魔人が現れたの件
第621話
「カエデが全部食べちゃったしそろそろ次の目的地に行こうかー」
「ああ、すいません!!」
「別にいいよ。また食べたくなったら用意するから」
「むっ」
「来ます」
エリスとロミアが反応する。
「魔人ですか?」
「いや、怖い、怖い」
未来が突然叫び始める。
「だ、大丈夫だよ。未来、僕が守るから」
「いやぁぁぁ、怖い!!」
「へっへっへ、そんなに怖がるなよ。人間」
目の前に巨漢の魔人が現れる。
「で、でけぇ」
「へっへっへ。俺様にびびってるな。ふん」
魔人が手を振ると遠くの崖が粉々になる。
「!!!」
「何だかこの世界の崖がかわいそうになってきた」
「何を呑気なことを言ってるんだよ、沙羅」
「ハイパーマッスルナックル」
「へっ!!良いパンチじゃねぇか」
魔人は直撃をくらうが仁王立ちする。
「くそ、ハイパーマッスルガドリング」
「へっへっへ」
「マッスル、離れろ。メガバスター」
「おっと。なかなかやるじゃねぇか。メカ女」
「くそ、効かねぇか?」
「ダイヤモンドスラッシュ!!」
「うおっ!!」
魔人の胸に傷がつく。
「か、固いーー」
「てめぇ、よくも俺様の体に傷を」
魔人のパンチがダイヤをとらえる。
「ダイヤモンドコーティング」
ダイヤはダイヤモンドで体を追おう。
ガキン!!
「くっ、砕けた」
ダイヤは後方に飛ばされる。
「ダイヤさん!!くそ、メルメルバスター」
「おうおう、立て続けによくやるぜ。まだ自己紹介もできてないのによ」
「自己紹介等必要ない。ドラゴンスラッシュ」
「おっと」
魔人はエリスの攻撃をかわす。
「くらえい」
「くっ、まずい」
「風神竜巻」
魔人はバランスを崩す。
「すまぬ、カエデ」
「いいえ、何しろ。あの魔人の攻撃をもらわないようにしないとですね」
「はぁぁぁぁぁぁぁぁ」
沙羅は力を上げる。
「な、なんだ。あの女!!」
「くっ」
沙羅の頭に過去の記憶がフラッシュバックする。
「沙羅!?」
「くそ、何で今さら」
昔話をして気持ちに油断が出来たのか?
「びびらせるんじゃねぇ」
「あっ」
魔人のパンチが沙羅をとらえる。
バキバキ!!
「へっへっへ。粉砕しちまったな」
沙羅はぴくりとも動かない。
「沙羅」
「大丈夫です。ギリギリサイコパワーで防御はしているようです。かなりのダメージを受けていますが…」
ロミアが冷静に分析する。
(死人に足を引っ張られるなよ)
おもいっきり引っ張られてるじゃない。沙羅…
私は死ぬのか…私は何の為に生きて…何の為にこの世界に…わた…し…は
「ダークネスバスター」
「へっへっへ、効かねぇぜ。そうそう俺様の名前はゴージンだ」
「ゴージン、聞いたことがありますね」
「ロミア様、俺様の名前を知ってるなんて光栄だぜ」
「メルメルパワー全快!!」
僕は力を一気に上げる。
「おっ、おおすげぇ力じゃねぇか」
「うるさい、メルメルエネルギー弾」
僕は連続でエネルギー弾を放つ。
僕はちらりとダイヤさんを見る。
「いてて、了解」
ダイヤさんは急いで沙羅の元に向かう。
「沙羅、大丈夫かい?」
沙羅は目を開けたまま動かない。
「さ、沙羅?」
ダイヤは急いで回復魔法を施す。
ヤバイな、もしかしてもう
「いてぇな。このガキ」
弾幕からゴージンが現れる。
「くっ、ハイパーメルメルシールド!!」
僕は何とか攻撃を防ぐ。
「はぁぁぁぁぁぁ」
カエデの体からレインボーの気が放出される。
「お、こいつも強いな」
「はあっ!!」
カエデは覚醒状態になる。
「行きますよ」
「へっへっへ。かかってこい」
「秘技疾風迅雷」
ゴージンの腕が吹き飛ぶ。
「うぉぉぉ!!俺様の手がぁぁぁぁ」
「このままトドメをさす」
「カエデさん、ダメです」
ゴージンの腕が瞬時に再生する。
「ゴージンダブルナックル」
「当たるか」
カエデは一瞬で姿を消す。
「おお、カエデのやつ完全に力をコントロールしておるのぅ」
エリスはダイヤの方を向く。
ダイヤは首を横にふる。
「な、何…」
「どうしたんですか、エリスさん!!」
僕はエリスさんに声をかけるが聞こえていな
い。エリスさんの目線の先を見る。
「さ、沙羅」
ダイヤさんが絶望的な顔をしている。




