしいじゃろ。私が国の式典に出た時と同じメイクじゃ」


「最悪、当時の兵士のみんなが必死に笑いを堪えてたのが想像できるわ」


「なんじゃと、貧乳」


「あ、久しぶりに言ったわね!!」



「おお、沙羅さん。可愛いですよ、ねぇロミアちゃん」


「はい、凄くかわいいだす」


「噛むなよ…」

沙羅が思わず呆れる。

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