周辺の魔物を倒しましょうの件
第660話
「お、おい。なんでマッスルが沙羅をおんぶしてるんだよ」
ヒデリが慌てて声をかける。
「しょうがねぇさ。沙羅が立てなくなってたから」
「ごめん、ヒデリ」
「何とか洞窟の入り口が見えてきましたね」
カエデが地上の光を見つける。
ぶぉぉぉぉぉ
「ん!なんじゃ」
「魔物だ」
「また猪型だねぇー」
「何匹入るんだよ」
「皆、どけ。テラフレア」
エリスは猪型を燃やしていく。
「だめだ、次から次へと現れてくる」
「くそ、外に出られない。メルメルサンダー」
「アームバスター」
「沙羅、1回置くぜ」
「え、ええ」
「うぉぉぉぉ。ハイパーマッスルタックルーー」
福原は迫ってくる猪型をすべて押し返していく。
「おお、やるな。マッスル」
「さすがだぜ」
「おっしゃぁぁ、外に出られた」
僕もその流れに乗って外に出る。
すると立ち往生している福原にもろにぶつかる。
「いた、何突っ立ってるんだ。福原」
「いや、あれ見ろよ」
「ん?」
エリスは福原の背中から顔を覗かせる。
「なんと」
「どうしましたか」
洞窟からメンバーが続々と出てくる。
「げっ」
目の前には猪型の大群がこちらに向かってくるところだ。
「な、なんという数じゃ」
「おーい、私のこと忘れないでよぉ」
洞窟の中から沙羅の情けない声が聞こえる。
「おっとすまねぇ」
「仕方ない、猪型は強くはない。省エネで各自倒していくぞ」
「了解です」
「オッケー」
「はぁってすごい数ね」
沙羅は呆気にとられる。
「じゃあ、俺は戦いに参加してくるぜ」
「メルメルサンダー」
「ダイヤモンドバスター」
僕達はそれぞれ猪型を倒していく。
「全然数が減らないわね」
「冷静なのは良いけどあんたいつ立てるようになるのよ」
「仕方ないでしょ。腰が抜けたんだから」
「さっさと参戦してきてほしいわ」
「私がいなくても大丈夫でしょ。魔物事態は弱いし」
「でも、数がね。みんなの体力が持つのかしら」
「ふむ、仕方ない」
沙羅はほふく前進の形で球体君の元に向かう。
「何するの」
「こいつで戦うのよ」
沙羅は球体君のコントロールスティックを握る。
「行くわよ」
球体君は魔物の群れに走っていく。
「だ、大丈夫なのかしら」
「な、なんだ。球体君が走ってくる」
「どうやら沙羅のようだが」
「球体君って戦闘力あるの」
「ああ、一応武器は積んであるけど」
「積んであるんだ」
「私も戦うわ」
球体君が華麗にジャンプする。
「お、おお」
すると球体君の口から大量のミサイルが発射される。
「ヒデリ、あんなに武器を積んでたんだねぇ」
「お、おお。でもあんな動かし方は想定してないな」
「はぁぁぁぁ」
球体君は猪型を掴むとそのまま回転して周囲の猪型を弾き飛ばしていく。
「吹っ飛んだところを攻撃して」
「りょ、了解です。風神烈火」
「メルメルサンダー」
「猪型がまだまだ来るよぉー」
「こいつでぇぇぇ」
球体君はいつのまにか刀を持っている。
すると次から次へと刀で薙ぎ払っていく。
「す、すげぇ」
「あやつはメカの扱いもチートか」
「感心してないであたいらも戦わねぇと」
「いや、もう私達必要ないんじゃなかろうか」
「そんな気がしますね」
ボンッ
球体君の腕が爆発する。
「あっ」
「ちっ、動きについてこれなかったか」
沙羅が舌打ちする。
そろそろ動けるかな。
沙羅は腰に力を入れる。
よし、行ける。
「球体君が囲まれたぞ」
「助けないとメルメル」
「とぉっ」
球体君から沙羅が飛び出す。
「おっ、動けるようになったんだねー」
「行くわよ、バーニングストーム」
沙羅は全方向に攻撃を放つ。
「ぬぉぉぉぉ。我々まで巻き込むつもりか」
「大丈夫よ。味方には効かないから」
「なんて、チートな」
すると大量にいた猪型はあっという間に姿を消していた。
「はぁ、やれやれ」
みっともないところを見せてしまった。
幽霊のバカ




