フレイル大活躍の件
第62話
「おお、久しぶりだなぁ。フレイルの背中に乗るのは」
バサバサとフレイルは軽快に飛んでいる。
こないだ会ったときの老ドラゴンとはまるで別人?だ。
「主よ、あそこの船に行けばよいとのことだな」
「そうだ、あそこに降りて、魔物を駆逐するのじゃ」
エリスさんはワクワクしている。
「主よワクワクしてるところ悪いのだが、我があの船ごと燃やしてしまうことも可能なのだが」
えっ、やめて。活躍が…
「…フレイルさん、可能なんですか?」
僕は情けなく聞いた。
「小僧よ、我の力をなめるでない」
「よし、フレイルやってしまえ」
「承知した」
やめて、出番が。
フレイルが口を大きく開ける。
物凄い力が口にたまっていく。
その瞬間爆発的な炎が吹き出される。
たちまち船は燃え上がり大爆発を起こす。
す、すごい。こんな力。
「ちょ、ちょっと強すぎじゃないですか」
僕は思わずフレイルに声をかける。
「我の力は主の力によって上がるのだ。つまり主が強力なのだ。わかったか小僧」
「は、はい」
「フレイル良くやったぞ」
エリスさんが満足そうに言う。
僕は呆然としていた。
その様子に気づいたのか未来が近づく。
「徹、あんた目立とうとするのはもう諦めなさい」
未来が同情して肩をポンポンと叩く。
くそう、次は絶対目立ってやる。