フレイルから落っこちましたの件
第63話
フレイルの力は凄かった。
彼の言うことからエリスさんの力もやはり強力なんだなぁと思っていた。
僕は燃え盛る船をもっと見ようと思い体制を変えた。が、僕はバランスを崩してしまった。
「わぁぁぁぁ」
僕はフレイるから転げ落ち海に落っこちてしまった。
泳げない僕は慌てて余計に溺れてしまった。
後々考えれば魔法を使えばよかったのだが
「助け、がぼ、助け」
僕は海に沈んでいく。
「と、徹」
未来が慌てる。
すると福原が綺麗な姿勢で海に飛び込んだ。
海に沈んだ僕を福原は華麗に助けた。
そこからの記憶はない…
はっと僕は目を覚ました。
「よかった、徹。息を吹き替えして、死んじゃったかと思った、このバカ」
未来が泣いている。
息を吹き替えした?僕は死にかけたのか
エリスが笑いをこらえて立っていた。
なんだ?あの顔は、息を吹き替えした?
あれ?誰かが人工呼吸を?
僕は福原を見て、恐る恐るお礼を言う
「あ、あの福原助かったよ。ありがとう」
「おう、気を付けろよ徹、俺が人工呼吸しなきゃ死んでたぞ」
や、やっぱり…
ぶはっ
エリスさんが堪えられず笑い始めた。
「見事な救出劇でしたよ、マッスルさん」
カエデさんが呑気に言う。
「ハッハッハ、そうだろう、そうだろう」
福原は得意気に言う。
「ホントに泳げないんですね」
ボソッとロミアが独り言を言ってて悲しかった。
それよりもこれはキスではない、キスではない。
僕は頭の中で念じ続けた。
「さ、さて、つ、次の目的地にぶふ、行かなくてはな」
エリスさん…笑わないでくれ。
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