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村を去りますの件

第596話


「さて、では私達は今度こそ旅に出ます」


「色々とすいませんでした」


「いえ、やはりギガーにはかないませんな」


「お、俺は」


「お主が人間と共存する道を選んだのなら私達はそれを否定はしない。せいぜい力をつけて村人を守ってくれ」


「あ、ああ、わかった。その前に」

ギガーは遠くに立っている沙羅に近づく。


「あんただろ、最後の一撃を加えたのは」


「違うわ」


「とぼけなくて良いって、ありがとよ」


「だから違うわよ」


「沙羅も照れてるのかしら」

未来はにやにやと笑う。


「一撃じゃなくて二撃よ。よく見なさいよ」


「……」


「あ、ああ」


「天然は怖いのぅ」


「沙羅さん、かっこいいですねぇ」


「初代天然も相変わらずじゃな」


「?」


「じゃあな、お前達」


「ちょっとまって、お姉ちゃん」

沙羅に石を投げていた子供が沙羅に近づいていく。


「なんだか、嫌な予感が」


「お姉ちゃん、お兄ちゃんを守ってくれたって本当?」


「……」

沙羅は黙っている。


「今度こそ照れてるんじゃない?」

未来はまたにやにやと笑う。


沙羅はしゃがみこんで子供の頭を撫でる。


「別に私は何もしてないよ。お兄ちゃんが強かっただけ。お兄ちゃんがこれからもあなた達を守ってくれるから安心して」

沙羅は僕達に見せたことのない笑顔で子供に話しかける。


「誰じゃあいつは」


「あんな1面があるんだねぇー」


「ありがとう、お姉ちゃん」

沙羅は軽く手を振る。


「では、行くぞ。皆のもの」


「はーい」


「沙羅って子供好きなの?」


「ううん、大嫌いよ」


「そんなはっきり言わなくても」


「なんとなく、妹に似てたから」


「そうなんだ、少しは記憶が戻ってきたのかな」


「あ、ああ、そうね。そんな気もしなくはないかな」


「よかったね、沙羅」


「ま、まあね。でもまだ完全ではないわ」


「しかし、あの村は大丈夫かのう」


「どうしてですか?エリスさん」

僕はエリスさんの疑問がわからなかった。


「うむ、これからも追ってが来るであろう、ギガーは確かに強いが私がたたかったやつは明らかにギガーより強かったからのぅ」


「確かに、そうなると追手が来たら危険ですね」


「じゃあ、あたいらでその追手を倒すべ」


「でも、追ってはカエデさんとロミアちゃんが倒したから大丈夫なんじゃ」


「そうです、あれから魔物の気配はしませんし」


「ふむ、なら大丈夫じゃな」


「じゃあ、次はどこに向かうんだい?」


「ここから先に魔物の巣があるみてぇだ。そこに向かおうぜ」


「……ちょっと用事を思い出したや」

沙羅がぽつりと言う。


「ん?」


「ああ、沙羅さんが消えましたよ!!」


「えっ、どこに行ったのよ」


「用事がなんとかって言ってましたよ」


「ふむ、じゃあ用事が済んだら戻ってくるじゃろう。先に進むぞ」


「いいのかよ、姐さん」


「これ以上のんびりしている時間はないからな」



「ギガー。これからもよろしく頼むぞ」


「あ、ああ任せてくれ。しばらくは追っ手も来ないだろうし」


「甘いわね」


「な、女なんで戻ってきたんだ」


「私には沙羅っていう名前があるわ。ギガー」


「あ、ああ。それで何でだ」


「やっぱり、魔人と人間の共存なんて不可能だと思うのよ」


「な、なんだと。まさかお前俺を殺しに」


「ふっ」

沙羅はニヤリと笑う。


「お姉ちゃん、何で」



「ギガー、ギガー。しっかりしろ。目を開けてくれ」


「ふん、雑魚ね」


「貴様、よくもギガーをハイパージジイナックル」


「甘いわよ」

沙羅は村長の腕を切断する。


「ぎゃぁぁぁぁぁ」


「さてと、この村を壊滅させるわ」


「ひぃぃぃ、皆逃げろ」

村中に悲鳴が響き渡る。


「お、お姉ちゃん」


「まずはあんたから殺してあげる」





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