ダイヤの異変
第639話
「よし、じゃあ私も本気を出そうか」
ダイヤはニヤニヤと笑う。
「さっきから何を笑っている!!」
「本気を出してやるんだ、光栄におもいな」
ダイヤは力を解放する。
「あれは、本気モードだ!!」
「こないだよりも強そうだな。あたいには気は見れねぇけど」
「そうだね。すごいパワーだ」
「ちっ!!」
エリスが舌打ちをする。
(説教終わりかな?)
「説教は中断だ」
(中断か…)
「ほらほら、もっと本気を出さないと死んじゃうよ」
ダイヤはジャンクーを切り裂いていく。
「ぐ、ぐぉぉっ」
「はっはっは。弱い。弱いよぉ」
「く、再生が追い付かない」
「はぁ。こんなもんかい」
ダイヤから禍々しい力が発せられる。
「ダイヤさん!?」
「やれやれ、久しぶりに暴走しおったな」
「エリスさん!?」
「あやつは元々破壊竜じゃ、私が契約して抑えておったのだが」
「そうなんですか!?」
「うむ。定期的に私の封印を越えるときがあってのぅ」
「いや。呑気に言わないでよ」
「はぁ、仕方ない。私が止めるか」
「さぁ。本気を出しなよぉ」
ジャンクーはすでに絶命している。
「はっはっは。力が力が上がっていくよ」
ダイヤは城を破壊し始める。
「ちょっと。エリスさん!!早くしないと」
「全く!!」
エリスさんは力を上げる。
「おや、エリス様。私とやるのかい?」
「お前も説教だな」
「いいねぇ、私を楽しませ!!」
ダイヤの腹部に強烈な一撃が入り、そのまま地面に落下する。
「!?」
「エリスさん?」
「いや。私は何もしてないぞ」
「ふぅ。よく寝た」
沙羅の足元にはダイヤさんが倒れている。
「やはり、あいつか」
「ごめん、裏切ったのかと思っておもいっきり殴っちゃった」
「いや、よい。いい薬になったじゃろ」
「おい、沙羅もう起きていいのか?」
「ええ、あんたのあのロボットなかなかいいわね」
「あ、ああ」
「それより、ダイヤさんを殺してないよね」
「大丈夫だと思うけど」
エリスがダイヤに近づく。
「少し封印じゃ」
ダイヤは光の玉になってエリスの体内に入る。
「今どんな状況?」
「魔人の城に突入して2体の魔人を倒したところかな」
「そう」
(沙羅の力が前より上がっておる…休息のお陰か?)
「なぁ、沙羅。1時間くらいしか寝てねぇぞ」
「もういいわよ。十分寝たわ」
「そうかぁ?」
ヒデリは悔しそうな顔をする。
「ヒデリちゃんどうしたよ?」
福原がヒデリを覗き込む。
「いや、あいつ。食事も睡眠も満足に取れないなんてかわいそうじゃねぇか」
「優しいな、ヒデリちゃんは」
「心配だよ。あいつの体が…」
(まだ球体君に入ってた方が良かったかしら?)
「よし、もうちょっと休もうかな」
「そうか!!じゃあ球体君をもっと居心地よくしてやるからさ」
「え、ええ。よろしく」
「沙羅も丸くなったわねぇ」
未来が沙羅に声をかける。
「え、私は貧弱な体よ。少しは太れたってこと?」
沙羅は明るい顔をする。
「いや、ごめん。そうじゃなくて」
なんでこんな時に天然が出るのよ。
「なんだ、太ったんじゃないのか」
沙羅はがっかりする。
「痩せてるのは羨ましいけど確かに少し太った方が良いわね」
「ちょっと未来」
「太る方法を教えてよ。未来」
「うぐっ」
「どうしたの?」
「沙羅、球体君に入ろう」
「?」
「よくも私の城を壊したなーーー」
ドシンドシンと丸々と太った魔人が現れる。
「休めなそうね」
「我はデンプー。貴様ら皆殺しにしてやる」
「沙羅、君は球体君に入っていいよ」
僕は力を解放していく。
「わかった、そうするわ」
沙羅は球体君に入っていく。
ヒデリはホッとした表情になる。
「さぁ、僕の本気を見せてやる!!」
僕は力を解放していく。




