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覚醒せよの件

第619話


「徹!!」

沙羅が声をかけてくる。


「うわぁっ」


「食事を頂戴。カエデの胃袋がもたない」


「ああ、そう言うことか今用意するよ」


「ありがとう」


「それより、修行はどうじゃ」


「上々かな。今も強そうな魔人と戦ってるし」


「えぇ、放置して大丈夫なの?」


「大丈夫でしょ、ねぇカ○リーメイトみたいなのないの?」


「え、ああでもカエデさんはこれじゃ物足りないんじゃない?」


「私が食べるのよ」


「あ、そういうことか」


沙羅は食べ物を袋に入れる。


「ありがとう。じゃあ」

再び姿を消していく。


「うーん」


「どうしたんだい?徹」


「いや、沙羅はここに来てからまともに食事をしている風に見えないなぁって」


「確かにそうじゃな。だからあんなにガリガリなんじゃな」


「ガリガリって程ではないけど華奢だよねぇー」


「よし、俺が鍛えてやるか」


「そうだ、戻ってきたら歓迎会をやりましょうよ。今さらですけど。沙羅にも美味しいものを食べてほしいし」


「それは良いな。では準備に取りかかろう」


「ふむむ」


「どうした?ダイヤ」


「ううん、ちょっと気になっただけ」


「……ふむ、そうか」



「疾風烈風斬!!」


「ほっほっほ。なかなかの太刀筋ですな」


「まだまだです」

カエデは立て続けに攻撃を加える。


「おっととと、しかしお仲間は逃げてしまったようですね」


「えっ」

カエデは思わず余所見をする。


「今です」

クロースの蹴りがヒットする。


「ぐっ」


「さて、様子はどうかしら」

沙羅が現れる。


「おや、逃げたのではないのですか?」


「ちょっと用事を済ませてただけよ」


「ふむ、まぁいいでしょう。この娘が殺されるのを見てなさい」

クロースはカエデを掴んでジャイアントスイングをかます。


「わわわっ」


「くたばれぃ」

カエデは沙羅に向かって吹っ飛んでくる。


「成る程2人まとめて始末する気か」

沙羅はカエデを軽く蹴り上げる。


「痛い!!」


「大丈夫?カエデ」


「いや、今蹴りましたよね!?」


「だってぶつかりそうだったから」


「うう」

カエデは半泣きになる。


「それよりあの力を使いなさいよ。本気でさ」


「えっ、でもまだコントロールが」


「いざとなったら私が止めるわ。でもこないだの話を思い出しながら力を解放しなさい」


「わかりました」

カエデは目を瞑って力を上げる。


「無駄話は終わりましたか?」


「無駄ではないですよ」

カエデの瞳が金色に光始める。


「ほう、なかなか」


「はぁぁぁぁぁぁ」

カエデの体からレインボーの気が放出される。


「よし、解放は出来たわね。後は…」


「行きますよ、魔人さん」


「口調も元のままね」


「はぁぁぁぁ」


「なんだ!!すごいスピードだ」

クロースは思わず後退りする。



「烈風咆哮斬」

クロースの右手が切断される。


「ぐ、ぐぉぉぉぉ」


「まだまだぁ。烈風乱舞」


「ぐ、ダークネスショット」

クロースの攻撃がカエデの心臓に向けて放たれる。


「甘い!!」

カエデは素早くかわす。


「トドメ!!疾風怒濤」


「ぐ、ぐぎゃぁぁぁぁぁ」

クロースは消滅する。


「はぁはぁ」


「よし、私と勝負よ」

沙羅はサイコパワーを解放する。


「えっ?」


「今なら本気で戦えそうね。カエデ」

沙羅はニヤリと笑う。


「分かりました。やりましょう」

カエデもそれにつられて笑う。



「化物だ、化物の子が産まれたぞ。ハヤテ!!今すぐその子を処分するのだ!!」


「それは出来ませぬ、この子は拙者の大事な娘です」


「しかし、このような力を持った者が産まれて良いはずがない」


「では、拙者を倒してからだ。拙者も本気を出させてもらうでござる」


「なんだと、英雄になったからといい気になりおって」


「待たれよ、愚かな人間どもよ」


「な、何でござるか」


「この力は」


「我は風神。その娘は私が預かる」


「な、なんですと」


「その力大変興味深いからな。それでよいな人間」


「う、うう」


「それでこの子が助かるのであれば」


「素直でよろしい」

風神は赤ん坊の中に入っていく。


「力が収まった」


「神がこの子を守ったでござるか…」



「はっ!!」

カエデはがばっと体を起こす。


「うう、今のは…夢?」


「起きた?」


「沙羅さん…」


「うなされてたわよ」


「私、やっぱり負けたんですね」


「そうね、でも力のコントロールは出来てたわ。もう問題なさそうね」


「ほ、本当ですか?」


「うん、後は気を抜かないこと」


「わかりました!!」


「じゃあ、これご褒美よ」


「わぁ、豪華な食事じゃないですかー!!」


「たんと召し上がれ」


「いただきまーす」


沙羅はカエデの様子を見てにこりと笑う。


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